狐の日記帳

倉敷美観地区内の陶芸店の店員が店内の生け花の写真をUpしたりしなかったりするブログ

動くことはリスクです。動かないこともリスクです。迷ったら面白いほうを選べばいいんではないでしょうか。

2017年10月26日 19時53分57秒 | 職場に関する日記



 本日10月26日は、一条天皇の女御藤原定子が立后した日で、保安官のワイアット・アープとクラントン兄弟らがアリゾナ州トゥームストーンのO.K.コラル付近で銃撃戦を行った日で、国際協調重視派の伊藤博文がハルピンでテロリストの安重根に射殺された日で、中国人民解放軍陸軍のチベット侵攻で18軍がチベットのラサに入城した日で、イラン皇帝モハンマド・レザー・パフラヴィーが戴冠した日で、朴正煕が宴席に同席していた大韓民国中央情報部部長・金載圭によって射殺された日で、TBSテレビ『3時にあいましょう』のスタッフが放映前のオウム真理教を取り上げた番組VTRをオウム真理教関係者に視聴させてオウム側の抗議で企画していたオウム特集を放送しないことをオウム側に承諾・約束した最悪の対応をした日で、デニムの日で、オスカー・フォン・ロイエンタールの誕生日であります。

 本日の倉敷は晴れていましたよ。
 最高気温は二十度。最低気温は九度でありました。
 明日は予報では倉敷は晴れとなっております。



 本日は私は月末恒例の事務処理をしておりました。
 ひたすら、データ入力作業をしておりました。
 万能著述支援用マシン『ワーカム』が欲しいです。
 誰か開発してくれないかな。まぢで。

 今日は妙に頭痛がして捗りませんでした。
 まだ作業が少し残っています。
 お家に仕事を持ち帰ってしやうと思ったのですが、頭痛が酷くなってきました。
 どうしようかな?
 さくさく進めておかないとちと拙いのですが……。頭痛がする……。
 どうしようかな? と迷っているところなのでございます。


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遠い昔のことさ。夢で見たんだ。燃える空に包まれて光る大地の中を駆け巡る時 君は舞い降りてきたの。

2017年10月26日 17時23分26秒 | VSの日記





 又あすこへ来たなという寒い様な魅力が狐を慄かせた。
 鈍色の暗闇が狐の全世界を覆いつくしていた。
 恐らくは音も匂いも触覚さえもが狐の身体から蒸発して了って煉羊羹の濃やかに澱んだ色彩ばかりが、狐の周囲を包んでいた。
 頭の上には夕立雲の様に真っ暗に層をなした木の葉が音もなく鎮まり返って、其処からは巨大な黒褐色の樹幹が滝をなして地上に降り注ぎ、観兵式の兵列の様に目も遙かに四方にうち続いて末は奥知れぬ暗の中に消えていた。
 幾層の木の葉の暗の其の上にはどの様な麗らかな日が照っているか或いはどの様な冷い風が吹き荒んでいるか、狐には少しも分らなかった。
 ただ分っていることは狐が今、果てしも知らぬ大森林の下で闇を行方定めず歩き続けている、其の単調な事実だけであった。

 歩いても歩いても幾抱えの大木の幹を次から次へと迎え見送るばかりで景色は少しも変らなかった。
 足の下には此の森が出来て以来、幾百年の落葉が湿気の充ちた絨毯を為して、歩くたびにじくじくと音を立てているに相違なかった。
 聴覚のない薄暗の世界は、此の世からあらゆる生物が死滅したことを感じさせた。
 或は又、不気味にも森全体が盲たる魑魅魍魎に充ち満ちているが如くにも思われないではなかった。
 くちなわの様な山蛭が真っ暗な天井から雨垂れを為して狐の襟首に注いでいるのが想像された。
 狐の眼界には一物の動くものとてなかったけれど、背後には海月の如き妖しの生き物がうようよと身をすり合せて声なき笑いを合唱しているのかも知れなかった。
 でも暗闇と暗闇の中に住むものとが狐を怖がらせたのは云うまでもないけれど、それらにも増していつもながら此の森の無限が奥底の知れぬ恐怖を以って狐に迫った。
 其れは生れ出たばかりの嬰児が広々とした空間に畏怖して手足を縮め恐れ慄くが如き感じであった。
 狐は叫びそうになるのをやっとこらえながら一刻も早く暗の世界を逃れ出そうと足掻いた。
 併し足掻けば足掻く程、森の下闇は益々暗さを増していった。

