舞い上がる。

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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

ちひろの新潟演劇ベストテン2015、このタイミングで発表します!

2016-01-14 17:50:13 | Weblog


もう結構前になりますが、2015年12月30日(水)に、USTREAM「ちひろともみぢの新潟演劇人トーーク!」の中で、「ちひろともみぢの新潟演劇ランキング2015」を発表いたしました。
ちひろともみぢの新潟演劇人トーーク!ちひろともみぢの新潟演劇ランキング2015を発表しました!



これは、ちひろともみぢが2015年に新潟で観劇した演劇の中で、ベスト5をそれぞれ勝手に発表させていただいたものです。
新潟の演劇団体が新潟で上演した作品に限って選考対象にするという基準でやっております。(県外の団体の新潟公演や、新潟の団体の県外公演は除く)

もともとこれは、2014年の年末に「ちひろdeアート」の中で、「ちひろともみぢの新潟演劇人トーーク!年末特別公開放送!」として、2014年の新潟演劇ランキングを発表したのが、面白かったので2015年もやろうと思ったわけです。
(あ、面白かったってのは、僕らが面白かったって意味で、周りから見てどうだったのかはちょっと分からないのですが…(笑))

でも、やっぱり2015年もやりたいしやるべきだ!って思って、やったんです。
で、実際やってみて、やっぱりやれて良かった!って今、思っています。



そんな話は、12月30日の放送の後半でダラダラ話してるんですが、アーカイブが一ヶ月間は残るのでまだギリギリ見られると思うので、興味ある方は1月30日までにご覧ください。

ダラダラ話してるのが聞きたい方のためのアーカイブはこちらです。
新潟演劇人トーーク! 2015.12.30

とは言え、ダラダラ話してるのを聞いてもらうのもちょっとアレだし、何より、アーカイブはそのうち消えるので、「ちひろともみぢの新潟演劇ランキング」に賭ける俺の熱くゆるい想いをブログに一応書いておきたいと思います。




僕が思う演劇の良さって、演劇を見ている時が楽しいのはもちろんなんですけど、それだけじゃなくて、観劇後に思い出しながら自分の中で意味が変化していったり、人と感想を話し合うことで新しい発見があったり、そのことで自分の毎日が違った見え方をしたり、そういう面白さもあると思います。
だから、面白い演劇を見たら僕は出来るだけその面白さを忘れずにいたいし忘れないうちに誰かに話したいと思うし、誰かのそういう話も聞きたいと思っていて、これこそが僕が「新潟演劇人トーーク!」をやりたい理由なわけです。

で、世の中の演劇賞とか演劇ランキングとか色々ありますけど、そういうものって、その、演劇を見た時の感動を風化させない、っていうことに一役買ってる、というか、とても効果的なんだと思うわけです。
と言う訳で、「ちひろともみぢの新潟演劇ランキング」も小さな企画ですけど、一年の終わりに観劇体験を振り返ることで、自分の中で生まれた感動を風化させない、という意味で、続けていきたいものの一つです。

2015年のかなり初期の段階でもみぢと話していた時に、二人とも無意識のうちに「っていうかあれ、今年もやるよね」っていうスタンスで、それから一年間、演劇を見に行く度に心のどこかで「今回のこれは上位にランクインするか…!?」みたいな気持ちで見ていたような気がします。
だから、大事なのは、順位がどうだったとかよりも、2015年にこういうスタンスでいられたことで、「どうせ見るならこの演劇の良いところをたくさん見つけてやろう!」と、一つ一つの演劇をとても大切に見ることが出来たと思っているんです。

なんで、本当に「ちひろともみぢの演劇ランキング2015」やれて良かったです!
2016年もちひろともみぢをよろしくな!




…はい、何でこのタイミングで急にこんなことを書きたくなったのかと言うと、演劇の思い出を風化させたくないのと同じように、「演劇ランキング」をちゃんと記録に残しておきたいなって思ったからです。
で、その理由は二つあって、一つ目はもうすぐアーカイブが消えてしまうからで、二つ目は発表したランキング以外にも、色々書き残しておきたいと思ったからです。

そもそも一年の終わりに演劇を全部振り返るっていうは、ずっとやりたいと思っていたんですが、実は2015年に初めてやれたことなんです。
数えてみたらなんと、新潟演劇だけで33作品も見ていました!

