書き残していた映画の感想をまとめて書いていきます。
3/14(水)に、シネ・ウインドで『ベロニカとの記憶』を観て来ました!
予告編はこんな感じです。
どういう映画なのか、一言で言えば、思春期のこじらせた思い出を大人になってもこじらせ続けているおっさんの物語です。そんな映画、僕が嫌いなわけがないんですよ!
現在と回想シーンを交互に描き、徐々にその二つが繋がっていく、という構成なのですが、こじらせた過去に向き合う主人公の姿が、俺の中の童貞心にぐっときました!
で、まあせっかくなのでもうちょっと詳しく書いていくと、この映画はインド映画『めぐり逢わせのお弁当』が初監督作品だったリテーシュ・バトラ監督の2作目で、僕は2014年にこの映画をシネ・ウインドで観てとても面白かったので、今回の『ベロニカとの記憶』も非常に楽しみにしていました。
前作『めぐり逢わせのお弁当』はインド映画でしたが、今回の『ベロニカとの記憶』はイギリスのロンドンを舞台にしています。
物語は、定年退職後の主人公、トニーのもとに、40年前の恋人、ベロニカの母の訃報が届き、彼女が自分に残した遺品があると知ります。
弁護士を経由して、その遺品とは40年前の親友、エイドリアンの日記であることを知ったトニーは、ベロニカに会おうとします。
という、現代の出来事と並行して、40年前の過去の出来事も描かれるのですが、若い頃のトニーはベロニカに対して初恋をして、付き合うことになります。(ベロニカに誘惑されて恋に落ちるトニーが童貞臭くてすごくいい!)
しかし、親友のエイドリアンがベロニカと付き合っているという噂を聞いたトニーは、エイドリアンに対し悪口を書いた手紙を送ってしまい、その結果、エイドリアンは自殺してしまうのです。
その記憶を自分の中で封印したまま40年間生きてきたトニーは、再びベロニカに会おうとするのですが、そこでまたしてもベロニカに対して一方的な思い込みをしてしまい、40年前と同じように彼女に対する嫉妬心を燃やすことになります。(ここでの老人トニーがちょっとストーカーっぽい)
しかし、最終的に40年ぶりにベロニカと実際に出会い、日記の真実を知ったトニーは、40年前の自分の思い込みがまったくの誤解だったことに気付かされるのです。
何度も言いますけど、この物語のトニーは、思い込みで恋に落ちたり一方的に嫉妬したりする人物であり、非常に童貞臭いなあと思うんですよね。
しかも、40年経ってもまったくそこから成長していないんですけど、でもそういう童貞臭さがイコール人間臭さのようにも思えて、どうしても嫌いにはなれない人物なのです。
非常に個人的な感覚なのですが、僕は自分の過去は完全に今の自分とは切り離された出来事ではなく、自分の中には過去の自分、特に幼少期や思春期などの強烈な体験をしていた自分がいつまでも生きていて、何歳になっても時折過去の自分が自分の中に顔を出す、というものだと思っているんです。
それまで、僕はこれを自分だけの感覚だと思っていたのですが、この映画を観て、ああ自分だけじゃないんだ!という感動がありました。特にこの映画のトニーのように童貞だった時の自分を引きずったまま生きてい人は多そうです。
また、過去の失敗を何年も後悔しながら生きたりすること、必死に思い出さないように記憶を封印して生きてしまうことも、僕は本当にたくさんあるので、この映画のトニーに対して非常に共感してしまいました。
そして、出来たらそんな過去の失敗を今からでもやり直したいってことは毎日思っているくらいなのですが、だからと言ってそれがなかなか出来るわけではない、それどころかまったく成長せずに似たような失敗を繰り返してしまうあたりも、非常にリアルだなと思いました。
それでも、完璧に過去の失敗をやり直せたわけではないものの、トニーが40年ぶりにベロニカと再会できただけでも、成長というか、胸のつかえが一つ取れたってことなのかなと思うと、少しだけカタルシスを感じたりもしました。
正直、僕も何年も前の失敗を直接会って謝りたい相手が本当に大勢いますからね…トニー、よく頑張ったと思います。
とは言え、親友エイドリアンの死という、本当に取り返しのつかない結果を招いたという事実は、40年経っても消えてなくなることはまったくないので、完全にトニーの後悔が消えてなくなるわけでもないんだろうな…
笑えるレベルの失敗ならいいですが、そういう大失敗をしないためにも、結局、思い込みで人を傷付けることは間違っているんですよね…でも間違ってしまうのが人間なわけで…そういう複雑な人間を上手く描いた映画だったと思います。
最後にこの映画、現代と過去を行ったり来たりしながら、少しずつ色々な事実が明らかになってくるというミステリー風の物語でもあるのですが、正直、登場人物が多く、人間関係も複雑だったので、少し頭が混乱しました。
なので、ストーリーを100%理解できているわけではないと思うので、機会があればもう一度観てみたいです。(上映は終わってしまったけど、レンタルDVDとかにはなるんでしょうかね。なって欲しいです)
3/14(水)に、シネ・ウインドで『ベロニカとの記憶』を観て来ました!
