昨日、大道具製作をしていた時のソウメイの話。
ソウメイ「今日来る前にスーパーに行ったら、カゴに7000円が入ってたんだけど」
俺「え、普通に7000円がぽんと入ってたの?」
ソウメイ「そう。で、届けようかネコババしようか散々悩んだ挙句、レジに届けたんだけど、今ではネコババしとけば良かったってすげー後悔してるんだよね」
俺「何でだよ。いいことしたじゃん」
ソウメイ「普通はそう思うんだよ。でも果たしてレジに届けることだけが本当の善行なのかって考えたら、もし俺がネコババしてれば、少なくとも7000円分は俺の幸せになった訳じゃん。だったら、そっちの方が善行なんじゃないのかって今日ずっと考えてて」
俺「考えすぎだろ~!」
ソウメイ「で、考えたんだけど、人間の善行は4種類に分類できるんじゃないかと」
俺「ほう、と言いますと」
ソウメイ「まず、もしも本当はやりたくないことでも、それを行うのが正しいと思っているから行う善行」
俺「えーと、それは例えば、やりたくない仕事だけど、俺がやらないとみんなが困るからやる、みたいな?」
ソウメイ「それはね、2つ目。2つ目の善行は、それを行わないと社会的に制裁が下るから行う善行」
俺「えーと、例えば、バスの中で席をゆずりたくないけど譲るみたいな?」
ソウメイ「それは3つ目。2つ目の善行って言うのは、例えばやりたくないけどやらないと非難を受けたりするから社会に貢献するとか、本当は殺したい奴だけど助けるとか、そう言う善行」
俺「あのさ、1つ目なんだっけ」
ソウメイ「1つ目は、やりたくないことでも、それを行うのが正しいと思っているから行う善行。で、2つ目は、やらないと社会的に制裁が下るから行う善行」
俺「で、3つ目は」
ソウメイ「3つ目は、本当はやりたくなくても、やらないとより大きいストレスを感じるから行う善行。さっきの席を譲るってのは、譲らないでいると逆に嫌な気分になったりするから行う善行だから、3つ目の善行。で、4つ目は、心からしたいと思って行う善行。で、よく考えてみたら、本当の善行は1つ目だけなんじゃないかって思えてきて。だって、2つ目と3つ目やらないと制裁があったりストレスを感じたりするから仕方なく行うだけだし、4つ目はただやりたいだけだし。だから、本当の善行は1つ目だけなんだよ。だって本当にやりたくなくても善行だからって理由だけでやるんだぜ!」
俺「ああ、なるほどね。でも、例えばバスで席を譲るとかは、人によってやらないといけないことだと思ってたり、本当にやりたいと思ってたりするから、善行の種類も変わるんじゃないか」
ソウメイ「そうなんだよ。人によって善行ってのは違うんだよ。で、俺が7000円を届けたのは」
俺「話戻ったな」
ソウメイ「よく考えたらただ何となくそうした方が善行っぽいからやったまでで、別に善行でも何でも無いんだ!」
俺「いやでも、届けた方が落とした人の為になるって思ったなら善行なんじゃないの?」
ソウメイ「いや、よく考えてみろ。たとえ俺がレジに7000円を届けたところでレジの人がその7000円をネコババするかもしれない。そうしたら落とした人の為になってないだろ。でも、もし仮に俺が7000円をネコババしたら、確実に俺の幸せの為になる」
俺「いやでも、それだったらレジの人がネコババしたら、レジの人の幸せが増えることにならないか」
ソウメイ「じゃあ、例えば俺が7000円をネコババしたことで得られる幸福を10とする。レジの人がネコババすることで得られる幸福を10とする。で、落としたに7000円が返って来た時の幸福を10とする。」
俺「話が無駄に複雑になってきたな」
ソウメイ「俺がレジに届けたからと言って何が起こるか分からないから、レジの人か落とした人の幸福が10増える保障は無い。でも俺がネコババすれば、確実に俺の幸福は10増える!ここで人類全体の幸福の総和を考えてみると」
俺「話が大きくなったな!」
ソウメイ「俺の幸福が10増えることで、人類全体の幸福が10増えることになる!」
俺「いや、でもネコババしたことでソウメイが後悔してストレスを感じたるかもしれないだろ」
ソウメイ「いや、感じないね」
俺「7000円ネコババできなかっただけでこんだけ悩むんだから、絶対悩むだろ」
ソウメイ「いや、悩まない!それどころか、気前が良くなって今日みんなにハーゲンダッツを2個ずつ買って来たりして、ここにいる全員の幸福が増えて、人類全体の幸福がもっと増えていたかもしれないだろ!ああ、人類の幸福のために7000円ネコババしとけば良かった!」
俺「もし今日7000円を見なかったら、こんなに悩まなかったのにな」
ソウメイ「そうだよ!あの時スーパーのカゴに7000円が入ってたばっかりに、こんなに悩むんだよ!」
俺「しかもカゴに7000円が入ってても入ってなくても、結果的にソウメイの所持金とか全然増えてないからな」
ソウメイ「そうなんだよ。それどころか、こんなに悩んだから寧ろ俺の幸福はマイナスだよ。しかも俺のこんな話に付き合わされたお前の幸せもマイナスで人類全体の幸福はマイナスだよ」
いや、かなり面白かったぞ!
予想外に長くなってしまったが、この会話、俺が書いた下手なコントより面白い気がする!
