後手番で相矢倉。最近は急戦矢倉ばかりやっていたので、普通の相矢倉は久しぶりです。
森下システムの定跡形から穴熊に潜りました。この△8五歩△8四銀の形は昔からありますが、それプラス穴熊というのは新しく、佐藤天彦君が指していたのでパクリました(笑)(H20年9月11日・棋聖戦・▲村山五段戦)
狙いとしては、先手に動いてもらって、カウンターです。
▲阿部八段は動きが難しいと判断して1図から△3一角▲2九飛△4二角▲2八飛△3一角▲2九飛・・・で千日手に。
17時54分から指し直し開始。
前例通りに進めて労せず千日手で先手番を得て、持時間も1時間多い。しめしめという展開だったのですが、もちろん指し直し局は簡単には行かず・・・
2図は終盤戦で△3六桂と詰めろで打ったところ。次に△6八金▲同飛△同銀成▲同玉△9八飛(8八)で詰みます。最後、同じようでも△7八飛は▲6九玉で王手がありません。
数手前から必然の手順で、この局面は勝ちだろう、という大局観でしたが・・・。
2図での第一感は▲5八玉と詰めろを防いで△2八桂成と再び詰めろで飛車を取る手に対して▲7四角が「詰めろ逃れの詰めろ」ですが、以下△6八飛▲4七玉△3八飛成▲5六玉(下図)
参考図で△6五金なら▲同角△同歩が甘いので反撃して先手勝ちですが、△4五金▲同歩に△同銀ではなく△3六竜と1回王手で引かれて、どう応じても先手玉が詰みます。
まず、この変化がダメで、他に考えていた変化もダメそうで、負けなのか、大局観が悪かったか、と思いました。
再び2図に戻って▲7四角の筋はダメでも▲5五角がありました。
意味は、前述の△6八金以下の詰み手順で、△8八飛が不可、△9八飛には▲8八香などの合い駒が可能。まず、先手玉の詰めろが消えています。
対する△2八桂成に▲3三角成と王手。
王手なので△3三同金と取るか、玉を逃げる・合い駒をする、ですが、△3三同金は▲同馬以下、手数は掛かるものの、後手玉は詰み。取る以外の手には▲7七馬と銀を外し△同金▲同馬で先手玉が全く寄らなくなります。
という訳で阿部八段はここで投了、終局は0時52分。
プロの一目である▲7四角の筋は後手勝ち、意外性の▲5五角が先手勝ち、ということで、ツキを感じた終盤戦でした。
勝って2連勝。B級1組は3期目になりますが、最終成績の7勝5敗以外で白星2つ先行は初めてのこと。これを大事にして3回戦以降も頑張ります。