 どれ程の間、狐は其処を歩き続けたことであろう! 
 其処には時というものがなかった。
 日暮れも夜明けもなかった。
 歩き始めたのが昨日であったか、何十年の昔であったか、其れさえ曖昧な感じであった。
 狐は、ふと未来永劫の森の中に大きな大きな円を描いて歩きつづけているのではないかと疑い始めた。
 外界の何物よりも私自身の歩幅の不確実が恐しかった。
 狐は嘗て右足と左足との歩き癖にたった一吋の相違があった為に沙漠の中を円を描いて歩き続けた旅人の話を聞いていた。
 沙漠には雲がはれて陽も出よう、
 星も瞬こう。
 併し、暗闇の森の中にはいつまで待っても何の目印も現れては呉れないのだ。
 世に試し無き恐れであった。
 狐は其の時の心の髄からの慄きを何と形容すればよいのであろう。
 狐は生れてからこの同じ恐れを、幾度と知れず味わった。
 併し、一度たび毎にいい知れぬ恐怖の念は、そして其れに伴うあるとしもなき懐かしさは共に増しこそすれ決して減じはしなかった。
 その様に度々のことながら、どの場合にも不思議なことにはいつどこから森に入っていつ又どこから森を抜け出すことが出来たのやら少しも記憶していなかった。
 一度ずつ全く新たなる恐怖が狐の魂を圧し縮めた。
 巨大なる死の薄暗を豆粒の様な狐という獣が息を切り汗を流していつまでもいつまでも歩いていた。

 ふと気がつくと、狐の周囲には異様な薄明りが漂い初めていた。
 其れは例えば幕に映った幻燈の光の様に此の世の外の明るさではあったけれど、でも歩くに随がって闇はしりえに退いて行った。
 何だ。これが森の出口だったのか。狐は其れを如何して忘れていたのであろう。
 そしてまるで永久に其処に閉じ込められた者の様に怖じ恐れていたのであろう。
 狐は水中を駈けるに似た抵抗を感じながら、でも次第に光りの方へ近づいて行った。
 近づくに従って森の切れ目が現れ懐しき大空が見え初めた。
 併し、あの空の色はあれが私達の空であったのだろうか?
 そして其の向うに見えるものは、嗚呼、狐はやっぱりまだ森を出ることが出来ないのだった。
 森の果てとばかり思い込んでいた所は、その実、森の真中であったのだ。
 そこには、直径一町ばかりの丸い沼があった。
 沼の周囲は少しの余地も残さず直ちに森が囲んでいた。
 其の何方の方角を見渡しても末は菖蒲も知れぬ闇となり、今迄、狐の歩いて来たのより浅い森はない様に見えた。

