小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



小田原市内にある全ての天然記念物を巡ってみようと始めた天然記念物巡りの25ヶ所目は城山にある高長寺に出かけた。高長寺には以前ハクモクレンの大木があったが現在では伐採されてしまい、対象の樹木は存在していないが小田原市のホームページには市指定天然記念物として記載されている。小田原市城山の高長寺は旧小田原少年院から線路を挟んで西側に所在している曹洞宗の寺院。以前、このブログの鏡信一刀流と横田常右衛門でも軽く紹介をしたことがある。高長寺のハクモクレンがあった場所は本堂近くの駐車場脇のスペース。小田原市の天然記念物として指定されたのは平成4年11月2日だが、その後枯れ木となってしまい平成26年12月12日に伐採された。ハクモクレンがあった場所は庭園風に整備されていて、以前あったハクモクレンの解説板とハクモクレンの若木が植栽されている。天然記念物の指定や解除については良くわからないが、2代目の若木のハクモクレンに天然記念物が継承されているのかもしれない。案内板に記載されている花の見頃のハクモクレンの写真。枯れる前は樹高約12mで株元周囲2.8mと市内のハクモクレンの中では最大級の名木だった。 2代目のハクモクレンの若木は4~5mほどの高さで、幹はまだ細くてたよりない感じ。再び、天然記念物らしい大木となるのは数百年後になりそうだ。その頃、小田原や高長寺の周囲の環境や景観はどのように変わっているのだろう。

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小田原市内にある全ての天然記念物を巡ってみようと始めた天然記念物巡りの24ヶ所目は早川にある紀伊神社の社叢に出かけた。紀伊神社は早川地区の西側に位置して周辺の丘陵地から林が続いていて一帯の社叢が天然記念物に指定されている。小田原市早川の紀伊神社は早川地区の鎮守で、古くから木工関係者の信仰を集める神社。入口の鳥居をくぐり、東海道線の下を通り拝殿に続く石段へ。石段をのぼり紀伊神社の拝殿前へ。丘陵地に建立されているので拝殿前の広場は一段下がった場所にある。周囲は天然記念物に指定されている社叢だけあって鬱蒼とした緑で囲まれている。紀伊神社の社叢は拝殿南西側の残存自然林と境内に植栽された樹木とが渾然一体となって形成されている。主だった樹木はクスノキ、タブノキ、ケヤキ、イヌビワ、スギ、サワラなど。昭和56年3月30日に小田原市の天然記念物に指定された。紀伊神社の社叢の中でも特に目立つのが拝殿前の西側にあるクスノキ。市内最大級の老木で神木として祀られている。根元はかなり太くて迫力のある樹形。紀伊神社の社叢は鬱蒼としていて、薄暗い中に建つ神社とも相まってなんとも深閑とした雰囲気だった。

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小田原市内にある全ての天然記念物を巡ってみようと始めた天然記念物巡りの23ヶ所目は城内にある御感の藤に出かけた。御感の藤は小田原城址公園南堀に面して植栽されていて、城址らしい風景を形作っていて花の時季には観光名所ともなっている。小田原市城内にある御感の藤は小田原城址公園南堀の南側に所在。大きな藤棚を形成していて小田原城周辺の観光スポットにもなっている。御感の藤は3本の株で形成されており、西側の株は樹齢約100年、中央の株は樹齢約150年、東側の株が樹齢約200年と推定されている。樹高は約2.7m。御感の藤の中で一番大きな株が樹齢約200年と推定される東側の株。伝承によると元々は小田原城二の丸御殿に鉢植えされていたものを明治維新後に板橋の森氏が買い受けて、さらに明治16年に浜町の西村氏の手に渡り大正時代までは浜町で植栽されて大正11年3月に小田原保勝会の手により現在地に移植されたとのこと。小田原市指定天然記念物には昭和32年3月30日に指定されて今日に至っている。樹齢150年~200年と推定される藤は古木で年々樹勢が衰えてきている。子供の頃に見た花ざかりの藤棚は花房が1mを超えていたように記憶しているが、近頃は随分とボリュームが無くなってしまった。数年前からは花の保護のためネットがかけられるようになった。年々、樹勢が衰えてきている御感の藤だが、夏場は涼やかな木陰となり南堀と調和した景観を作っている。これからも小田原城址公園の名木として長く花を咲かせてもらいたい。

