舞い上がる。

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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

映画「佐々木、イン、マイマイン」観てきました。

2020-12-03 22:39:30 | Weblog




12/3(木)、イオンシネマ新潟南で「佐々木、イン、マイマイン」を観てきました。
新潟市では、イオンシネマ新潟南だけでの上映。





予告編はこちら。



色々感想を書いていく前に、映画が始まる前に監督と出演者さん達の舞台挨拶の映像が流れたんだけど、この映画の内山拓也監督は新潟のご出身で、新潟上映に当たって舞台挨拶で凱旋したかったけれど、コロナの現状を考え映像での挨拶にしたとのことでした。
後程説明しますが、この映画の主人公とその友人達はとある地方都市で10代を過ごしているのですが、映画を作るにあたって新潟で過ごした時の体験も盛り込んだそうです。

そんな新潟出身で新潟への想いを熱く語ってる映画の上映が、どうして新潟ではイオンシネマ新潟南だけなんだ!…というツッコミどころはありつつも、見られて良かった!
コロナが収束したら、いつか新潟でお会いできる日を楽しみにしています!



さてさて、そんなこの映画のまずあらすじですが、上京して役者になるが売れない主人公の悠二は、高校時代にいつもつるんでいた3人の友人のことを思い出し、その中で一際思い出に残っているのが、お調子者の佐々木のことです。
そんな高校時代の回想シーンと、現代のうだつの上がらない毎日を行き来しながら物語が進む中、大人になった悠二は佐々木と再会する…こんな物語です。

で、悠二や佐々木たちは本当にダラダラとバカバカしい高校生活を過ごしていて、個人的に高校にいい思い出がない僕も、こういう毎日何の刺激もなくて何が楽しいか分からない高校生活は、気持ちが分かるなと思いました。
でも、そんな変わり映えのない毎日の中で、お調子者の佐々木は実は家庭の事情など色々な悩みを隠しているのですが、僕も高校時代に何となく付き合っていただけで、どんなことを考えて、どんな悩みがあったのか、そんなことをまったく知らずに過ごしてしまった当時の友人って大勢いたんだろうなあ…なんてことを考えてしまいました。

そして何より、お調子者の佐々木や、彼を見てはしゃいでいる高校生達を見ると、少し胸が苦しくなってしまうんですよね。
というのも、先程も書きましたが佐々木はとある事情を抱えた家庭で育っているのですが、だからこそ、彼のバカ騒ぎの裏に、本当はそういう悩みを隠しているのが、ちょっと透けて見える気がしてしまうんです。

事情は全然違いますが、僕も学生時代はいじめられていた時に、わざとお調子者になったりしていた経験があるからこそ、学校でお調子者に「ならざるを得なかった」人の気持ちは、ちょっと分かってしまうんですよ。
だから、お調子者の佐々木は高校でちょっとしたヒーローなんだけど、無邪気に佐々木を囃し立ててる人達を見ると、なんだかなあ…そういう面白がり方はどうなんだろうなあ…でもあるんだよねこういうこと…と複雑な気持ちになってしまいました。

そして行動はめちゃくちゃだけど、正直で感情的に突っ走ってしまう佐々木のことは、やっぱり僕も好きになってしまいました。
そんなかつては主人公の中でヒーローだった佐々木が、大人になって再会したらずっと地元で無職でパチンコばかりしているダメな奴になってしまったのも、確かにこういうことありそうだなあ…そして僕も佐々木くらいダメな奴だし、もう生々しすぎるなあ…と心に刺さってしまいました。

大人になった悠二の目標も叶わずに恋人ともうまくいかないうだつの上がらない毎日にも、そんな毎日の中で思い出す高校時代が無意味なバカな日々ばかりで「俺の人生って一体何なんだろう…」と思ってしまうのにも、共感することばかりで、とにかく、自分を見ているようだと思う場面がたくさん登場する映画でした。
だからこそ、映画を観ながら、自分のあの頃は何だったのか…今の自分は何をしているのか…と思いを巡らせてしまう映画でした。

また、あの頃のヒーローだった佐々木がすっかり落ちぶれている場面もすごく切なくなってしまうのですが、だからこそ、そんな佐々木に意外にも新しい出会いが訪れる場面に、良かったなあ佐々木!お前も幸せになれよ!と思わず嬉しくなってしまいました。
だからこそ、さらにその後に起こってしまう出来事の切なさが際立ってしまうわけすが(ネタバレなので書かないでおきます)、そこで佐々木への想いを爆発させて走り出す悠二の心の叫びが、大人になって出演した演劇の台詞と重なるクライマックスを見て、無駄だったようなあの日々も、あの頃の出会いも、彼の中にちゃんと生きているって意味なのかなと思うと、観終わったあとは少しだけ前向きになることができるような映画でした。

ところで、主演の藤原季節さんは「全員死刑」や「アイネクライネナハトムジーク」で見てちょっと気になっていた俳優さんだったんだけど、今回がっつり主役としての演技が見られて良かったです。
他にも、村上虹郎さんとか小西桜子さんとか、最近気になっていた役者さんも多かったのも嬉しかったです。

そして佐々木役の細川岳さん、あなたはもう佐々木です!
この映画を見ただけで、主人公の悠二のように自分の心の中に細川岳さん演じる佐々木が住みついてしまう、そのくらいインパクトのある愛すべき役で、この映画の感動はやっぱりこの佐々木の存在感による部分が大きいなと思いますね。
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