舞い上がる。

日々を笑い、日々を愛す。
ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

シネ・ウインド「白石晃士と坪井篤史の映画狂人ロード」に行ってきました!

2019-05-19 00:33:14 | Weblog
5/18(土)、シネ・ウインドで開催された「白石晃士と坪井篤史の映画狂人ロード・新潟篇」という上映会に行ってきました。
「貞子vs伽椰子」「不能犯」などの白石晃士監督と、名古屋のミニシアター「シネマスコーレ」の副支配人・坪井篤史さんの二人を招いての一夜限りの上映会ということで、すごく面白そうだと思って観に行きました。







まずは、坪井篤史さんに密着したドキュメンタリー、「劇場版シネマ狂想曲 名古屋映画館革命」。





予告編はこんな感じです。



シネマスコーレは、名古屋にあるシネ・ウインドみたいなミニシアターで、そこの副支配人である坪井篤史さんに密着したドキュメンタリーです。
これが非常に面白くて、見れば見るほどシネマスコーレに行きたくなるし、坪井さんが好きになってしまうような映画でした。ちなみにナレーションは竹中直人さんでした。

坪井さんが、本当に尋常ならざる映画愛の持ち主で、仕事はもちろん、プライベートまでとにかく映画のことを考え続けているような人なのです。
マニアックな映画のVHSのコレクターでもある坪井さんは、日常的に中古ビデオ屋でVHSを買い集め、ついにVHS専用の部屋さえ借りてしまったのですが、この部屋が本当にマニアックなVHSに埋め尽くされていて、まるで坪井さんの頭の中を見ているみたいだなって思いました。

そんな坪井さんが副支配人を務めるシネマスコーレ、いかにもミニシアターという感じで、メジャーな映画に比べたらマイナーかも知れないけど実はすごく面白い、みたいな映画をたくさん上映していて、多くの映画ファンから愛されているようでした。
新潟で言えばシネ・ウインドや高田世界館みたいな映画館だなあと思いました。

僕も映画が好きな人間だから思うことなんですけど、やっぱり本当に面白い映画が観たい、そのために、ちゃんと面白い映画がちゃんと上映されてちゃんと評価されるような世の中であってほしいと思うんですよね。
ただ、難しいのは、売れる映画と面白い映画は必ずしもイコールではなくて、面白いけれどマイナーな映画って実はたくさんあるわけで、そういう映画ってシネコンではなかなか観られなかったりするのが現状なわけです。

でも、そういう、多くの人が見落としてしまいがちな、だけど本当に面白い映画をちゃんとチェックして、ちゃんと「これは面白いからみんな観てくれ!」って気持ちで上映してくれる映画館があるというだけで、僕はちょっと嬉しくなりました。
そういう映画館は経営が難しいのかなと思いますが、なんとか経営が続いているみたいなので頑張ってほしいと思いましたし、そんな映画館がこうしてドキュメンタリーが作られるくらい愛されているんだなと思うとそれもまた嬉しくなりますし、いつまでも続いてほしいミニシアターだなと思いました。

また、映画ファン以外にも、映画監督からも愛されているようで、松江哲明監督、カンパニー松尾監督など、シネ・ウインドでもお馴染みの監督も登場していました。
中でも、この日、新潟にもやってきてくれた白石晃士監督とは、一緒にシネマスコーレで色々なイベントをやるくらい、本当に仲が良いみたいでした。

坪井さんの映画革命の活動として、シネマスコーレで映画をさらに楽しんでもらえるようなイベントを計画しているんですけど、中でも坪井さんと白石監督が開催した「貞子vs伽椰子」の絶叫上映はとんでもなかったです。
ホラー映画なのに観客はサイリウムを振り、人が死んだら拍手、そして映画に貞子や伽椰子が登場するとスクリーンの前に実際に貞子と伽椰子の格好をした人達が登場するというまさかのアナログ4DX!

