マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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続、野鍬鍛冶師

2007年01月09日 07時58分41秒 | 民俗あれこれ(職人編)
グラインダーの火花。

(H18.11.8 Kiss Digtal N撮影)

<工程概略>
1.炉とも呼ばれる火床(ほど)の火起こし。赤土に火起こしの燃料であるコークス(昔は松炭)を入れて着火する。火種は松炭かくぬぎの炭であったが現在は着火マン。

2.ハガネを赤くなるまで焼いて水を張った桶に入れる。急冷してハガネを硬くする「焼き入れ>。

3.焼き入れしても折れないように再びハガネを焼いて、今度は<焼き戻し>。そうすることでハガネに粘りをだし、軟鋼にする。

4.先を溶接して繋げた修理クワを焼き<軟鉄>状態にして地鉄(ぢがね)にする。

5.ハガネを地鉄の幅に切断して取り付ける。

6.取り付ける接合剤は鉄蝋(てつろう)粉。鉄蝋は硼砂(ほうしゃ)やホウ酸、ヤスリ粉が用いられる。

7.クワが一面に焼けるよう、フイゴを引いたり押したりして火床(ほど)を大きく広げる。

8.火床(ほど)から焼けたクワを取り出して、トンカチで叩くと火花が散る。この火花は鉄蝋粉が焼けて飛び散っている証しで一回だけ発生する火花。この工程を<板付け>という。

9.更にクワを焼いてトンカチで叩く。これを<沸かし付け>という。

10.もう一度同じ工程を踏んでトンカチで叩きクワを整える。これを<本付け>という。

11.冷ましたクワをグラインダーで仕上げる。

12.最後に再びクワを<焼き入れ>して完成する。