少し前ですが、王座戦第1局は双方1分の大熱戦でした。陣屋での王座戦は羽生竜王との2012年の千日手指し直しがあるんですが、終局が2時2分だったので打ち上げは3時頃からやったはずで、主催の日経新聞社の方が「えー、打ち上げは3時から」と言ったらみんなが「すぐに朝飯じゃん」みたいなニュアンスで吹き出してたのが思い出されます。この将棋で自分はタイトルを獲られたんですが、通常、決着局の打ち上げは敗者に触りたくない、ではないけど、普段よりは若干、しんみりしています。でもこの日は徹夜状態でみんなテンションが高いのか、普通に自分に話しかけて来るし、タイトルを獲られた感じがしない打ち上げだったのを覚えています。陣屋でのタイトル戦に熱戦が多いのは気のせいではないはずで、名局賞になった深浦九段-羽生竜王の王位戦は印象深いですし、また今日から王位戦第6局が行われるんですね。
昨日は解説を担当したAbemaトーナメントの放送でした。藤井七段があの攻めで押し切ってしまうのは圧巻でしたね。△41玉型で飛車を渡すと王手でかかる格好なので繊細な手順が求められ、見た目以上に技術が必要な攻め方だったと思います。それをあの持ち時間で、ですからね。
朝日新聞の村瀬記者が「渡辺棋王のような攻め」と書いてましたが、あれを真似するのは私には無理かと(笑)
図の△77歩に▲88玉ならどうか、というのは解説でも言ったんですが、感想戦も振り返り解説も全部終わった後に佐々木六段に聞いたら「これこれこうで、寄りらしいですよ」と言うので「えっ、そんなことまで読んでんの」と驚きました。「あの数秒しか考えられない将棋でそこまで読むなんて、やばすぎ」と昨日まで思っていました。
昨日の放送で感想戦を見たら、佐々木六段が▲88玉を示したら藤井七段が「あー▲88玉ですか」と考え込んで、他の変化を色々と動かしてから、ややあってその手順を思い付いた感じでした。その間、1分30秒くらい。
そして藤井七段は「(▲88玉を指されていたら)これが見えるかどうかですね」とまとめていますが、上図の時点で残り20秒だったので、実戦の集中力なら発見するんでしょうね、きっとw
この番組はあと6日間は無料視聴できるようなので、興味がある方は正解手順も含めてご覧になって下さい。(この部分の感想戦は01:37:10あたりから)
監修しているマンガ「宗桂」2話は9月13日発売の
コミック乱ツインズに掲載、電子版もあります。
星野先生の麻雀マンガ「哲也~雀聖と呼ばれた男~」は全電書店で14日0時まで1巻~3巻まで無料で読めるみたいなので、この機会にぜひ読んでみて下さい!自分は中高生に時にリアルタイムで読んでいて、このご縁があってから改めて一気に読みましたが、とても面白いです。「宗桂」も「哲也」の域に近付けるようにお手伝いしたいですね。