極めつけは坪井さん自らが白塗りになって俊雄くんとして登場!映画館のために体を張り過ぎだ!
これだけでも相当面白いのに、挙句の果てに白石監督の過去の映画である口裂け女まで登場!もはや何が何やら!

でも、考えてみたら、「貞子vs伽椰子」って僕も大好きですけど、確かにホラー映画だけどアッパー系のホラーというか、こういうお祭り映画の要素があるんですよね。だから、ここまで「貞子vs伽椰子」をここまで遊び尽くした上映があったっていいんじゃないでしょうかね…
ってよく考えたら監督自ら参加しているわけですからね。監督、楽しそうだったな…幸せな映画館だったなと思いました。

そして、坪井さんの凄いところは、こういう映画ファンが楽しんでくれるようなマニアックなイベントを企画する一方で、映画をあまり観ない人達にも観てもらうために、自ら街に出て活動そているんですよね。
映画の面白さを語るトークイベントを企画したり、大学で映画の面白さを語る講義を行ったり、地元のテレビ局に呼ばれたりと、本当に大活躍しているんですよね。

そんな坪井さんの様々な活動を観ているうちに、これが彼が名古屋の小さなミニシアターから起こそうとしている映画革命なのか…とすごく感動しました。
さらに、坪井さんの子育てなどもしっかり描いていて、こうやって家庭と仕事を両立させて頑張っているんだな…とますます坪井さんを応援したくなってしまう映画でした。





その後は、白石晃士監督の映画の上映で、まずは「超・暴力人間」という短編映画。
白石晃士監督お得意のフェイクドキュメンタリーで、謎の男にテレビ局がインタビューするところから映画は始まります。

この謎の男、論理的な会話がまったく通じない、誰に対しても理不尽な暴力でねじ伏せるような、いい意味ですごく嫌な奴で、まさに超・暴力人間という感じでした。
何なんだこのヤバい男は…と思って観ていると、途中から思いもよらぬ展開が起こり、そこから先は次から次へと予測不能な暴力の応酬に突入していく…この人を食った感じ、まさしく僕が大好きな「貞子vs伽椰子」や「不能犯」でも観た白石監督の良さだよなあと思いました。







そして、最後は白石晃士監督「恋のクレイジーロード」の上映。





予告編はこんな感じです。



主人公は気弱な少年、大好きな彼女とバスに乗っていると、ボロボロの女装姿という見るからに異様な雰囲気を醸し出す男が乗り込んできて、なんと彼は観客を次々と襲いバスジャックを起こしたではないか!
映画の前半では不良が絡んできたりするんですが、そいつはもはやそういうレベルじゃないヤバさの常識離れした人間の登場に、映画はどんどん非日常的なバイオレンスの世界に…

しかもそのバスジャック犯、主人公に惚れているではないか、一体どういうことなのか…!?
バスという閉鎖空間の中でいつ誰が死ぬか分からない一触即発の状況下で、それでもバスは走り続ける…果たして彼らの運命は…!?

とにかく何もかもが狂った世界で、登場人物一人一人も狂っていくという本当に狂気という言葉がふさわしい映画で、役者さんたちの体当たりの熱演、いや狂演が本当に強烈でした。
暴力と狂気、異様なの高揚感が炸裂していくという、これはこれで新しい白石監督の世界だなと思いました。



それにしても、白石監督はシネコンでかかるようなメジャーな映画も撮っていますが、こんなマニアックな映画も撮っているんだなあ…
と思ったら、メジャーな映画とは別に、ちょいちょいこういう自主映画も撮っているということで、やっぱり根っからの映画好きなんだなあと、ますます白石監督が好きになりました。







そんな感じで、“映画狂人”な坪井篤史さんと、“狂人映画”監督の白石晃士さんによる、まさに映画狂人ロードでした。
坪井さんと白石監督のアフタートークも超面白かったし、最後には記念撮影もさせていただき観劇しました!是非また新潟に来てください!
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 本当は真面目で平和なスタン... | トップ | 新潟絵屋で、Tangoさんの写真... »
最新の画像もっと見る

Weblog」カテゴリの最新記事