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8/14(金)、イオンシネマ新潟西で「#ハンド全力」を観てきました。
新潟市内ではイオンシネマ新潟西での上映。
予告編はこちら。
熊本地震の被災者で復興住宅で暮らす、中学時代にハンドボールをやっていた高校生の少年が、何気なくハンドボールをやっていた時代の写真をインスタに投稿したら軽くバズってしまいます。
それがきっかけで友人と2人で「#ハンド全力」のハッシュタグとともに連日熊本からハンドボールの投稿をし続けたところ、全国から熊本復興の応援の言葉が届き、ちょっとした地元の有名人になってしまう。
そして、部員が1人だけの弱小男子ハンドボール部に呼ばれてしまい、さらにそこに便乗した奴が何だかんだ巻き込まれたりしつつ、色々あって色んな奴らが集まって本当にハンドボールのチームを結成してしまう。
こうして、最初はただのSNSの遊びに過ぎなかった「#ハンド全力」で集まった少年たちが、本当にハンドボール試合に出てしまう…という青春映画です。
何だかんだで集まったダメ男子達が一度はバラバラになるも最終的には団結して頑張るという、SNSという現代的な要素を入れつつも王道の青春映画なんですよね。
マイナースポーツものとしては「ウォーターボーイズ」が有名ですが、はっきり言って感動はそれ以上、本当に素晴らしい青春映画になっていたと思います。
男子よりしっかりしていてインターハイにも出場するレベルの女子ハンドボール部の存在や、男女の部員たちが最終的にともに協力し合っていく展開などにも爽やかな感動があり、男尊女卑女尊男卑的なものは一切存在しない。
無駄に恋愛要素も入れなくても、ストレートに感動的な青春映画を描くという、新しい時代の映画だと思いました。
基本的には、練習そっちのけでSNSばかりやってるバカな男子達のコメディなんだけど、たとえSNSでも頑張って続けることは間違っていないとか、バズって調子に乗ると炎上という危険もあるとか、SNSは毒にも薬にもなるということをしっかり描いているんですよね。
同時に、SNSを「悪」として[描くわけでは決してないんだけど、SNS以外の現実世界にも大切なものはちゃんとあるし、そこに目を向けることも大切だよ、という、SNSの描き方がすごく絶妙で、そういうところもすごくいい映画だと思いました。
松居大悟監督は「ワンダフルワールドエンド」でツイキャスやLINE、「私たちのハァハァ」でまとめサイトなんかを映画に登場させていたけど、今や当たり前の存在となったSNSをここまでしっかり表現した映画は「#ハンド全力」が初めてだった知れません。
やっぱりこの時代ならではの青春映画を撮らせたら最高の監督だと思います。
個人的にスポーツ青春ものはあまり観てこなかった人間なんですけど、それでも #ハンド全力 は泣いたんですよね。
熊本の震災復興、SNSの炎上、色んなテーマを内包しながらも、青春の素晴らしさを直球で表現した誰もが感動できる映画だと思います。
中でも、「どうにもならないことより、どうにかできることをしたい」って台詞がすごく好きでした。
僕はダメな奴、弱い奴が自分なりに精一杯頑張るような映画が大好きなのですが、まさにそういう映画だったし、自分も頑張って生きていこうと素直に思えました。
最後に、「#ハンド全力」の裏テーマとして、子役出身の役者に活躍してもらおうというのがある気がするんですよね。
主人公は加藤清史郎、鈴木福に志田未来もいるし、女子ハンド部の顧問は安達祐実ですからね。
安達祐実の台詞に「同情してほしいわけじゃない」みたいな台詞があるんですよね。
「家なき子」の「同情するなら金をくれ」を観ていた世代なら、思わずくすっとしてしまう台詞だと思います。