ソウメイ「今日来る前にスーパーに行ったら、カゴに7000円が入ってたんだけど」
俺「え、普通に7000円がぽんと入ってたの?」
ソウメイ「そう。で、届けようかネコババしようか散々悩んだ挙句、レジに届けたんだけど、今ではネコババしとけば良かったってすげー後悔してるんだよね」
俺「何でだよ。いいことしたじゃん」
ソウメイ「普通はそう思うんだよ。でも果たしてレジに届けることだけが本当の善行なのかって考えたら、もし俺がネコババしてれば、少なくとも7000円分は俺の幸せになった訳じゃん。だったら、そっちの方が善行なんじゃないのかって今日ずっと考えてて」
俺「考えすぎだろ~!」
ソウメイ「で、考えたんだけど、人間の善行は4種類に分類できるんじゃないかと」
俺「ほう、と言いますと」
ソウメイ「まず、もしも本当はやりたくないことでも、それを行うのが正しいと思っているから行う善行」
俺「えーと、それは例えば、やりたくない仕事だけど、俺がやらないとみんなが困るからやる、みたいな?」
ソウメイ「それはね、2つ目。2つ目の善行は、それを行わないと社会的に制裁が下るから行う善行」
俺「えーと、例えば、バスの中で席をゆずりたくないけど譲るみたいな?」
ソウメイ「それは3つ目。2つ目の善行って言うのは、例えばやりたくないけどやらないと非難を受けたりするから社会に貢献するとか、本当は殺したい奴だけど助けるとか、そう言う善行」
俺「あのさ、1つ目なんだっけ」
ソウメイ「1つ目は、やりたくないことでも、それを行うのが正しいと思っているから行う善行。で、2つ目は、やらないと社会的に制裁が下るから行う善行」
俺「で、3つ目は」
ソウメイ「3つ目は、本当はやりたくなくても、やらないとより大きいストレスを感じるから行う善行。さっきの席を譲るってのは、譲らないでいると逆に嫌な気分になったりするから行う善行だから、3つ目の善行。で、4つ目は、心からしたいと思って行う善行。で、よく考えてみたら、本当の善行は1つ目だけなんじゃないかって思えてきて。だって、2つ目と3つ目やらないと制裁があったりストレスを感じたりするから仕方なく行うだけだし、4つ目はただやりたいだけだし。だから、本当の善行は1つ目だけなんだよ。だって本当にやりたくなくても善行だからって理由だけでやるんだぜ!」
俺「ああ、なるほどね。でも、例えばバスで席を譲るとかは、人によってやらないといけないことだと思ってたり、本当にやりたいと思ってたりするから、善行の種類も変わるんじゃないか」
ソウメイ「そうなんだよ。人によって善行ってのは違うんだよ。で、俺が7000円を届けたのは」
俺「話戻ったな」
ソウメイ「よく考えたらただ何となくそうした方が善行っぽいからやったまでで、別に善行でも何でも無いんだ!」
俺「いやでも、届けた方が落とした人の為になるって思ったなら善行なんじゃないの?」
ソウメイ「いや、よく考えてみろ。たとえ俺がレジに7000円を届けたところでレジの人がその7000円をネコババするかもしれない。そうしたら落とした人の為になってないだろ。でも、もし仮に俺が7000円をネコババしたら、確実に俺の幸せの為になる」
俺「いやでも、それだったらレジの人がネコババしたら、レジの人の幸せが増えることにならないか」
ソウメイ「じゃあ、例えば俺が7000円をネコババしたことで得られる幸福を10とする。レジの人がネコババすることで得られる幸福を10とする。で、落としたに7000円が返って来た時の幸福を10とする。」
俺「話が無駄に複雑になってきたな」
ソウメイ「俺がレジに届けたからと言って何が起こるか分からないから、レジの人か落とした人の幸福が10増える保障は無い。でも俺がネコババすれば、確実に俺の幸福は10増える!ここで人類全体の幸福の総和を考えてみると」
俺「話が大きくなったな!」
ソウメイ「俺の幸福が10増えることで、人類全体の幸福が10増えることになる!」
俺「いや、でもネコババしたことでソウメイが後悔してストレスを感じたるかもしれないだろ」
ソウメイ「いや、感じないね」
俺「7000円ネコババできなかっただけでこんだけ悩むんだから、絶対悩むだろ」
ソウメイ「いや、悩まない!それどころか、気前が良くなって今日みんなにハーゲンダッツを2個ずつ買って来たりして、ここにいる全員の幸福が増えて、人類全体の幸福がもっと増えていたかもしれないだろ!ああ、人類の幸福のために7000円ネコババしとけば良かった!」
俺「もし今日7000円を見なかったら、こんなに悩まなかったのにな」
ソウメイ「そうだよ!あの時スーパーのカゴに7000円が入ってたばっかりに、こんなに悩むんだよ!」
俺「しかもカゴに7000円が入ってても入ってなくても、結果的にソウメイの所持金とか全然増えてないからな」
ソウメイ「そうなんだよ。それどころか、こんなに悩んだから寧ろ俺の幸福はマイナスだよ。しかも俺のこんな話に付き合わされたお前の幸せもマイナスで人類全体の幸福はマイナスだよ」
いや、かなり面白かったぞ!
予想外に長くなってしまったが、この会話、俺が書いた下手なコントより面白い気がする!
「拾ったお金は届けるべき」という考え方が一般的である以上、「ネコババするべき」という考えはマイノリティとして排斥されるのでしょうか…