中盤、△86飛と走ったところ。この手を指した時点では候補手は▲87歩と▲87金だと思い、相手の考慮中に▲98玉の可能性に気が付きました。後手は当たっている大駒を切って攻めていくことになりますが、▲98玉は前述の2つの受け方よりも後に得になります。△86飛に▲98玉、という対応は滅多に出ない形なのでウッカリしましたが、大駒が2つ当たっていて両方は逃げられないので成立しました。
後手の△54金型は通常は金が四段目に出て行くのは良くないとされている形ですが、角換わりにおいてはむしろ好形とされています。ただし大駒を多く持たれると裏を取られやすくなり、実戦もその展開になり▲51角、▲41角、▲61角などに対して△54金が働かない変化が多く、苦しくしました。
金沢対局の夜は例年の楽しみであるブリしゃぶ。カーリングの3位決定戦と鍋を交互に見る忙しさで楽しい一時でした。準決勝の韓国戦、9回が始まる時点では日本が敗勢、逆に韓国は勝ったと思ったはずですが、そこから一手違いになるとは、勝負の怖さを改めて感じます。ある先輩が「楽観は角落ち以上」と言ってましたが、やはり勝負は最後の一手、一投まで、ってわかってるのに自分の将棋だと早めに勝ったと思ったり、萎えたりするのはなんでなんですかね。しかも同じことを何度も何十回も繰り返すんですが、性格だからどうしようもないんでしょうか。