2/16(火)、シネ・ウインドで「ランブル 音楽界を揺るがしたインディアンたち」を観てきました。
予告編はこちら。
アメリカインディアンにルーツを持つミュージシャン達の歴史、彼らの音楽が世界に与えた影響の大きさを伝えるドキュメンタリー。
アメリカの歴史はインディアン(先住民族)への侵略と黒人の奴隷化の歴史だが、彼らが出会ったから生まれた音楽があり、その音楽が今も世界の音楽の歴史を作っていることが伝わる映画でした。
そもそも、ヨーロッパからのアメリカ入植者達の歴史は、アフリカの黒人の奴隷化と、先住民のインディアン達の侵略という、血塗られた歴史なわけだけど、黒人の音楽とインディアンの音楽が出会わなければ、ブルースもジャズもロックも生まれなかったという、音楽史的にはすごく大きな出会いなわけです。
その後、アメリカでは黒人同様にインディアンも差別と迫害の対象となり、彼らやその家族さえも最悪殺されるくらいの状況の中、身を隠しながら命がけで活動してきたミュージシャン達、そして音楽を愛する人達がいたことを、この映画を通して知りました。
そんな中、インディアンがルーツのリンク・レイの「ランブル」は爆発的にヒットし、アメリカに止まらず世界のミュージシャン達に大きな影響を与えたとのこと。
しかし若者に悪影響を与えるとして「ランブル」も放送禁止となるものの、それでもその影響力は凄まじく、この曲がなければパンクもメタルも生まれなかったと言われているということを知り、驚きました。
先週、同じくシネ・ウインドで、「ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった」を観たわけですが…
「伝説のバンドをの足跡を辿ったドキュメンタリー「ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった」観てきました。」
そこにも登場したザ・バンドのロビー・ロバートソンがインディアンの子孫として本作にも登場していて、2本の映画が繋がっているという面白さがありました。
アメリカの大自然で生きる中で生まれたインディアンの、記録にも残っていない音楽が、今もアメリカ音楽の中に生きていることに深く感動しましたね。
インディアンによるバンド、レッドボーンも登場し、彼らの「Come and Get Your Love」は大ヒットし、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のOPにも使われたんだけど、本作でもその映像が登場します。
アメリカの歴史は差別と迫害の歴史であると言えると思うけれど、それと同じくらい、その歴史の中を生き抜いてきた人々の想いが、音楽や映画などの文化の中に今も生きていると感じられる映画でした。