舞い上がる。

日々を笑い、日々を愛す。
ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

映画「春を告げる町」観てきました。

2020-05-18 22:07:25 | Weblog


5/18(月)、シネ・ウインドで「春を告げる町」を観てきました。





新潟市内では、シネ・ウインドで、5/16(土)~5/22(金)に上映していました。





予告編はこんな感じです。



福島の原発のすぐ近くにあり震災から少しずつ生活が戻りつつある広野町で暮らす様々な人々の生活を記録したドキュメンタリー。
人々の暮らしをすごく丁寧に撮っていて「阿賀に生きる」や想田和弘監督の観察映画にも匹敵する傑作ドキュメンタリーだと思いました。

震災をテーマにした演劇部、伝統のお祭りをしようとする行政の人達、原発作業員の人達…等々、それぞれ単独でドキュメンタリーが撮れそうなくらいどの人にも見応えがありました。
そして、そのどれもが、かつてここで震災があり、今もこうして暮らしている人達がいる、という事実をまっすぐに伝えていて、すごく価値のある映画だと思いました。

印象的だったのは、震災後に一度広野町を離れていたけれど、戻ってきたという女性の、「原発が見えてくると故郷に帰ってきたと思って安心するのよね」という言葉。
事故が発生し、日本の負の遺産というイメージになった原発だけれど、現地の人にとっては生活と密着した原風景の一部なんだなと、すごく考えさせられるものがありました。

それから、原発作業員の人達の宴会している場面も登場するんだけど、社会の被害者みたいなイメージでとらえてしまいがちな彼らだけど、それぞれの家族の話をしたりしてとても楽しそうにしているんですよね。
どんな状況下でも人間は人間らしい生き方ができるものだし、物事は一面的ではないと考えさせられました。

震災をテーマにした演劇を作る高校の演劇部が結構がっつり登場していて(プロの劇作家の谷賢一さんを特別講師として稽古に呼んでいて、マジでびっくりした)、この映画がそうであるように、彼らは演劇というやり方で震災後の今と向き合っているんだろうなと思いました。
復興とは何か?とか、色々考えさせられる映画でした。最後に震災を経験してない子供の映像で終わったのも印象的でした。
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