 度々森をさ迷いながら狐は斯様な沼のあることを少しも知らなかった。
 それ故、森を出離れて沼の岸に立った時、其処の景色の美しさに狐は眩暈を感じた。
 万花鏡を一転して、ふと幻怪な花を発見した感じである。
 併し、そこには万花鏡の様な華かな色彩がある訳ではなく、空も森も水も、空はこの世のものならぬいぶし銀、森は黒ずんだ緑と茶、そして水はそれらの単調な色どりを映しているに過ぎないのだ。
 それにも拘わらず、この美しさは何物の業であろう。
 銀鼠の空の色か、巨大な蜘蛛が今、獲を目掛けて飛びかかろうとしている様な奇怪なる樹木達の枝ぶりか、固体の様に押黙って無限の底に空を映した沼の景色か、それもそうだ。
 併しもっと外にある。
 得体の知れぬものがある。
 音もなく匂いもなく肌触りさえない世界の故か?
 そして、それらの聴覚、嗅覚、触覚が、たった一つの視覚に集められている為か? それもそうだ。
 併しもっと外にある。
 空も森も水も何者かを待ち望んで、はち切れそうに見えるではないか?
 彼等の貪婪極りなき慾情が息吹となって吹き出しているのではないか?
 併しそれが何故なれば斯くも狐の心をそそるのか?

 狐は何気なく眼を外界から狐自身の訝しくもすっぽんぽんの裸の身体に移した。
 そして其処に人の体を見出した時、狐は獣であったことを打ち忘れてさも当然の様に微笑んだ。
 嗚呼。此の肉体だ!
 狐は余りの嬉しさに心臓が喉の辺まで飛び上るのを感じた。
 狐の肉体は極貧層な体であった。
 ちんちくりんな五体、蛇の腹の様に艶やかに青白き皮膚の色、此の肉体を以て狐は目立たぬよう世界に溶け込んでいた。
 狐は誰にも意識されることなく世界を回遊してきた。
 今こそ何もかも明白になった。
 狐は不思議な沼の美しさを漸く悟ることが出来たのだ。
 「嗚呼。貴方達はどんなに私を待ちこがれていたことであろう。幾千年? 幾万年? 空も森も水もただこの一刹那の為に生き永らえていたのではないか。さあ私は今、貴方達の烈しい願いを叶えてあげるのだよ」
 此の景色の美しさは其れ自身完全なものではなかった。
 何かの背景としてそうであったのだ。
 そして今、狐が禍々しき演者として彼等の前に現れたのだ。
 闇の森に囲まれた底なし沼の深く濃やかな灰色の世界に狐の雪白の肌えが如何に調和よく如何に輝かしく見えたことであろう。
 何という大芝居だ。
 何という奥底知れぬ美しさだ。
 狐は一歩沼の中に足を踏み入れた。
 そして黒い水の中央に同じ黒さで浮んでいる一つの岩を目掛けて静かに泳ぎ初めた。
 水は冷たくも暖かくもなかった。
 油の様にとろりとして手と足を動かすにつれてその部分だけ波立つけれど、音もしなければ抵抗も感じない。
 狐は胸の周囲に二筋三筋の静な波紋を描いて丁度真白な水鳥が風なき水面を滑る様に音もなく進んで行った。
 やがて、中心に達すると黒くぬるぬるした岩の上に這い上あがる。
 その様は例えば夕凪の海に踊る死神の様にも見えたであろうか。
 今、狐は其の岩の上にすっぽんぽんですっくと立上った。
 嗚呼、何と素晴らしい世界。
 狐はあらん限りの肺臓の力を以て花火の様な一声を上げた。
 胸と喉の筋肉が無限の様に伸びて一点の様に縮んだ。
 其れから極端な筋肉の運動が始められた。
 其れがまあどんなに素晴らしいものであったか。
 青大将が真二つに千切られてのたうち廻るのだ。
 尺取虫と芋虫と蚯蚓の断末魔だ。
 無限の快楽に或は無限の痛苦にもがく獣だ。
 踊り疲れると狐は喉を潤す為に黒い水中に飛び込んだ。
 そして胃の腑の受け容れるだけ水銀の様に重い水を飲んだ。
 そうして踊り狂いながらも狐は何か物足らなかった。
 狐ばかりでなく周囲の背景達も不思議に緊張を緩めなかった。
 彼等はこの上にまだ何事を待ち望んでいるのであろう。
 そうだ。紅の一色だ。
 狐ははっとそこに気がついた。
 此の素晴らしい画面にはたった一つ、紅の色が欠けている。
 若し其れを得ることが出来たならば獣の目が生きるのだ。
 奥底知れぬ灰色と蒼白い肌とそして紅の一点、そこで何物にもまして美しい獣の目が生きるのだ。