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小田原市内にある全ての天然記念物を巡ってみようと始めた天然記念物巡りの22ヶ所目は入生田の長興山へ出かけた。長興山の枝垂桜は花の咲く頃には多くの観光客が訪れる人気の花見スポット。このブログでも度々撮影に出かけている。小田原市入生田の長興山の枝垂桜は旧東海道から紹太寺前を通り農道沿いを約500mほど上った坂道の途中に所在。周辺は鬱蒼とした樹叢だが枝垂桜の周囲は広場になっている。花の時季には何度も訪れているので昨年、晩秋の頃に撮影に出かけた。花のさかりの頃は観光客が多く訪れて賑やかだが、シーズンオフは山の中腹の不便な場所なので来訪者はなくとても静か。長興山の枝垂桜は市の天然記念物で昭和32年3月30日に指定された。樹高は約13mで根元周囲は約4.7mの大木。枝垂桜の樹齢は推定330年の老木。紹太寺が入生田に建立された頃に植えられたものと推察されている。植えられている場所は紹太寺の地所なので、管理や樹勢回復に向けた取り組みは寺と小田原市で共同して行っていると以前聞いたことがある。樹勢回復とは別にクローン技術で作成した苗木が紹太寺の境内やわんぱくランドに植栽されている。枝垂桜は細い枝は細長くまっすぐに垂れ下がる性質が特徴だが、長興山の枝垂桜は老木のためか枝が短くあまり垂れていない。特にここ10年くらいで花のボリュームが少なくなって衰えを感じるようになってきた。今年の春も枝垂桜の風景を撮影に入生田の長興山へ。以前ほど花をつけなくなってしまったが、風雪に耐えて毎年たくましく花を咲かせる姿が素晴らしい。来年も花咲く頃に出かけたい。

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小田原市内にある全ての天然記念物を巡ってみようと始めた天然記念物巡りの21ヶ所目は前川の前川近戸神社へ出かけた。前川近戸神社の天然記念物は特定の樹木ではなくて神社境内を囲うように密生してる森林の社叢だった。小田原市前川の前川近戸神社は前羽小学校から北西に約300mほどの場所に所在。社殿は丘陵地の中程にあって周囲は木々で囲まれている。前川近戸神社の入口鳥居の先は石段となっていて両側には木が密集している。様々な種類の木々が入り混じっているが常緑広葉樹が多くて鬱蒼とした感じ。石段を登ると上は社殿があってちょっとした広場になっている。周囲を木々で囲まれているので時間帯や天候によっては薄暗いような印象を受ける。社叢が小田原市の天然記念物に指定されたのは昭和51年3月3日。社殿前の広場の片隅には小田原市教育委員会が作成した案内板が設置されている。案内板の記載によると前川近戸神社の社叢は沿岸性の常緑広葉樹を主体に広葉落葉樹や常緑針葉樹を混生する現存自然林とのこと。社叢内の樹木の種類は30種類近く。そのなかでもクスノキは幹回り5.1m、モッコクは幹回り1.8m、モチノキは幹回り1.8mとそれぞれ市内最大級の古木が植生している。前川近戸神社の鳥居前から境内に沿ったような農道があるので外側からも社叢の様子を観察することが出来る。神社周辺の丘陵地は緑が多く残っているので、社叢はそれほど特別には感じなかったが前川の自然とともに社叢もそのままの姿でこの先も残ってもらいたい。

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