日経ネット将棋王国にて中継されます。
また31日・8月1日で王位戦第3局。こちらは神戸新聞:王位戦ページにて。
戦型は相矢倉。
良くある仕掛けですが▲9八香を上がって仕掛けるのは珍しい。通常の▲6五歩型(図から香を9九に戻して後手が△9五歩と突いてある形)に比べて先手が手得しているのは後手の角が7三→6四→7三と移動しているためです。
この局面は平成15年の第51期王座戦第5局▲渡辺五段-△羽生王座戦と9筋の形が違う(△9四歩→△9五歩・▲9八香→▲9九香)他は同じです。棋譜は日経ネット将棋王国の棋譜ページからご覧になれます。
王座戦では▲同歩と取り、先手有望のわかれでしたが、本局は後手の歩の位置が9五ではなく9四。よって▲同歩には△8七歩▲同金△9五桂で後手良しになります。このように、歩の位置1つで形勢が変わることがあります。
実戦は▲同銀△6六桂▲7九金の辛抱。この桂が入れば・・・と思っていましたが、難解でした。
1筋を破られたので中段に逃げ出しました。図は△3五歩と受けたところ。受けに成功したと思っていましたが▲2四銀が予想以上にうるさい攻めでした。△2三金と取れると思っていたのですが▲3五銀△2五玉▲1七角(参考図)
でかなり気持ち悪い格好です。参考図は危ないと判断して▲2四銀に△2五玉から入玉を目指しました。その後、負けになる手があったようですが、入玉に成功。
後手の入玉が確定。相入玉になった場合は大駒(飛角)5点、小駒(金銀桂香歩)1点(玉は含まない)として24点を目指すことになります。ちなみに最初の戦力は双方27点ですから3点は失っても24点に到達します。お互いが24点に達すれば引き分けで指し直し。23点以下は負けです。
さて、図で後手の点数は26点ですが、自陣の駒は取られそうなので、18点~20点でしょうか。現状は足りないのですが、先手玉が入玉するまでは時間が掛かります。その間に駒を取って24点には到達しそうだと思っていたのですが、阿部八段は「こっち(が入玉するの)は無理」と言っていました。
確かに、先手が入玉するためには△9一香、△8一桂、△7四歩、△9四歩を掃除して、しかも駒を取られすぎないようにうまく入らないといけないので、厳しいかもしれませんね。後手としては攻めるだけなので楽な展開ですし。
実戦は▲6四角△6一香▲9一角成△7八香から先手玉を寄せに行って勝つことができました。
勝って1勝2敗に。4回戦以降も頑張ります!