羽生二冠とは2年4ヶ月振りの対局。お互いにタイトルを持っていて、これだけ当たらないというのも珍しいのではないでしょうか。
朝、下座に座って待っていると羽生二冠に「まぁまぁ、席次通りに」と言われ
渡辺「いやいや」羽生二冠「まぁまぁ」を2回ほど繰り返し、あまり拒否し続けるのも失礼なので上座へ移動。
現在の席次は
1.森内名人
2.渡辺
3.羽生二冠
4.佐藤二冠
5.深浦王位
です(多分)※違いました、すいません。
7大タイトルの中で竜王、名人だけは格が上で、竜王、名人が同タイトル数の場合は棋士番号順(先輩が上)
羽生二冠、佐藤二冠は同タイトル数で、棋士番号順で羽生二冠が上。
※ではなく、全てのタイトルに順番があって、序列第3位の棋聖を保持している佐藤二冠が3.
羽生二冠が4でした。お詫びして訂正します。
振り駒で先手になり、羽生二冠の一手損角換わり。
1筋の位を取って、相腰掛銀に。実はこれ、通常の角換わり腰掛銀と1筋が違うだけで、他は同じ。但し、本来、先手の陣形を後手が持ち、後手の陣形を先手が持っています。
要するに、後手は1手損したものの(先手角換わりと比べて:後手+1手損=-2手)
先手が1筋に2手掛け、後手は△1四歩の1手を省いたので(-2-1=-3手)
先手が-3手、後手が-2手ですから、後手が+1手。1筋を除けば先手で角換わりをやっているのと同じことになるのです。分かりにくいと思いますので、図面で比べて下さい。
これが通常の角換わり腰掛銀。今、▲6八飛△6二飛に▲1八飛と回ったところ。定跡は再び△8二飛と戻る手で、また▲6八飛なら△6二飛で千日手。(実際に千日手になった公式戦もあります)
なのですが、本局では僕が先手なので、▲2八飛とすると△4二飛と戻られて、困ってしまうのです。いや、将棋は難しいです。(先手で千日手は損)
と言うわけで、△9二飛に▲8六銀と上がって△6五歩と先攻を許してカウンターに出ました。
桂が捌けるのは大きな得点と見ていましたが、飛が7九へ行ってしまうのがそれ以上に大きな失点でした。歩切れも痛く、ここで△5五銀を消して▲5六歩と突くようでは苦しい。
この後は、羽生二冠の攻めを懸命に受けました。
△6五桂を5七に成ったところ。△7七桂成と金は取れましたが▲同飛が△4七馬に当たり、馬が逃げると▲9三角成で入玉模様になります。
ここで▲4九桂と打って、混戦になったと感じました。△6八成桂で飛は詰みますが▲9三角成と香を取って飛を追いやってしまえば、先手玉は飛一枚では容易に捕まらない形です。
よって、実戦は3図から△6八金(▲同飛△同成桂▲9三角成もありますが△6九馬が嫌)▲5七角△7八金▲同玉と攻め駒を一掃して、再び打ち付ける展開に。
駒割りは飛銀交換の駒損ですが、歩は多く持っていますし、先手は遊び駒がないので良い勝負。残り時間は▲2分△3分。
ここで最後の1分を使って指した▲8五桂が悪手。さっきまでは▲9三角成でしたが、今度は▲9三桂成なので、全然たいしたことがありません。「△9三香を取って△8二飛をどかさなければ」という思考が強すぎました。以下、△7四香▲9三桂成△8一飛で駒損が拡大。(△7四香には△4七角の紐が付いているので取り返せない)
4図での正着は▲5四銀不成。
1.△同歩なら▲6五銀
2.△7四角成(香)ならやはり▲6五銀。
金を取った後にまた銀を逃げないといけないのが、気にいらなかったのですが、そんな贅沢は言わずにとにかく金を取っておくべきでした。やはり現物は大きいのです。
実戦は4図の数手後、さらに致命的なミスが出て終了。158手。
2図の「桂が捌ければ・・・」と思った大局観が悪すぎました。
負けて最終予選1勝1敗に。最終局を頑張ります。