本日2月6日は、藤原純友の乱がおこった日で、イギリスのインド副総督トーマス・ラッフルズがシンガポールの族長と商館開設などの条約を締結した日で、ニュージーランド北島のマオリ族とイギリス政府がワイタンギ条約を締結してニュージーランドがイギリスの植民地となった日で、日本政府がロシアに国交断絶を通告した日で、ワシントン海軍軍縮条約が締結された日で、アメリカ合衆国憲法修正第20条が発効された日で、西ドイツ・ミュンヘンで英国欧州航空のチャーター機が離陸に失敗してイングランドのサッカークラブのマンチェスター・ユナイテッドの選手8人を含む23人が死亡した日で、東京教育大学生リンチ殺人事件の発生以降に血みどろの内ゲバ殺人を繰り返していた日本の新左翼の革命的共産主義者同盟全国委員会・中核派と日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派・革マル派の抗争で中核派が琉球大学の授業中の教室に乱入して左翼活動と無関係だった一般学生を革マル派メンバーと誤認して殺害した日で、モスクワの地下鉄でチェチェン人テロリストによる爆破事件が発生して市民39人が死亡した日です。
本日の倉敷は晴れでありましたよ。
最高気温は十度。最低気温は五度でありました。
明日も予報では倉敷は晴れとなっております。
ある夜の事。
狐は先輩と一緒に或るパブリツク・ハウスのカウンター席に腰をかけて、絶えずホツトミルクを舐めてゐた。
狐は余り口をきかなかつた。が、先輩の言葉には熱心に耳を傾けてゐた。
「チヨコレイトを所望する!」
先輩は頬杖をしたまま極めて無造作に言つた。
「今飲んでいるこの御酒にはチヨコレイトが合う。それ故チヨコレイトを断固所望する!」
先輩は割賦を掲げてうつとりと御酒を見つめた。
「君、マスターに頼んでくれ給えよ。きのこの山のいちご味が良い」
先輩。酔つてますね? 酔つぱらつてますね?
「うん」
もう、帰りましやう。
「やだ」
先輩はにへらと笑つた。
「因みに君はきのこの山派かね? それともたけのこの里派かね?」
私はたけのこの里派です。
「ふむん?」
先輩はお喋りを止めて考え込んだ。
私の言葉は先輩の心を知らない世界へ神々に近い世界へと解放したのかもしんない。
私は氷とカルーアを注文し、割賦の中で混ぜ合わせてカルーア・ミルクを作り舐めた。
先輩は言つた。「きのこの山原理主義者として君に告ぐ。今直ぐきのこの山派に鞍替えしたまえ。でないと君とは暫らく口を利かない」
狐は何か痛みを感じた。が、同時に又歓びも感じた。
人の好みとは様々なものであるな。面白ひものだ。
そのパブリツク・ハウスは極小さかつた。
しかしパンの神の額の下には赫い鉢に植ゑたゴムの樹が一本、肉の厚い葉をだらりと垂らしてゐた。