狐の日記帳

倉敷美観地区内の陶芸店の店員が店内の生け花の写真をUpしたりしなかったりするブログ

全てのものに欲望がある。欲望があるから薔薇は薔薇らしく咲き岩は岩でありたいと頑張っている。

2019年08月27日 23時26分10秒 | VSの日記




 本日8月27日は、プラタイアの戦いがあった日で、御成敗式目が制定された日で、足利尊氏が北条時行を討つための征東将軍に任ぜられて鎌倉へ出発した日で、神道学者・竹内式部が公家に尊皇思想を教えたために逮捕された日で、ロングアイランドの戦いの本格的な戦闘が始まった日で、オランダ領東インドのクラカタウ島が大噴火して島の2/3がこの時に消失して36417名の死者を出した日で、満洲国吉林省敦化でソ連軍の兵士によって連日に渡り集団強姦され続けていた日満パルプ製造・敦化工場の女性社員や家族が集団自決した日で、GHQがカール・シャウプを団長とするシャウプ使節団が提出したシャウプ勧告を発表した日で、イギリスでルイス・マウントバッテンの乗るヨットがIRA暫定派の仕掛けた爆弾により爆破された日で、モルドバがソビエト連邦からの独立を宣言した日で、欧州共同体がバルト三国の独立を承認した日です。

 本日の倉敷は雨でありましたよ。
 最高気温は二十六度。最低気温は二十二度でありました。
 明日も予報では倉敷は雨となっております。お出かけの際はお気を付けくださいませ。




 狐は或る日の夕、神社の境内の大きな木の下で友人が坐つてゐるのを見た。
 此の友人は姫君のやうに美しいかんばせを持つてゐる。
 こまねいた両手と云ひ、項垂れた頭と云ひ、恰も何事かに深く思ひ悩んでゐるらしい。
 狐は友人の身を気づかつた。
 友人が悪魔に魅入られてゐるやうな瞳をして美しいかんばせを曇らせ思案をしている姿に唯事ではないと思つたのである。
 狐は友人に近づき、何を悩んでいるのか仔細を問ひ質した。

 「私は堕落しようと思ひました。
  しかしそれと同時に堕落したくないとも思ひました。
  あの清らかな魂の〇〇(←或るイケメンアイドルの名前と思ってくだされい)をモデルにしたエロい腐った漫画を描くことは〇〇を地獄の火に穢す気がするでせう。
  私は〇〇をいやが上にも清らかに曇りなくしたいと念じたのです。
  しかし、さうと思へば思ふ程、愈、エロい腐った本を描いて〇〇を穢したいと云ふ心持ちもして来ます。
  その二つの心持ちの間に迷ひながら私はしみじみ私達の業を考へて居りました。
  私達は何時でもさうなのです。
  穢れさせたくないもの程、益、穢したいのです。
  これ程不思議な悲しさが又と外にありませうか。
  私はこの悲しさを味ふ度に、昔見た天国の朗かな光と今見てゐる地獄のくら暗とが私の小さな胸の中で一つになつてゐるやうな気がします。
  どうかさう云ふ私を憐んで下さい。
  私は寂しくつて仕方がありません」
 美しいかんばせをした友人はそう云つてはらはらと涙を流した。

 狐は友人に「描け」と云つた。
 「描くが良い。描いて私に讀ませろ」と邪悪な笑みを浮かべて狐は云つた。
 「友人よ。案ずるな。それも愛だ。常識など気にするな。それが我等に何の関りがあらう。思う存分描くが良い」
 友人は瞳を潤ませ悪魔に魅入られたやうな表情でその美しいかんばせを上げて狐を見詰めてこくりと頷いた。


 神よ。我等を憐れむがよい。
 我等は業が深いのだ。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『敵は海賊・海賊版』/神林長平

2019年08月27日 17時55分17秒 | 小説・本に関する日記




 昨日の夜は、神林長平の小説『敵は海賊・海賊版』を読み返していました。

 宇宙海賊の略奪行為に対抗する為、太陽圏広域宇宙警察は対海賊課を作り対海賊課に大幅な権限を譲渡した。
 その結果、対海賊課は海賊よりも恐れられるようになり……。

 自分を支配しようとする者を徹底的に排除し誰よりも自由であろうとする冷酷な海賊王ヨウメイ・シャローム・ツザッキィ。
 彼を追う対海賊課のラテルとアプロは異界の者と出会う羽目に陥り、AAA級人工知能を持つ対コンピュータ戦闘用高機動宇宙フリゲート鑑のラジェンドラと共に異界の者が示した座標に転移する。
 そこは元の世界とそっくり同じだけどどこか違う世界だった。
 その世界でラテルとアプロとラジェンドラは自分達と全く同じもう一人の自分を見付けて……。

