情報理論で高名は原島博さんっていう東大名誉教授が、30年前から、匿顔(とくがん)のコミュニケーションという話をしている。
ネットで、顔を晒さないで、テキストだけでコミュニケーションしていると、攻撃的になる。人格も変わる。ジキルがハイドになる。
って書いてある。
そうだろう。
匿名のみならず、匿顔でコミュニケーションしていたら、「絶対に自分が誰かバレない」安全地帯にいる。そりゃぁ言いたい放題で、攻撃的になるでしょう。
そういう「ジキルとハイド」ばっかりなのでしょう、SNS上にいる匿名匿顔の方々は。
「普段はいい人だけど、匿名匿顔のネットでは毒ばかり吐く」人はいても、その逆の「普段は人非人の人間のクズだけど、ネットではマリア様のような聖人君子風のツイート」って人はほとんどいなさそうだ。
それくらい、人間ってのは弱くて悪くて、「本性バレなければ歯止めが効かない」do whatever it takes なんじゃないか。
Twitterで家庭連合の悪口ばかりを言っている「鈴木みらい」っていう匿名匿顔の人間も、その本人(甲野花子とする)は、1児?か2児の母で、母親としては子どもに愛されている部分もあるはずだ。
ただ、SNSアカウントの性質上、キャラ立ちさせるために、甲野花子のそういういい部分は、鈴木みらいの人格として吐露されることはない。
だから匿名匿顔ってのは、「人格の悪い部分だけを抽出した、悪のどす黒いエキス」なんですね。
私にだって、人一倍、そういう「ドス黒エキス」はある。ここで示すことはないが。
あ、たまに偽悪者的に品なく書いちゃうけど。
匿名匿顔ってのは、人間の醜悪な部分を集めた「ドス黒エキス」なんですね。
私が20年、SNSで「匿名人とは会話しない」ルールを自らに課しているのは、こういう「ドス黒エキス」と同じ土俵に立ちたくないからなんですね。
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匿名人は匿顔人でもある。
匿名の特徴として論じられることの多くは、匿顔の特徴。
小川さゆりみたいな「匿名だけど匿顔じゃない」人と、
鈴木みらいみたいな「匿名で、かつ匿顔」って人とは明らかに違う。
匿顔の方が、人格・同一性が捕捉されないので、嘘八百の攻撃的になる。
小川さゆりは匿顔ならまだ生き残っていた。
鈴木みらいのように。
匿顔ではない小川さゆりは死んだ。
ジャーナリストその他良識のある市民に殺された。
匿顔の鈴木みらいは殺されずに済んでいる。
匿名よりも匿顔の方が100倍、1000倍、姑息で卑怯。
そういうことを30年前から原島博さんが仰っていたんですね。
勉強になりました!
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後記:この本はたしか高い本で、匿顔に関する記述はまだ数ページしか読んでないけど、それでも「匿名と匿顔の違い」「匿顔の酷さ」について、大いなる示唆と刺激をいただきました。
本に知的投資することは控えてはならぬ。またいい勉強になりました。