舞い上がる。

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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

芸術は社会に訴えかける。

2024-03-12 23:46:45 | Weblog
国立西洋美術館で初めて開催された現代アート展の記者向け内覧にて、参加アーティストがイスラエルのパレスチナ侵攻に抗議するパフォーマンスを行った、というニュースを見ました。

飯山由貴がイスラエルのパレスチナ侵攻とスポンサーの川崎重工に抗議。国立西洋美術館「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」記者内覧で
国立西洋美術館の館内ロビーでアーティストの遠藤麻衣と百瀬文が川崎重工に対する抗議パフォーマンスを実施
国立西洋美術館で飯山由貴らアーティストがパレスチナ侵攻に抗議、美術館パートナーの川崎重工に訴え。遠藤麻衣と百瀬文の抗議パフォーマンスも




このニュースに対して、Twitter(X)では意見が分かれており、「芸術家なら作品で表現しろ」みたいな意見も見ましたが、いや、もしかして芸術家の表現って絵とか彫刻だけだと思ってます?と肯定派の自分は思います。
そもそも、ネットではよく(主にいわゆる「オタク」趣味の人達によって)、「表現の自由」を守れ!みたいな論調になりますが、こういうアーティストのパフォーマンスに対してはそういう反応がでないわけで、あなたが守りたい「表現の自由」って何?という気持ちにもなります。

そもそも、ガザで3万人以上が大虐殺されるという世界史に残るレベルの大事件が現在進行形で起きていて、今はとにかく世界中で国籍も民族も思想も立場も越えて、反対の声を上げる時ですよね。
声を上げたアーティストに対して「美術館が迷惑するから良くないと思います」みたいな意見も見ましたが、そんなこと言っている場合じゃないと思います。

個人的には、新潟で細々と作品を作っては自分で展示する場所を探しつつ、時々パレスチナ連帯スタンディングをしているような人間からすると、国立西洋美術館という日本を代表する美術館で展示ができるようなアーティストに、メディアも取材する中でこんな抗議ができる方がいることには本当に勇気がもらえました。
そして、これはあらゆるデモや抗議活動だと思いますが、ごちゃごちゃ反対する人達が沸いているのは、そんな人達にも届いた証拠なので、いわゆる「効いてる」というやつだと思います。

そもそも、あらゆる芸術活動は少なからず社会と結び付いて政治性を帯びているわけで、特に戦後の芸術なんて社会運動と地続きだったと思っています。
なので、芸術家が抗議運動をするなんて、なんていうか当たり前のことすぎてそこに反感を持つ人達、大丈夫?と思ってしまうほどです。





じゃあ、自分がどうして芸術活動に興味を持つようになったかと言うと、そもそも自分が芸術と社会運動の関わりを初めて感じたのは、中学校の美術の資料集に載っていた、新潟現代美術家集団GUNを知ったことでした。
新潟現代美術家集団GUNの代表作「雪のイメージを変えるイベント」は、巨大な雪原をキャンバスにして顔料を塗るというもので、新潟の冬の重苦しいイメージに対する抵抗を芸術が行うこと、しかも物凄く楽しそうにそれをやっていることに、とても心惹かれました。

そして、2012年、長岡で新潟県立美術館で開催された「GUN―新潟に前衛(アバンギャルド)があった頃」という新潟現代美術家集団GUNの回顧展を見に行き、彼らが芸術作品の創作はもちろん、町中でゲリラでパフォーマンスを行う「ハプニング」などの挑戦的な表現活動を積極的に行っていたことを知りました。
何より、1960年代の政治運動が積極的に行われた時代背景もあり、反戦運動なども積極的に行いながら、その想いを込めて芸術活動をしていたと知り感動しました。

自分も細々と芸術活動を続ける中で、今まで以上に社会に関心を持つようになったのは、この、新潟現代美術家集団GUNとの出会いが大きかったです。
美術館の展示会場で配られていた反戦カードを今でも大事に持っているように、あれからずっと反戦思想は自分の根底にあり、そこだけはブレずにやってこられたかなと思っています。





そんな新潟現代美術家集団GUNへの僕なりのオマージュが、2021年2月に近所のパチンコ屋の駐車場に積もった雪の上に描いたこの絵でした。
社会へのメッセージは特にありませんが、この絵は当時憂鬱な毎日を過ごしていた自分が人生を再び楽しむために描いたもので、自分の表現としては間違ったものではないと思っています。





そんな僕の最高傑作とも言える作品が生まれた駐車場が、なんとパチンコ屋ごと解体工事をされていたではないか…
ここの駐車場、朝日も夜景もよく見える西区の隠れた絶景スポットだったんだよな…今までありがとうございました!パチンコ屋に一度も行ったことないけど!
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