そんな31本の中からベスト5を選定するのは、好きの中から、大好きを選定し、そこから更に超大好きを選定するような作業で、「もう全部一位でいいよ!」って感じで、本当に迷ったんですけど、とても楽しかったです。
そんなことをやっているとですね、「ランク外だけど紹介したい!」って作品が必然的に発生してしまってですね、気付いたら、ベスト10くらいまで出来てしまっていたんですよね(笑)

あとはまあ、順位だけじゃなくて、ちょっとだけ感想付きにしたいなと。そんなことを、まあ、出来れば1月中にはやっておきたかったと。
(何故なら、2016年に色んな演劇見ちゃうともうそっちのことしか考えられなくなると思ったから。)



と言う訳で、前置きがかなり長くなりましたが…
2015年ちひろの新潟演劇ベストテンを発表させていただきたいと思います!





第10位
劇団第二黎明期『TEN POINT』



シダさんの演じるボクシングトレーナーと内藤くん演じるボクサーの出会いと信頼と愛情と別れを描いた作品。
僕はシダさんの書く戯曲の、台詞の言葉選びがとても好きなんですが、冒頭でシダさんが手紙を書くシーンで「何を食べていますか?離れていても同じものを食べたりするのはとても素敵なことだと思うんです」みたいな台詞が登場して、「あ、なんかよく分からないけどいい表現だ!」って思い、で、劇中ではシダさんと内藤くんの師弟関係が発生し、途中からまさかの師匠が弟子に片想いをするんですが、それが実らず、というちょっと切ない物語でして、終盤、二人がバラバラになるんだけど、とある台詞の中でさり気なく、「あ、この二人、バラバラだけど同じ日に納豆食ってたんだ…」って気付かされるシーンが登場し、その些細なことだけどぐっとくる展開が本当に大好きだっていう。
あと、僕が観て来た中で内藤陽介史上最高の内藤陽介が見られた!って思ってるので、そこも良かったです。内藤くんがとても素直な感じで演劇してるのがすごく良くて、多分すごくシダさんを信頼してたんだろうなって思います。良い二人です。





第9位
ゼラチンズ『Travel Travel』



もともと3月に長岡で上演されたんだけど見に行けなくて、残念だって思っていたら、4月に三条でやってくれて、見に行けた公演。演劇って言うかコントですね。だから厳密に言うと演劇じゃないかも知れないけど、あまりに好きなので9位にランクインです。
何でしょう、「舞台を見て自分も舞台に立ちたくなる」っていう人の話をよく聞くけど、自分はそういう気持ちになることがほとんどなくて、でも、ゼラチンズのコントだけは、見てると自分もやりたくなるんですよね。そういう魅力を持った舞台に出会うことって、僕の中でとても珍しいので、観られて良かったなあと。コントを作る楽しさってありますよね。ああ、バカやりたいんだなー!っていう。ええ、分かります。分かりますとも。





第8位
劇団御の字『キセキ』



記憶喪失になったっぽい恩師のもとを、大人になった教え子二人が訪ねて行く演劇で、大半は高校時代の回想シーンです。
高校時代の回想シーンでは相性最悪な男女の高校生コンビと文芸部の先生がみんなで喧嘩したり仲良くなったりしながら、頑張って小説を書こうとする話なんですけど、何度も言いますが僕はこういう「こいつら絶対仲良くならねーだろ!」な人達が信頼関係を築く作品に本当に好きなんです。
それに加えて、みんなで頑張って小説を書こうぜ!っていう展開の青春っぷりがあまりに最高すぎて、本気で彼らを応援してしまいました。オチはちょっとご都合主義っぽいかもしれないですけど、彼らが幸せになってくれて嬉しかったので、僕の中では全然アリです。




