2/12(月)、りゅーとぴあ能楽堂で開催された「新潟演芸寄席」を見て来ました。
こちら、昨年は古町演芸場で開催された「古町演芸寄席」を、今年は会場を能楽堂に移して開催するもので、落語家の㐂八家五円としても活動中のNAMARA、ジャックポットの春巻まさしさんが企画したそうです。
その内容は、落語、漫才、漫談、手品、曲芸など、新潟を中心に活動する様々な芸人さん達のお笑いが本当に盛りだくさん!
しかも、一部は13:30~16:00、二部は16:30~19:00と、全部見ると5時間にもなるという本当にお腹いっぱいになる寄席。
僕は最初から最後まで全部見てきまして、確かに長くはありましたが、本当に面白いお笑いばかりで全然飽きませんでした!
というのも、個人的にお笑いは好きなのですが、最近のテレビのお笑が個人的にあまり好きではなく、こういう寄席でじっくり色々な演芸を見ると、そうそう、俺の好きなお笑いってこういうみんなで平和に楽しめるお笑いなんだよなーと思ったからです。
まずびっくりしたのが、新潟県内だけでこんなにたくさん落語家さんがいたんだなあということ。
新潟大学落語研究会のゑちご亭出雲さん、ゑちご亭錦月さん、新潟の社会人落語のゑちご亭逆夫さん(落研出身、古典落語と自分のエピソードトークを交える独特のスタイル)、三流亭楽栗さん(この日唯一の女性落語家)、三流亭楽々さん(元警察官で落語日本一決定戦で優勝経験あり)、水港家蕎亮さん(本当に古町のお蕎麦屋さん)、水都家艶笑さん(新潟落語会会長)、落語研究会新潟県央会の世久利亭応契さん(せきゅりてぃおーけー、警備会社の方)、運転し亭田舎(うんてんしていでんしゃ、電車が大好き)、そしてNAMARAの㐂八家五円さん(ジャックポット、ハルマキまさしさん)、㐂八家御免さん(出来心、秋山朋信さん)、…こんなに一日にたくさん落語を見られる機会なんてなかなかないから、本当に幸せでした!
それから特に今回の寄席、どこか懐かしい昭和の演劇のような出演者が多かったのが、個人的にとても良かった。
春野夢人さんの懐かしさ溢れる手品、たなか亀吾郎さんの音楽に合わせた手品、ふーじーさんのダイナミックな風船曲芸、つまようじさんのギターも使った夫婦漫才、リハビリ日和のボケとツッコミならぬボケと介護の漫才など、本当にどこか懐かしくて温かい気持ちで楽しく笑いました。
それから、若手のお笑い芸人も、Niigata Mix Sandから真面目人間さんの能楽堂でも変わらないトリッキーな一人コント、白倉かなめさんの毒舌交じりの漫談(個人的に若い人向けかと思ったが年配のお客さんも笑っていて良かった)、イチニルートの定番の漫才(毎回同じところで笑います)、また昨年はフリップ芸のピン芸人として出演した堀川ランプさんが東京で相方のタイセイさんと結成したステーキハウスの漫才(本当にテレビで見るようなザ・漫才でした)、NAMARAからは、出来心の漫才(秋山くんの引退前にちゃんと見るのはこれが初めてかもしれない)、講談の㐂八家モリゲさん(引退直前の秋山くんをイジった漫才面白かったです)、そしてジャックポットの漫才(王道かつアドリブもあってマジで面白い)と、本当にこんなに面白い芸人さん達が新潟にいたのか!と感動しました。
そんな感じで、本当は一人一人感想をじっくり書きたいところですが、何しろ人数が多いのでざっくり振り返ってきました。
こうして見てみると、落研の若手落語家から、三流亭楽々さんや水港家艶笑さんのようなベテランまで、様々な芸人さんを見られる機会は本当に貴重だし、何よりお互いの芸をリスペクトしている雰囲気が全体にあって、それがとても良かったです。
さて、たくさん振り返ってきましたが、どうしても書いておきたいのが、出来心について。
というのも、漫才の始まりで自己紹介をする際に、秋山くんのお父さんが共産党の議員ということを「だから僕にも真っ赤な血が流れているんですよ…」と自らネタにしはじめた時のこと。
秋山くんは突然僕を指さし、「あのお客さん、赤い服着てるから共産党の人かな?いや、上が赤で下が白だから昔の民主党かな?」とイジってきたではないか!
まさか直接イジられるとは…やってくれたな!思わず爆笑!秋山くんの引退前に最高の思い出ができました。
それから、一番最後の水都家艶笑さん、酔っ払いが奥さんに暴言ばかり吐くけれど、本当は奥さんのことを好きなのに素直になれない自分が情けなくて泣きだす…という落語で、酔っ払い演技、泣き演技があまりに上手すぎて本当に引き込まれました。
思わず感動してちょっと泣いてしまうほどでしたが、そこからのオチも最高で、長い寄席の最後にとても幸せな気持ちになれました。
最後は出演者の皆さんがロビーでお見送りしてくれたのですが、そこでジャックポットの大野まさやさんがいたので、ちょっと話してみることに。
というのも、大野さん、僕の母校の小学校のPTA会長という話を最近知り、話しかけてみたのですが、なんと僕の一学年上の先輩でした!
そういえば大野さん、今年の1月1日の地震の時、避難所のスタッフをしていたそうですが、あれは母校の小学校だったのか…
あの日、子供と帰省していた同級生が避難していたと聞いていたが、大野さんがそこで働いていてくれたのか…ありがとう大野さん!
と、そんな感じで最初から最後まで楽しんで、帰り際に思いがけない思い出もできた新潟演芸寄席、本当に最高でした!
これからも年一くらいでやってくれたら嬉しいですね…お疲れ様でした!
おまけ
りゅーとぴあに新潟演芸寄席を見に行く前に、白山神社に行ってきたのですが、この日は本当に天気が良くて、晴れた日の白山神社は最高に気持ちがいい。
新潟がまだ砂丘と沼地だらけだった何百年も前からずっとここにあって、周りが都市開発されてもここだけずっと自然が残っていると思うと、新潟で歴史と自然を感じられる貴重な場所だと思う。
そして休憩時間も含めて5時間半も寄席を見て、外を見るとすっかり夜になっていました。
ちょうど三日月が出ていたのですが、かつてこういう月を「チェシャ猫の口」と表現したBLUESのおもケンを思い出す…いいセンスだ。