自民党が先の衆院選で圧勝。2017年4月からは、消費税率が10%になります。本欄でも、政府が税金を上げることに対して、「大きな政府はよくない」と批判してきましたが、そもそも「大きな政府」「小さな政府」とはどういう意味でしょう。それぞれのメリット、デメリットを比べながら、考えていきます。
大きな政府は、国民が楽できる?
まず、「大きな政府」とは、国民のさまざまな活動に介入する政府のことを言います。例えば、何か新しい建物をつくるときに、さまざまな規制を設けて自由な経済活動を阻んだり、「大学とはこういうものでなければいけない」などと許認可を増やして、政府の役割を大きくしていきます。
もちろん、集めた税金を使って、高齢者や病気の人々の福祉環境を充実させたりもします。しかし、多くの人々にお金をばら撒くためには、その分、多くの税金を、国民から集めなければいけません。
その結果、市場の自由競争が失われたり、民間企業や個人商店などの活力が奪われたりします。国民は「どうせ政府が面倒を見てくれるのなら、なるべく働かず、楽をしよう」と考えるようになります。
小さな政府は、国民が大変?
逆に、「小さな政府」の下では、政府の介入は必要最小限とされ、民間でできることは民間に任せていく流れになります。政府の邪魔が少ないので、新しいアイデアで起業したり、企業も個人も自由な発想で経済活動を進められます。
一方、税金が安くなる代わりに、老後の生活や病気への対応は、個人個人の責任となるので、「働かざる者、食うべからず」で、各人が一生懸命働かなくてはいけません。また、戦前に年金制度がなかったように、家族間や親戚間での助け合い・支え合いの精神を取り戻さなければなりません。
では、今後、日本政府はどちらの方向を目指すべきでしょうか。大川隆法・幸福の科学総裁は、新刊『智慧の法』で、次のように述べています。「『大きな政府』に頼るのではなく、各人一人ひとりが、人間としての質を上げなければなりません。(中略)『大きな政府』は、必ずと言ってよいほど、国民の堕落を招きます。これは歴史が証明していることです。大きなものに頼ろうとしすぎることは危険です」
大きな政府に文句を言えば消される
「大きな政府」の典型例は、旧ソ連です。あらゆるものを政府がコントロールするため、食料や日用品なども、いつどれぐらいつくるか、ということまで政府が決めます。食べ物も配給制で、国民はパン一つを買うためにも、長い列をつくらなければいけませんでした。
「それぐらい我慢できる」と言う人もいるかもしれませんが、怖いのはここからです。
あらゆる決定を政府が行う社会では、政府の上層部が私腹を肥やしていきます。また、政府の計画が失敗した時、それに不満を言ったり、命令に従わない人々は殺されます。旧ソ連では、密告が奨励され、自分の親を密告して表彰された少女もいました。もちろん、その親は収容所送りです。つまり、大きな政府の下では、国民の「自由」が奪われるだけでなく、国民の「生命」が政府に握られ、「恐怖政治」が行われるのです。
安倍政権は、増税やバラマキ政策などで大きな政府に向かおうとしていますが、今後、日本が発展していくために必要なのは、「小さな政府」です。それと並行して、国民自身も政府に頼るのでなく、創意工夫によって個人も社会も発展させていく努力をしなければいけません。(真)http://the-liberty.com/article.php?item_id=9013
【関連書籍】
幸福の科学出版 『智慧の法-心のダイヤモンドを輝かせよ』 大川隆法著
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1377
幸福の科学出版 『幸福実現革命-自由の風の吹かせ方』 大川隆法著
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=863
【関連記事】
2014年12月12日付本欄 幸福実現党が言う「自由」って、何?
http://the-liberty.com/article.php?item_id=8888
2014年11月17日付本欄 日本経済が不況へ突入 政府が国民を信頼しない国