第7位
劇団ハンニャーズ『ウルトラリップスⅢ』



2015年には3本もやったウルトラリップスシリーズの2作目で、シリーズ全体で見ると5作目。
すごく好きなシリーズで、毎回色んな超能力者が出てくるわけですけど、シリーズを通して語られる「能力とは幼い頃の願い」というフレーズが、「これってもしかして、障害のことでは。僕がよく考える『障害と才能は紙一重』と同じ意味では」ってことに、気付いたのが、この作品なんで、なんかそういう思い入れがあります。
で、そこに注目して見ると、この作品は「人間の障害は人を不幸にもするが、救うこともある」という内容を描いてる気がしてぐっときたし、あと、シリーズの中で登場人物の一人一人に対して一番優しさを感じる作品でもありました。登場人物に対して、ってだけじゃなくて、人間に対して愛情を持って作られた作品なのかなと思いました。





第6位
KURITAカンパニー『ガリレオ裁判』



ガリレオ・ガリレイが研究したり、その研究をよく思わない教会から裁判にかけられたりする話なんですけど、物理学、天文学、哲学、歴史、宗教などなどの尋常ならざる情報量・知識量を、よく一本の演劇にまとめたよなー!って。しかも見ていて退屈するシーンが一切ない!とても興奮しました。
昔の話ですけど、現代にも通じる普遍的な感動がそこにあると思いました。主人公ガリレオの、偏見とか周囲からの圧力とかその場の感情とかに流されずに、人間として正しい生き方を冷静に探し続ける姿は、こんな時代だからこそ大切にするべきだと思いました。ガリレオ頑張れ!って思ったし、見終わって僕も頑張ろうと思いました。





第5位
舞台屋 織田組『真贋・四谷怪談』



もともと僕は織田組の作・演出の干場さんや役者さんたちが好きだったので、応援していたんですが、ただ、今まで「これだ!」って決定打のある作品に出会えていなかったところ……今回の「真贋・四谷怪談」で「これこそ最高だ!」という、思い入れの強さからこの順位です。
有名な四谷怪談と忠臣蔵をミックスさせているという、かなり異色というか拡大解釈というか、パッと見、邪道にも思える内容ですが、四谷怪談の大事なツボをとても丁寧にしっかり押さえていて、四谷怪談という作品に対する敬意と、志の高さを感じました。
四谷怪談って怖いしとんでもない悲劇なんだけど、その中でも人間の情が感じられる部分があるというか。人間の深層に迫って、そこがあぶりだされる魅力というか。まさに愛憎劇なんですけど、そういう人間ドラマをとても丁寧に描いていたなっていう。
特に思ったのは、人間の二面性を丁寧に描いていたことです。極悪人にも、最低のクズ野郎にも、超怖い怨霊にも、そうなってしまう理由がちゃんとあって、同時にその裏には人間らしさや優しさや愛情なども本当はしっかり持っている、という。そこを丁寧に描いていたなあって思って、そこがすごく好きでした。まあ、それ故に悲劇なわけですが、良質な悲劇です。
あ、でも一個だけ思ったのは、ちょいちょいボケを挟むんですけど、まあ笑ったんですけど、あんなにボケなくたって十分物語として楽しめる演劇だったと思うよ!ってことです。まあ、それを差し引いても、本当に素晴らしい演劇だったので、やっぱり5位です。