 したが狐はどこにその絵の具を求めるべきか。
 この森の果てから果てを探したとて一輪の椿さえ咲いてはいないのだ。
 立並ぶ彼の蜘蛛の木の外に木はないのだ。
 待ち給たまえ。其れ其処に素晴らしい絵の具があるではないか。心臓という搾り出し。こんな鮮かな紅をどこの絵の具屋が売っている?
 狐は薄く鋭い爪を以て、全身に縦横無尽の掻き傷を拵らえた。
 傷口から滴る血糊が川を為して狐の身体は真赤な彫り物に覆われた。
 血潮の網襯衣を着た様だ。
 其れが沼の水面に映っている。
 火星の運河! 私の身体は丁度或の気味悪い火星の運河だ。
 其処には水の代りに赤い血糊が流れている。
 そして狐は又狂暴なる舞踊を初めた。
 きりきり廻れば紅白だんだら染めの独楽だ。
 のたうち廻れば今度こそ断末魔の長虫だ。
 或る時は胸と足を後ろに引いて極度に腰を張りむくむくと上って来る太股の筋肉の塊を出来る限り上の方へ引きつけて見たり、或る時は岩の上に仰臥がして肩と足とで弓の様に反り返り尺取虫が這う様に其の辺を歩き廻ったり、或る時は股を広げ其の間に首を挟んで芋虫の様にごろごろと転って見たり、又は切られた蚯蚓を真似て岩の上をぴんぴんと跳ね廻って腕と云わず肩と云わず腹と云わず腰と云わず所嫌わず力を入れたり抜いたりして、狐はありとあらゆる曲線表情を演じた。
 命の限りこの素晴らしい大芝居のハレの役目を勤めたのだった……………………………。






 何を書いているのか? よく分からないでしょう?
 私・狐もよく分かっていないのであります。

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『聲の形』

2017年10月26日 15時39分53秒 | 映画・ドラマに関する日記





 昨日の夜は、アニメーション映画『聲の形』のDVDを観ていました。

 主人公の石田将也は高校3年生。
 彼はアルバイトを辞め、私物を売り払い、銀行口座から全財産を引き出す。
 そして全財産が入った札束を封筒に入れ、母の眠る枕元に置き、家を出る。
 彼は自殺を決意していた。
 しかし自殺を実行することが出来ず家に戻る……。

 彼が小学6年生の時に彼のクラスに転校生が転校してくる。
 その転校生である西宮硝子は先天性の聴覚障害を持っていた……。

 原作は、大今良時の同名の漫画です。




 自分の真意を上手く相手に伝えられない。そのことで苦しみ悩む人達を描いたお話であります。
 的確な言葉を選んで相手に真意を分かってもらうことは難しい。そして相手の真意を理解することも難しい。
 でもそれが出来ないと取り返しのつかないことをしてしまうかもしれない。
 そんなお話なのであります。

 そして、自己評価が物凄く低い人のお話でもあります。

 さらに人はそう簡単には変われない。というお話でもあります。
 性格や考え方や行動の仕方は簡単には変わることが出来ない。意識して努力し続けても難しい。
 そんなお話でもあります。


 しかしそれらのことを踏まえて、ラストで出現するそれでも……、という主題は胸に迫ります。
 ラストの部分は理想論なのかもしれません。しかし私達は生きているとつらいことや苦しいことがたくさんあることはよく知っていて、物語の中でもそれらが延々と描かれるのです。
 つらいことや苦しいことやくるしいことがあるけれどもそれでも……、という何かを観たいと思うのは自然だと思うのです。
 取り返しのつかないものは存在する。それでも……。というお話なのであります。

 面白かったですよ。
 楽しめました。

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