荻野洋一 映画等覚書ブログ

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『ウルルの森の物語』 長沼誠

2009-12-27 19:56:09 | 映画
 前述の『スノープリンス』にとどまらず、なぜこうも犬の映画ばかりが増殖しているのか、意味がわからない。中でも真打ちのごとく登場した『スノープリンス』は、大人の打算ばかりがうごめく作品となっていたが、先日見た『ウルルの森の物語』は、もっとサッパリとした作品となっていた。
 なぜかというと、他の多くの作品が犬と子どもを主人公にしつつも、子どものための作品ではなく、大人のストレス解消のために製作されているのに対し、『ウルルの森の物語』は完全に児童映画、つまりキンダーフィルムとして存在しようとしているためで、だから、大人どもが要求してやまぬ「感動」とは無縁なのである。
 所詮これも大手のフィルムなのだから、そんなものは装いに過ぎぬ、という言い方もできる。しかし、私はその考えはとらない。


TOHOシネマズ有楽座他、全国で上映中
http://www.ululu-movie.jp/