第4位
北区オリジナルミュージカル『春のホタル』



北区の物語を北区の人達が演じて北区で上演して北区の人達が大勢見に来るという、まさに北区の北区による北区のための演劇。
小学校の先生と子供達と地域の農家とみんなで一緒に農業を頑張る物語です。ざっくり言うと。
しかし、大人と子供、大人と大人、子供と子供、それぞれの間には人間関係の葛藤があり、それらを登場人物たちが一つずつ乗り越えて、歩み寄って、信頼を築いていく様子を描いてくれるので、はっきり言って感動のオンパレードです。
しかも、途中で災害が起きて「田んぼがどうなる!?」ってなってみんなで協力する!しかしどうしようもならない!って時には、なんとまさかの北区の先祖である江戸時代の農民たちが登場し、守ってくれる、時空を超えた絆までも描かれる!
さらに、後半になると実は先生は病気で亡くなってしまう…という、もうどんだけ泣かせる気なんだ!っていう感じなんですが、最終的に生きている者たちと死んだ者たちも、それぞれ時空を超えてみんな繋がっている!命は輝いている!あのホタルのように!みたいな展開には、なんかもう、人間の生死も時空も超越した壮大な愛の世界!って思いました。そういう壮大な愛を、言葉だけではなく音楽の力で表現してくれるのも、良かったです。
演劇で描かれる人間が信頼し合うことの素晴らしさが、演劇の中だけではなく、演じている役者さん一人一人からも感じられました。全員がこの演劇を愛していると感じられて、これこそ市民劇の良さ!って思いました。
もっと言うと、お客さんたちからも同じものを感じられました。この演劇を見に来られることが本当に楽しみだったんだろうなあという、客席の雰囲気がとても楽しかったです。だからこそ、北区の北区による北区のための演劇。本当にこれは北区で、あの場所で見られて良かった演劇だなあと思いました。





第3位
劇団第二黎明期『エドワード三世』



あー、なんかすみませんね!自分が出演した作品なのに3位とかにしちゃって!本当すみませんね!調子乗るなって感じかも知れませんけど!でも、僕はこの演劇大好きなので、3位にさせていただきました!いや、もうこれ1位でもいいかなってレベルで好きなんですけど、それはさすがに調子乗りすぎなんて、これでも遠慮して3位です!
どうせ僕のランキングなんで、僕なりの考えで3位にさせていただきました。と言うのは、この演劇に出演したからこそ分かる魅力というものを、もっと僕は皆さんにアピールしたいのです僕は!
そもそもこの演劇は、熊倉くんっていう高校生が「演劇の勉強がしたい!(観たこともやったこともないけど!)」っていう謎の情熱だけで、あの劇団第二黎明期のシダさんの元を訪ねた(「新潟 演劇」で検索したら上の方に出てきたからってだけの理由らしいです)っていう彼の情熱・行動力が、まず本当に素晴らしいと思うし、それに対するシダさんの「演劇を勉強したいなら公演をやるのが一番だ!だから公演を打とう!」と言った、これ以上の答えはないだろうという選択も、本当に素晴らしいと思うんですよ。こんなに純粋な理由で演劇が作られることってあるでしょうか。
僕の中には、誰もが自由に自分らしく生きていけたらいいのにという気持ちがあり、そしてそんな気持ちを感じる演劇が好きです。(もちろん、演劇以外にも色々あるのですが。)熊倉くんの演劇をやりたい!という自由な気持ちが、シダさんの若い世代の可能性を応援してる気持ちによって実現した、本当に素晴らしい演劇です。
そんな熊倉くん、そしてもう一人の共演者のたべさん、僕は二人とはまったくの初対面だったんですけど、しっかり稽古を重ねれば演劇の中でちゃんと信頼が築けることが出来たのが本当に嬉しかったし、これも演劇の持つ素晴らしさだと思います。
あとは、「エドワード三世」っていうシェークスピアの戯曲を初めて読んだ時に、本当に難しくて意味が分からなかったんですけど、2ヶ月の稽古の中で「ここはこういう意味」「ここはこういう面白さ」っていうのを少しずつ理解しながら稽古していって、本番を迎えたら一回見ただけのお客さんが笑ってくれていたんですよね。それって僕らが2ヶ月かけて理解できたことを、演劇というものが存在することで一瞬で理解できたってことじゃないですか。ああ、これも演劇の持つ力だなあって思いました。
そういう、演劇というものが持つ素晴らしさが、この45分の短い演劇の中に凝縮していたと思います。と言うか、僕がこの演劇に出演したことによって気付けた演劇の素晴らしさというものがたくさんあります。いやー、本当に出られて良かった!っていうか、演劇やってて良かった!って、心から思えた公演でした。





