一年間、ありがとうございました
それにしても今日は寒かったですね。いよいよ本格的な冬到来といった感じです。
棋王戦は▲久保八段が快勝して1月7日の第2局へ。これに勝ったほうが棋王挑戦となります。
28日(日)は情熱大陸の放送日です。いつもの倍の1時間。かなりインタビュー等を受けましたが、いらぬことを言っていないか心配です(笑)
TBS系、23:30~24:30。
振り駒で先手になり△谷川九段のゴキゲン中飛車から▲5八金右急戦に。
図は終盤戦、ここで▲8三桂成が敗着で△3二飛と逃げられた手が先手玉への詰めろになってしまいました(先手玉が3四へ逃げられない)
△3二飛が詰めろということは▲8三桂成の瞬間も先手玉は危なかったわけで、それにすら気が付いていなかったので、負けるのも仕方がないかな、という感じです。こんなに詰む詰まないが読めていなくて勝てるわけがありません。
年内最後の対局を飾ることが出来ませんでしたが、棋聖戦最終予選は2敗失格制でまだチャンスがあるので1月の対局を頑張ります。竜王戦後に負けが混むのが例年のパターンになってしまっているのが情けない。
本日26日(金)は棋王戦挑戦者決定戦第1局久保八段-木村八段戦が行われます。棋王戦の挑戦者決定戦は変則2番勝負で、勝者組の木村八段は1勝1敗、敗者組の久保八段は2連勝で挑戦権獲得となります。
棋王戦中継サイトにて。
▲4六角と△4四角は一度交換して打ち合ったもの。▲9八香の瞬間に△4四角と打たれ角を合わせて穴熊に入る手もあったのですが▲7七桂と突っ張ってみました。すると、後手だけ穴熊に入ろうとして来たので、今度はこっちが▲4六角と打って▲6五銀を狙う展開に。
この▲7八銀▲9八香はたまに見られる形ですが、僕は初めて指したかもしれません。▲9八香がムダ手なので、良い形ではないとは思っていたのですが想像以上に薄い構えでげんなりしていました。
1図から▲6五銀と行きましたが△5三金▲7四銀△7二飛でたいしたことがありません。
△9九銀と放り込まれ、やはり▲9八香が悪手になりました。ここは▲同玉と▲7八玉の二択で、かなり難しい二択だと思い、39分考えましたが、間違えました。まだ時間はあったので、もっと考えるべきところでした。
正解は▲同玉で△7七桂成に▲8八銀と埋めれば大変な勝負でした。実戦は▲7八玉とよけてしまったために△6五金▲4四銀△5六金▲3三銀不成に△8六歩が決め手。
▲同銀は△8八飛▲7九玉△9八飛成で寄り。▲同歩は△7七桂成▲同玉△8九飛で▲8六歩が邪魔で上部に逃げられない(これが△8六歩の効果)
以下、久保八段が明快な手を逃したので両者1分将棋まで行きましたが、チャンスはありませんでした。終局は日付が変わって0時32分。
負けて4勝5敗に。昨年と同じく降級の心配をしながら年を越さなくてはいけません。年明けからの3局、踏ん張りたいところです。
本日21日(日)は大和証券杯・女流最強戦、矢内女王・女流名人-岩根女流初段戦があり、ブログでもお馴染みの遠山四段が解説を担当とのことです。
20時~大和証券杯公式サイトにて。
七番勝負については今後、専門誌などの取材でしゃべることになると思いますが、第4局の打ち歩詰めが大きかったです。大きいも何も、あれを負けていたら終わっていたわけですし。3連敗の時、第4局の対局中はかなり暗い気持ちでしたが、第4局が熱戦になったことで気持ちが楽になり、5、6、は自分でもカド番とは思えないほど伸び伸びと指すことが出来ました。
第7局は何回も負けたかと思いましたが、幸運でした。
永世竜王はすぐに名乗るわけではないので(原則引退後)実感はありませんが、本当に名誉なことです。これに恥じない成績を残すために、今まで以上に頑張らないといけません。
第4局以降、いろんなところで「奥さんの絵が良かったんじゃないですか?」と言われました
「あの△3七成桂はすごかったですね」と言ってくれたのは1人だけで、他多数の方は絵の話。あまりにも皆さんが口を揃えてそればかり言うので、こっちも意地になって否定し続けましたが(笑)直後の第4局が打ち歩詰めでそこから4連勝ですからねぇ・・・。諦めないことの大切さを改めて感じました。
勝つことができて嬉しいです。3連敗した時はかなり厳しいと感じていたので、4連勝は自分でも信じられません。棋譜は竜王戦中継サイトにて。
振り駒で後手になり、第6局に続いて急戦策。
2日目に入って、ほぼ読み筋通りに進みましたが55手目▲6三歩成~59手目▲5二香成と踏み込まれるのを軽視していました。ここで悪くなったと感じました。
羽生名人が63手目▲2三歩を長考している時間は▲2三歩と▲5二金のどちらでも悪そうなので、さすがにまずいのではないか、と思っていました。
88手目△8七角と王手竜取りがかかっては逆転かと思いましたが95手目▲6六角があまりにもピッタリの手でまた逆転。ここから1分将棋で、祈るような気持ちで指していました。
109手目▲5五玉の局面で110手目△4四銀打から馬を抜く手が見えて、雰囲気は勝ちになったような気がしました。
126手目△1四歩は他の手が分からなかったので突きましたが、128手目△2五歩が思ったよりも受けにくく、厳しい攻めだったのは幸運でした。この辺りで、飛を抜いて自玉が詰まないのを確認して勝ったと思いました。
終わって、すごい勢いで報道陣が入ってきて、インタビューが始まり、勝ったことを実感しました。夢ではないか、現実であって欲しい、と思ったりもしました。
永世竜王はすぐに名乗るわけではないので実感はありませんが、嬉しいです。一息付きたいところですが22日順位戦、25日棋聖戦と対局があるので、もう一頑張りして年末年始はゆっくりします。
シリーズ中は多くの方に応援、激励を頂きました。本当にありがとうございました。
棋譜は朝日杯中継サイトにて。18日(木)にも本戦の3局が行われます。
明日16日(火)は竜王戦第7局の移動日で天童へ。対局は17日・18日。
ネット中継は竜王戦中継サイトにて。
衛星第2テレビは
17日 9:00~10:00/17:00~18:00
18日 9:00~10:00/16:00~18:45※ダイジェスト24:45~25:00
となっています。最終局ということで2日目午後の放送はいつもより長いようです。
これが最後なので、悔いが残らないように精一杯やってきます。
第1局のパリから取材して頂いている情熱大陸ですが28日(日)に1時間版での放送が決まっています。
※次の更新は19日の予定。
午前10時~畠山(鎮)七段と対戦し、勝つと午後2時から羽生名人との対局になります。
(羽生名人-堀口(一)七段戦は堀口七段が体調不良のため不戦敗となりました)
畠山(鎮)七段には前節の順位戦で負けているので、雪辱戦。
午後の羽生名人との対戦に進めれば、最終局の前々日に持時間40分での前哨戦となりますが、まずは初戦に全力を尽くします。
朝日杯中継サイトにて。
この後は16日(火)が移動日、水木が第7局です。
※金曜日に予定されていたB級1組順位戦、久保八段戦は翌週22日(月)に延期になりました。
また明日は女流名人位戦の挑戦者決定戦、清水女流王将-里見倉敷藤花が行われます。リーグ最終戦で清水さんが追い付いて、プレーオフに。里見さんが本割での借りを返せるかどうか。
ネット中継はスポーツ報知HP:女流名人位戦ページにて。