反家庭連合の人が、福田ますみさんとか私の、家庭連合を擁護する意見に対し、「家庭連合側の意見しか訊いていないから信頼性がない」的に攻撃することがある。
しかし。
対立する立場があるときに、両方に取材しなきゃいけないわけではない。
むしろ、「対立陣営の双方から平等に取材・調査する」ってことは、ほとんど不可能。無理。
たとえば検察は、最も中立的・公益的に振る舞う(だから無駄に起訴せず、ために有罪率が高い)。
だけど、検察も常に「双方から平等に取材・調査・捜査する」わけではない。
起訴して有罪にできる(彼らの用語で「公判が維持できる」と言う)程度で、捜査をする。それで有罪にできそうなら、それ以上に、自分たちとは反対側の陣営から取材したりしない。
税金の無駄だし。
世上、最も調査・捜査能力がある検察だって、両陣営から平等に聞き取りはしない。
被疑者・被告人になったことがある人はお分かりでしょう。逮捕・捜索とかの前に、被疑者の意見が十分に反映されるわけではない。いきなり逮捕される。
捜査中(起訴前)は、取り調べにより被疑者はいちおう言いたいことを言える。ただ、それも検察側の起訴に必要な限度であって、検察が被疑者の言うことを全て汲み取ってくれるわけではない(それは弁護士の仕事)。
検察だってこの程度。一方からしか意見を聴かない。
いわんや私人間(メディア)においてをや。
朝日とか読売とかの天下の大新聞だって、常に両陣営から公平に取材するわけではない。
信頼関係がなければ取材は成立しない。取材される側が「朝日新聞とは信頼関係ない、何言っても不利に書かれる」と考えて取材を拒否すれば、朝日新聞は取材できない。
私もこういう感じで大手メディアからの取材要請を断った記憶がある。
検察も、大手メディアも、両陣営から公平に取材するわけではない。
いわんやイチ弁護士やイチジャーナリストにおいてをや。
____________
両方から意見を聴け! というのは、こういう現実を知らぬ方のご意見。
要するに、世の中に溢れている情報は、みんな、「一方から聴いた情報」ばかりが溢れているんです。そういうものなんです。
みなさまのメディアリテラシーのご参考に。