 神林長平の『敵は海賊』シリーズの第一作目でスペースオペラです。


 叙述式の仕掛けが満載です。
 終盤に入る前に挿入された僅か2ページの「6 chain level4」には笑いました。

 神林長平の小説は、会話が成立しているのにお互いの真意は理解できないというところがあって、シリアスなお話だとそこから思考の展開が始まって思わぬところにお話が言ってしまう面白さがあります。
 能天気なお話だと、相手の真意は理解できないけど相手の真意は知ったことではないと自らの主張をかぶせていって屁理屈合戦となります。この屁理屈合戦が漫才みたいになって面白いです。
 この『敵は海賊』シリーズは能天気モードのお話。
 アプロは自分の欲望に忠実で自らの欲望を満たす為にアクロバティックな屁理屈を駆使します。
 海賊課の最大の敵であるヨウメイが登場すると一気にシリアスになりますが、しかしシリアスな彼も自分の主張を押し通す屁理屈屋さん。

 面白いですよ。
 お勧めであります。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

次の二つは絶対に軽視してはならない。第一は、寛容と忍耐をもってしては人間の敵意は決して溶解しない。第二は、報酬と経済援助などの援助を与えても敵対関係は好転しない。

2019年08月27日 11時18分05秒 | その他の日記



 日韓の対立が感情によってエスカレートしているという言説が流れていますが、日本政府が行ったことは、

 1 韓国海軍による日本の自衛隊機へのレーダーを照射したことに対して説明を求めた。
 2 韓国政府による日本の海産物に対する禁輸処置は放射線デマに基づくものなのだから是正を求めた。
 3 朝鮮半島出身の労働者の賃金未払い問題に関して日韓基本条約を守ることを要求し、もう既に韓国政府はお金を受け取っているのだから、韓国政府が問題を解決すべきだと主張した。
 4 原水爆を作る際に必要な物資や毒ガス兵器の原材料となる物資の管理状況を韓国政府に問い合わせたら、無視された。それ故に韓国に対して輸出管理を強化した。
 5 いわゆる従軍慰安婦問題の日韓合意を韓国政府が一方的に破棄したことに対して抗議した。

 と、それくらいなのですよ。

 日本政府は、理知的で抑制的な対応をしているのですよ。
 報復などしていません。
 そして韓国政府は、1から5の問題で何も答えようとしていないのです。
 韓国政府が対応を無視しているのならば、話し合いが出来るはずはありません。

 3と4はリンクしていません。
 4の問題は、安全保障上の懸念が無ければ輸出は許可されるのです。
 そしてこの処置は、他の多くの国に輸出する場合と同じ処置なのです。
 歴史問題とは一切関係の無い話なのです。
 朝鮮半島出身者の賃金未払い問題による日本企業の賠償問題とは一切関係ない話なのです。
 あくまでも安全保障の問題なのです。
 制裁ではありません。

 韓国政府が4の問題を解決したいのならば、過去のやらかしをきちんと調べ上げて報告して、危険物資の管理をきちんとできる体制を作り直せばよいだけなのですよ。

 3の問題は、日本政府は国家間の約束は守らなければならないとする立場を貫いているだけです。
 国家間の約束が守られないのならば、国家間で話し合いをしても無意味となります。


 状況を一方的にエスカレートさせているのは韓国政府なのです。
 話し合いを望むと述べながら、韓国政府は問題解決の為の行動を何もしていません。
 それはつまり、日本政府に一方的に妥協しろと述べているのと同じ、となります。
 それでは話し合いになりません。
 そして韓国政府は安全保障の面で日本政府に軍事的挑発を続けています。
 軍事的な恫喝を行い一方的に妥協しろと脅迫する韓国政府を信用することは出来ません。

 今の日韓関係の破綻は歴史問題とは関係ありません。
 今の韓国政府が何をやっているかが問題となっているのです。

 大量破壊兵器を作る際に必要であったり原材料となったりする物資を世界中に無分別に拡散させるような行為は、テロ支援国家と見做される可能性があります。
 これは韓国がテロ支援国家と見做されるだけはないのです。
 日本が、輸出管理をまともに出来ていないという理由でテロ支援国家と見做される可能性があるのです。
 もう既に国連安保理でこの問題は議題に上がっているのです。
 韓国政府がこの点にきちんと向き合わない限り、日本政府は韓国に対して輸出管理を強化せざるを得ないのですよ。



  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする