マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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池田町当家御膳飾り

2008年12月05日 08時40分37秒 | 奈良市へ
明日の当家祭に際してお供えされる御膳造りに集まった奈良市池田町の熊野神社宮座十人衆。

当家さんとともに早朝から神社境内に高貼提灯の土台を設える。

雨はそろそろ止むだろうと当家の家に参集する。

午前中に御膳を造り、午後からは御供モチ搗きだ。

盆が明けてから準備した竹串は多いもので1000本。

手間がかかったのは5個のクリを挿す尖らした楔型の平竹だと話す。

御膳の土台にするのは葉付きミョウガの茎でおよそ250本。

飾り付けにはコンブとクリ、ミョウガの花、ザクロ、カキ、ナシ、ナス、ドロイモの7品。

二班に分かれて作業が始まる。

飾り付けの土台はミョウガ。太く束ねて紐でしっかりと縛る。

これを切断して直径約15cm、高さ10cmにしたものを大きな三宝に載せる。

そこに四方から平竹で食い込ますよう刺し込み土台を安定させる。

祭礼を司る十人衆の数と薬師さんに供える11台が作られる。

土台ができあがると中心部にコンブ一枚とクリ5個を挿し込む。

帆掛け形にしたコンブ、祓え鈴型クリの形に興味を引かれるがその意味の伝承は伝わっていないそうだ。

クリ以外の6品は半月などの形に切って竹串に挿す。

ザクロは汁がいっぱい飛ぶのでやりにくいとこぼされる。

用意できたものから次々とミョウガの台にさし込んでいく。

ミョウガの花は5個、ザクロ、カキ、ナシ、ナス、ドロイモは7個、クリは20個で周りを囲むように挿してできあがり。

60本もの季節の彩りが広がるように飾り付けた御膳は10台。

もう一台の薬師さんには少し小さめの深箱型の三宝に供えるが帆掛けコンブと5個のクリはない。

2時間かかった御膳造りは大きな御幣を置かれた当家の座敷に並べる。

祭壇にずらりと並んだ御膳は豪華で壮観な景観となった。

ここに二段重ねの御供モチや三宝の四隅に4個のコモチが置かれる。

祭壇はお神酒、コンブ、スルメ、果物、野菜、タイ、カマス、マツタケなど並べる順が決まっている。

さらに、裏返したツバキの葉に米を練ったシトギを載せる。

モチ搗きの間に当家と神社にメロウ笹にシデを取り付けた注連縄を張っていく十人衆らは御膳造りを終えた夕刻に高貼提灯を掲げる。

右側は十人衆。左側は当家、前スケと呼ばれる次年度当家、後(あと)スケと呼ばれる前年当家。

その後ろには当家待ち氏子の順と決まっているので何時の年に当家を担うか判るようにしているという。

(H20.10.11 SB912SH撮影)

池田花飾りの当家

2008年12月05日 08時37分32秒 | 奈良市へ
明後日の当家祭を間近にひかえた奈良市池田町の熊野神社当家さん。

お渡りに抱えていくミョウガの花飾り造り道具を広げている。

自然に生えている近くの畑地で収穫した200本のミョウガ。

この茎を束ねて2、30cmほどの俵型土台にする。

周りには竹串で固める。

細く尖らした竹串は1000本も用意される。

盆を過ぎたあたりから作り出さないと間に合わないという。

ミョウガの土台に挿していく先を五本に割いたヘラのような竹や土台を四方から支えて安定させるくさび形の竹なども用意する。

これらは大きな三宝に載せられる。

竹串の先端に秋に収穫されるミョウガ、クリ、カキ、ナシ、ザクロ、サトイモ、ナスを挿す7品の「花飾り」。

かなりの重さになるというもので決まった名称はなく「オソナエ」と呼んでいる。

三宝四隅には御供モチ搗きしたモチを載せる。

明日は早朝から集まって、祭礼を司る十人衆の数と薬師さんに供える11束が造られる。

その前には神社の境内に提灯を掲げる。

右側は十人衆の提灯がずらりと並び、左側には決まっている当家の順に並ぶ。

当家は前年にミナライと称して一年間の当家の仕方を学んできた。

今年は主役の当家。

翌年は次の当家を教える役目になり三年間務めるそうだ。

(H20.10.10 Kiss Digtal N撮影)