第2位
劇団ハンニャーズ『ウルトラリップスZ』



2015年には3本もやったウルトラリップスシリーズの1作目で、シリーズ全体で見ると4作目。「ウルトラリップスⅢ」の一つ前の作品で、あちらは先程7位でしたが、今回の「ウルトラリップスZ」は2位です!
もともと、「普通に好き」程度だったウルトラリップスシリーズが、この作品との出会いによって大好きになったという。これ以降の作品も必ず全部見ようと(そして現時点では全て見ている)、それどころか、過去作品を振り返ってもう一度好きになった、そのくらい大好きな作品です。
ウルトラリップスシリーズって、ミステリー、サスペンス、ファンタジー、ホラーなどの色んなジャンルの要素を中嶋さんのが絶妙な調合によって生み出す作品だと思ってるんですが、それらのバランス加減は、このウルトラリップスZが本当に最高だと思います。
あと、どこまでがトリックでどこからが超能力なのかと言う絶妙なラインを、「あれ、これはどっちだろう」って考えながら楽しめるというウルトラリップスシリーズ独自の魅力も満載でした。
でもそれって一瞬でも観客を飽きさせたら「もうどーでもいいわ!」って思われてしまう難しいものだと思うんですけど、この作品は決して飽きさせない工夫が随所に、台詞の言葉選びから演出から何から何まで張り巡らされていて、それも本当に素晴らしかった。
特に一番素晴らしいと思ったのはですね、幽霊役の風間愛恵ちゃんが登場するシーンで、あの、最初は全然関係ない会話シーンに目を引き付けさせておいて、ふと、「あれ?あっちで何か動いた?」って思ってぱっと見ると、ソファーの裏からとても人間とは思えない気持ち悪ーいゆーっくりとした動きで愛恵ちゃんが登場するっていう。「う、うわ!気持ち悪っ!」っていう演出。ちゃんと幽霊に見えました。それって本当にすごいことだと思います。
全体的に役者さん全員素晴らしかったですし。げんぱさんの化け物を演じるに相応しい浮世離れ感や独特すぎる可愛らしさとか、久保さんの「あ、この人笑ってるけど絶対超恐い人だ」って言葉じゃなく伝わる雰囲気とか、へろさんの見ただけで「この人絶対過去になんかあるな…」という雰囲気や、本当にみんな素晴らしい!キャラクターが魅力的ってこういうことを言うんだよな!っていう。
そしてですね!僕の大好きな泉篤史くんがですね!まあ本当に素晴らしい!あの、狂気と純粋さが一人の少年の中に同居している危うさです。イケメンではなくて美少年なんですよね。あれが演じられる役者さんそうそういないんじゃないですかね!で、そんな彼が心の中に隠し持って押さえていた狂気が、最後に一気に表出するクライマックスの息をのむ展開!鳥肌モノでしたよ。同時にストーリーの伏線も見事に回収していたし、あのウルトラリップスシリーズの設定、特にげんぱさんの化け物設定をここまで鮮やかに生かしたエンディング、これ以上にあり得るでしょうか!「分かりません!分かりません!」は、僕の中で2015年の新潟演劇の名台詞ランキング第一位ですね。あと、僕の中で2015年の男優賞と女優賞は泉篤史くんと風間愛恵ちゃんです。
現時点で僕の中ではウルトラリップスシリーズの中でぶっちぎりの第一位です、というか、今まで観て来た劇団ハンニャーズの中で間違いなく第一位です。それどころか、ここ数年間で観て来た新潟の演劇すべての中でも、かなり上位に食い込むかと思われる演劇です。「あ、面白いなー」って演劇に出会うことは少なくありませんが、「最高だ!!!!!FUUUUUUUUUUUU!!!!!!!!!」って演劇に出会えることは数えるほどしかなく、間違いなくその一つです。




