マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
すべての写真、文は著作権がありますので無断転載はお断りします。

正月座のアオマメ

2013年01月29日 08時47分17秒 | 大和郡山市へ
正月元旦の朝に参拝する椎木町の宮座中。

東の杵築神社の正月行事である正月の座である。

座の膳は三種盛りの肴。

タネオクリ(種送り)されたアオマメを育ててきた受け当屋のM家。

植えた種豆が育って収穫した。

一粒、一粒を選別して奇麗なアオマメを選び出した。

正月の膳にするアオマメ四合。

それを四升のモチゴメと一緒に焚く。

アオマメは擦らずにそのままの形で入れると話す婦人。

嫁入りしてきて以来の4度目の当屋である。

3回はおじいさんが担った当家。

亡くなられたあとはご主人が担った当家。

今年の氏神祭で当屋受けをされたから5回目になるという。

当屋の回りは今回で14年目。

座中はおよそ30軒。

アニ当屋とオトウト当屋の2軒であたるからそれぐらいの回りになるという。

祭りで一番たいそうなのは正月の座だという。

育てたアオマメを枯れないように気を配ってきた。

奇麗なアオマメを選ぶのだが黒いものもある。

それは除外する。

何日もかけて選別したという選りすぐりのアオマメは次の当屋に継がれる。

それがタネオクリ。

代々継いできたタネは大切な正月膳の材料となるのである。

当屋の仕事はとても気を使う。

アオマメを入れて焚くのは大晦日。

夜は8時から始めるらしい。

焚いたアオマメ入りモチゴメはオニギリにする。

それを翌朝の正月の座に出すのだ。

5時には神社へ参って座の準備をする。

オニギリもそうだが座中が寒くならないようにと暖も調える。

膳は三種でゴボウと黒豆も料理する。

神さんの神饌としても供える。

味加減も難しく、神経を使う座は年中行事のなかでも一番だという正月行事はアニ当屋とオトウト当屋が勤めるそうだ。

ちなみに除外したアオマメはお店でキナコにするという。

地域が発刊した『椎木の歴史と民俗』によればアオマメのオニギリは蒸したキヨノメシだったようだ。

(H24.11.21 SB932SH撮影)