たった今、文学賞なるものに応募した。
短編小説だ。
夏に書き上げたもので、賞を探していた。
新聞社と協賛で、長編を書いて応募したい。
そう思ったが、ちょっと時間がたりない。
企画、計画するのが私の仕事だったのに、自身の事となると全く計画性がない。
高校生の時、友人と約束した事がある。
小説本が出たら送るから。
私は授業中、大学ノートに詩や小説やエッセイを書き綴っていた。
その当時のノートが残っていれば小説の種はゴマンとあった。
アフリカに行っていた二年間で実家が別の場所に新築された。
多分、その時処分されてしまった。
今思えば惜しいことをした。
その後会社に入り、大きく変化した。
感情や情熱を訴える文章ばかり書いていた。
その癖が仕事にも出てしまったようだ。
設計の仕事をしていた私は節目節目に報告書を提出する。
上司が私に言った。
報告書は事実を正確に書くものだ。
君の感情などは要らないよ。
それ以来、文章が180°変化した。
そして退職まで小説を書くことは自ら禁じたのだ。
退職後、私は日本語を学んだ。
今更とも思うが、これは私に非常な興味をもたらした。
再び文章を書くようになった。
そして5年ほど前に応募した事がある。
箸にも棒にも掛からない。
それ以来ムクムクと昔の思いが立ち上がった。
何か書き上げてやるぞ。
文学賞を目指そう。
そう、思ったはずだが···。
計画性がない。
粘りがないのは老化だろうか。