王将戦二次予選決勝、郷田九段戦。

2009-09-25 | 対局

振り駒で先手番になって藤井九段が連採している「矢倉早囲い」。

棋譜データを見ると、昭和の終わり~平成初期が流行のピークで、先手が面白くなくなったのか、平成11年以降はほとんど指されていません。僕はプロになったのが平成12年なので、この流行について、詳しくは知らないんですそれを再び掘り出したのが振り飛車党の藤井九段で、最近は居飛車党の棋士も指すようになってきました。

 

           

 

「早囲い」とは▲7八金~▲6九玉ではなく▲6八玉~▲7八玉にして▲8八玉~▲7八金の囲い方。完成すれば▲7九角を入城のために▲6八角等と、どかす1手を省けるので、後手が反発して動くケースが多く、1図は7筋の歩を交換してきたところ。

「早囲い」の特徴は同じ2手でも▲7八金▲6九玉型に比べて、先手にとって戦いの場となる1~4筋から遠い、すなわち速攻が狙える、という点。

1図から▲6五歩△4二角▲4六角△9二飛と▲8三銀や▲8三金の傷を作ってから、▲3五歩△同歩▲2六銀。一応は狙い通りに先攻する格好に。

 

その後、少し指せるかな、という状況からおかしくしたのですが、そこを切り抜けて、優勢に。その辺りは、スポーツニッポン紙上の観戦記、(観戦記掲載情報は当ブログ左端ブックマーク上から3番目)週刊将棋をご覧下さい。

 

           

 

2図は最終盤。先手玉は詰めろではないので、▲8二飛や▲5一飛の攻め合いで一手勝ちだろう、というのが第一感でしたが、読み切れませんでした。2図直前の29分と、ここで残り2分まで使う7分で攻め合いを諦めて、余して勝つ方針に変更。

2図から▲6六同金△同銀▲6二飛の王手銀取り。対して△5二角なら▲7四飛の取りになって▲6六飛成とは出来ないのですが、△5二角に▲7二飛成と詰めろに成って、▲5二飛成以下の詰めろと▲6六飛成の受け切りの両狙いになって先手勝勢。

実戦は▲6二飛に△5二銀だったので▲6六飛成から受け切り勝ちになりました。勝って初めての王将リーグ入り。早速10月上旬から始まりますが、頑張ります。

 

 

本日25日(金)は王座戦五番勝負第3局▲山崎七段-△羽生王座(2勝)

横歩取り△8五飛戦法に進んでいます。王座戦中継サイトにて。

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