暮らしの中で日々、過(す)ごしていると、結構、無駄な時間を使っている…と、気づかされることがある。手際(てぎわ)が悪いからで、よければそういうことにならない・・と気づかされる訳だ。
とある店の中で、買い物客と店員が話をしている。
「お客さん、そう手際よくはいきませんよっ! なにせ出荷するのは、うちじゃないんですから…」
商品の回転が悪いと客が苦情を言ったのである。
「いや、そらまあ、そうかも知れないけどさぁ~。よく見てよっ! この野菜、萎(しお)れてるよっ!」
その瞬間、店員は店内を見回し、他の客に聞こえないよう、声を小さくした。
「さ、流石(さすが)お客さん。目のつけどころが違いますねっ!」
「煽(おだ)てたってダメだよ。手際よくしなさいよっ!」
「? …と、言いますと?」
「分からないっ? 手際よくだよっ、…例(たと)えば、¥20引きにするとかさぁ~」
「ああ、そういうことですか、なるほどっ!」
「だろっ?」
「はあ、まあ…。でも、そう手際よく安売りは出来ません。うちは日銭(ひぜに)の商(あきな)いでして…」
「だけどさ。これ、腐らせたら元も子もないでしょうよっ!」
「2束(たば)で同じ値というのは、いかがで?」
「…まあ、それでもいいけどさぁ~。3束にしなさいよっ!」
「分かりましたっ! 手際よく、今すぐそうしましょ!」
そこへ店長が現(あらわ)れなくてもいいのに運悪く現れた。
「あっ! 店長…」
「ちょ、ちょっと、こっちへ来なさいよっ!」
店長に突(つつ)かれ、店員と店長は客から遠退(とおの)いた。
「どうしたのっ?!」
「お客さんが、コレコレと言われまして、同じ値で3束に…」
「どうしてっ?!」
「萎れてるからです…」
「馬っ鹿だね、お前ってヤツはっ! こういうのは、あとから店の者で手際よく分けるんでしょうよっ!」
「あっ! そうでしたっ!」
「お前…手際が悪いねっ。手際がよいと、客にそういうことは言われないもんだっ!」
「どうも、すいません…」
「お客に、上手く言いなさいっ!」
店員が売り場へ戻(もど)ると、苦情を言っていた客は手際よく姿を消していた。長びく…と、見切ったのだろう。
手際がよい人は、することに一瞬の無駄もないのだ。
暮らしの中で日々、過(す)ごしていると、結構、無駄な時間を使っている…と、気づかされることがある。手際(てぎわ)が悪いからで、よければそういうことにならない・・と気づかされる訳だ。
とある店の中で、買い物客と店員が話をしている。
「お客さん、そう手際よくはいきませんよっ! なにせ出荷するのは、うちじゃないんですから…」
商品の回転が悪いと客が苦情を言ったのである。
「いや、そらまあ、そうかも知れないけどさぁ~。よく見てよっ! この野菜、萎(しお)れてるよっ!」
その瞬間、店員は店内を見回し、他の客に聞こえないよう、声を小さくした。
「さ、流石(さすが)お客さん。目のつけどころが違いますねっ!」
「煽(おだ)てたってダメだよ。手際よくしなさいよっ!」
「? …と、言いますと?」
「分からないっ? 手際よくだよっ、…例(たと)えば、¥20引きにするとかさぁ~」
「ああ、そういうことですか、なるほどっ!」
「だろっ?」
「はあ、まあ…。でも、そう手際よく安売りは出来ません。うちは日銭(ひぜに)の商(あきな)いでして…」
「だけどさ。これ、腐らせたら元も子もないでしょうよっ!」
「2束(たば)で同じ値というのは、いかがで?」
「…まあ、それでもいいけどさぁ~。3束にしなさいよっ!」
「分かりましたっ! 手際よく、今すぐそうしましょ!」
そこへ店長が現(あらわ)れなくてもいいのに運悪く現れた。
「あっ! 店長…」
「ちょ、ちょっと、こっちへ来なさいよっ!」
店長に突(つつ)かれ、店員と店長は客から遠退(とおの)いた。
「どうしたのっ?!」
「お客さんが、コレコレと言われまして、同じ値で3束に…」
「どうしてっ?!」
「萎れてるからです…」
「馬っ鹿だね、お前ってヤツはっ! こういうのは、あとから店の者で手際よく分けるんでしょうよっ!」
「あっ! そうでしたっ!」
「お前…手際が悪いねっ。手際がよいと、客にそういうことは言われないもんだっ!」
「どうも、すいません…」
「お客に、上手く言いなさいっ!」
店員が売り場へ戻(もど)ると、苦情を言っていた客は手際よく姿を消していた。長びく…と、見切ったのだろう。
手際がよい人は、することに一瞬の無駄もないのだ。
完