予告編はこんな感じです。
どういう映画なのか、一言で言えば、思春期のこじらせた思い出を大人になってもこじらせ続けているおっさんの物語です。そんな映画、僕が嫌いなわけがないんですよ!
現在と回想シーンを交互に描き、徐々にその二つが繋がっていく、という構成なのですが、こじらせた過去に向き合う主人公の姿が、俺の中の童貞心にぐっときました!
で、まあせっかくなのでもうちょっと詳しく書いていくと、この映画はインド映画『めぐり逢わせのお弁当』が初監督作品だったリテーシュ・バトラ監督の2作目で、僕は2014年にこの映画をシネ・ウインドで観てとても面白かったので、今回の『ベロニカとの記憶』も非常に楽しみにしていました。
前作『めぐり逢わせのお弁当』はインド映画でしたが、今回の『ベロニカとの記憶』はイギリスのロンドンを舞台にしています。
物語は、定年退職後の主人公、トニーのもとに、40年前の恋人、ベロニカの母の訃報が届き、彼女が自分に残した遺品があると知ります。
弁護士を経由して、その遺品とは40年前の親友、エイドリアンの日記であることを知ったトニーは、ベロニカに会おうとします。
という、現代の出来事と並行して、40年前の過去の出来事も描かれるのですが、若い頃のトニーはベロニカに対して初恋をして、付き合うことになります。(ベロニカに誘惑されて恋に落ちるトニーが童貞臭くてすごくいい!)
しかし、親友のエイドリアンがベロニカと付き合っているという噂を聞いたトニーは、エイドリアンに対し悪口を書いた手紙を送ってしまい、その結果、エイドリアンは自殺してしまうのです。
その記憶を自分の中で封印したまま40年間生きてきたトニーは、再びベロニカに会おうとするのですが、そこでまたしてもベロニカに対して一方的な思い込みをしてしまい、40年前と同じように彼女に対する嫉妬心を燃やすことになります。(ここでの老人トニーがちょっとストーカーっぽい)
しかし、最終的に40年ぶりにベロニカと実際に出会い、日記の真実を知ったトニーは、40年前の自分の思い込みがまったくの誤解だったことに気付かされるのです。
何度も言いますけど、この物語のトニーは、思い込みで恋に落ちたり一方的に嫉妬したりする人物であり、非常に童貞臭いなあと思うんですよね。
しかも、40年経ってもまったくそこから成長していないんですけど、でもそういう童貞臭さがイコール人間臭さのようにも思えて、どうしても嫌いにはなれない人物なのです。
非常に個人的な感覚なのですが、僕は自分の過去は完全に今の自分とは切り離された出来事ではなく、自分の中には過去の自分、特に幼少期や思春期などの強烈な体験をしていた自分がいつまでも生きていて、何歳になっても時折過去の自分が自分の中に顔を出す、というものだと思っているんです。
それまで、僕はこれを自分だけの感覚だと思っていたのですが、この映画を観て、ああ自分だけじゃないんだ!という感動がありました。特にこの映画のトニーのように童貞だった時の自分を引きずったまま生きてい人は多そうです。
また、過去の失敗を何年も後悔しながら生きたりすること、必死に思い出さないように記憶を封印して生きてしまうことも、僕は本当にたくさんあるので、この映画のトニーに対して非常に共感してしまいました。
そして、出来たらそんな過去の失敗を今からでもやり直したいってことは毎日思っているくらいなのですが、だからと言ってそれがなかなか出来るわけではない、それどころかまったく成長せずに似たような失敗を繰り返してしまうあたりも、非常にリアルだなと思いました。
それでも、完璧に過去の失敗をやり直せたわけではないものの、トニーが40年ぶりにベロニカと再会できただけでも、成長というか、胸のつかえが一つ取れたってことなのかなと思うと、少しだけカタルシスを感じたりもしました。
正直、僕も何年も前の失敗を直接会って謝りたい相手が本当に大勢いますからね…トニー、よく頑張ったと思います。
とは言え、親友エイドリアンの死という、本当に取り返しのつかない結果を招いたという事実は、40年経っても消えてなくなることはまったくないので、完全にトニーの後悔が消えてなくなるわけでもないんだろうな…
笑えるレベルの失敗ならいいですが、そういう大失敗をしないためにも、結局、思い込みで人を傷付けることは間違っているんですよね…でも間違ってしまうのが人間なわけで…そういう複雑な人間を上手く描いた映画だったと思います。
最後にこの映画、現代と過去を行ったり来たりしながら、少しずつ色々な事実が明らかになってくるというミステリー風の物語でもあるのですが、正直、登場人物が多く、人間関係も複雑だったので、少し頭が混乱しました。
なので、ストーリーを100%理解できているわけではないと思うので、機会があればもう一度観てみたいです。(上映は終わってしまったけど、レンタルDVDとかにはなるんでしょうかね。なって欲しいです)