第1位
Noism1『箱入り娘』



と言う訳で、そんな大興奮で大熱狂した「ウルトラリップスZ」を押さえて一位に輝いたのは、Noism1「箱入り娘」でした!
結構意外な一位かもしれないですね。よりによってNoismかよ!プロかよ!ダンスかよ!っていう。ただ、一位っていうのは僕なりの理由があるんです。また、ダンスじゃん!って思うかも知れませんが、完全に演劇的に楽しめたので、演劇にカウントさせていただきました。
まず僕のNoismにする気持ちとして、最初は「なんか世界的に見てもすごいことをしている人達が新潟にいるらしい。だったら、観ておこう」くらいのちょっとした好奇心から見始めたんですよ。過去に3作くらい観ています。正直、最初は自分には高度すぎる芸術なのかなっていうイメージを一方的に抱いていました。しかし、実際に観てみたら、確かに難解な部分はありましたが、思ったほどではありませんでした。単純に「あんな体の動かし方を出来る人がいるとは!」っていう感動だけでも、十分に観る価値のあるものだと思いました。
また、金森穣さんのお話しなども聞く度に、確かにあの方は世界的に活動していて、名実ともに自分なんかよりずっとすごい方ですけど、同時に「すごく純粋に表現活動を楽しんでいる方なんだな」って発見があり、「根本的な部分では自分みたいなアマチュアの気持ちと大差ないのでは」という考えが生まれたりもして、なんか謎の親しみを感じたりもしました。
しかし、それでもやっぱり自分の中にNoismというものに対する心の壁みたいなものは、あったような気がします。そう、この「箱入り娘」を観るまでは・・・しかし、「箱入り娘」を観たことで、そういう心の壁が、決定的に破壊されたと、そう感じました。要するに、こういうことです「楽しい!超楽しい!好きだァァァァァァァァ!!!!!!」っていう(笑) もう笑うわ感動するわで大興奮の連続でした。
観劇後に知ったんですけど、これは「かかし王子」という過去に作られているバレエを独自に解釈して作り上げた作品らしいです。基本的にはとても単純な話なんです。箱入り娘に恋をしてしまった男性がいて、しかし自分に自信がない彼は、自分の理想の全てをかかしに込め、命を吹き込んで彼女と付き合わせるっていう。まあ、ファンタジーなんですが。でもその「かかし」を「顔が見えないインターネットでのコミュニケーション」という形で独自の現代解釈をしたのも、とても面白かった。ただ、まあ基本的には単純な話です。
で、そんな物語を、台詞のほとんど存在しない舞踊という形で表現しているんですけど、台詞が無いからと言って物語が分からなくなることなんて一つも無かった。しかもそういう登場人物たちの気持ちが絶えず変化しながら途切れることなく人間ドラマが継続していくから、まったく退屈しませんでした。台詞に頼り過ぎなくても、こんなにも人の気持ちは伝わるんだ!って感動がありました。舞踊ってここまで表現できるのかと。もちろん、舞踊としての素晴らしさもありました。これ本当に、誰が見ても面白い作品だったと思うんですよね。
って言うか、世界的に有名なNoismですけど、案外新潟の人、特に演劇を見たりやったりするのが好きな人に見ていない人が案外多いぞと思うんですけど、で、それはもしかしたら過去の僕がそうだったように、ちょっと自分には手の届かない芸術みたいな考えて敬遠しちゃってるのかなって気がしてるんですけど、いやいや!そんなことねーから!超面白いやつだから!みんな見にいきましょーよ!っていう気持ちを込めて、1位にさせていただきました。





以上です!あー、長かった!
やっぱり順位が上の作品は感想も長くなっていきますね!まあ、それだけ思い入れが強いということで。



っていうか、これ新潟演劇ベストテンですけど、新潟以外にも素晴らしい演劇に本当にたくさん出会ったので、それらも全部ひっくるめた、ちひろの演劇ベストテン完全版も、作らなきゃって思ってるんですよね。新潟からはいくつランクインするのかも楽しみな感じで。
ただ、新潟だけでこれだけ長くなったのだから、一体どれだけの長さになるか分かりませんが…いや、でも、やろうと思います!忘れちゃうのは勿体ないからね!と言う訳で、2015年ちひろの演劇ベストテン完全版もお楽しみに!

ちひろの演劇ベストテン2015完全版はこちら。
と言う訳で、ちひろの演劇ベストテン2015完全版、発表します!
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