水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

世相ユーモア短編集 -77- 暖冬

2025年02月06日 00時00分00秒 | #小説

 2023~2024年の冬は暖冬である。今期だけなのかどうかは分からないが毎年、冬の元気さが無くなっているように思える。冬将軍もそろそろ若い将軍に譲ってご隠居された方が…と老婆心ながらお勧めしたい気分である。今朝も、寒けりゃこの雨も雪だな…と思ったところだ。雪掻きの労が減り、老いの私には誠に有り難い暖冬だが、冬将軍の状況も少し気になるところではある。^^
 天界である。
『先生、どうでしょうかな?』
『こりゃ、いけませんな…。冷気を送らねば…と意気込まれ過ぎ、過労から来た風邪と思われます。点滴をさせて頂いて、お薬もお出ししておきましょう…』
『はあ先生、なにぶんよろしく…』
 雲のベッドに横たわった冬将軍は、天界医者にそう言われ、弱い小声でひと声、ヒュ~と返した。天界医者は馴れた手つきで天界看護師に点滴を命じ、薬箱から効きそうな薬を袋に詰めて枕元へ置いた。
『お大事に…』
『ああ、どうも…』
 しばらくして点滴が済むと、天界医者と天界看護師はスゥ~っと消え去った。天界だけに、お代は不用なのである。^^
 来年以降、暖冬が解決するのか? 私には分かりませんが、現在の暖冬傾向の世相は今後も続くように思われます。^^

                   完


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