羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

アルスラーン戦記 1

2015-04-08 20:52:41 | 日記
アンドラゴラス率いるパルス軍は強力な騎馬隊を駆使し、進行してきたルシタニア軍を駆逐した。
一方、王宮では11歳のアルスラーン王子がヴァフリーズに剣の手解きを受けていた。「はい、上! はい、下!」木剣を片手で持ち両手持ちのアルスラーンを軽々と圧倒しながら指導するヴァフリーズ。「わぁっ!」他愛なく吹っ飛ばされる華奢なアルスラーン。稽古後、侍女達に手足を拭いて貰いつつ、不満なアルスラーン。「忙しいなら毎日剣の稽古を等、つけてくれなくても」「立派な王にはなれませんぞ。剣の基本ができているだけでも、立ち居振舞いがしゃんとしてみえるものです」「分かっているけど」ヴァフリーズに諭されてもアルスラーンは納得がいかないようだった。
王宮のテラスに案内されてアルスラーン。眼下には多くの兵士達が集っていた。アルスラーンの登場に兵士達は姿勢を正した。テラスには凄い胸の王妃タハミーネが既におり「大義である。永遠なるパルスへの忠誠を期待します」言うだけ言うと王妃はさっさとその場を去り、無視されたアルスラーンは慌てた。「王妃様とアルスラーン殿下に敬礼!」整然と敬礼する兵士達に取り敢えず笑って片手を上げ、アルスラーンは王妃の後を追った。
「母上!」廊下でアルスラーンが呼び止めると王妃は振り返った。「父上のような立派な王になるために(剣の稽古を)励んではいるのですが、中々上達致しません。いつもヴァフリーズに」「そう」話の途中でそれだけ言って踵を返し、去って行く王妃。アルスラーンは王妃の後ろ姿を見送っていた。
気を取り直したアルスラーンがヴァフリーズと城内を歩いていると、二匹の鷹が宙を飛んでいた。
     2に続く

アルスラーン戦記 2

2015-04-08 20:52:31 | 日記
「アズライール! スルージー!」アルスラーンが呼ぶとアズライールが外套を巻いたアルスラーンの腕に止まった。スルージーは近くの水場に降りた。鷹の重さにひっくり返るアルスラーン。でも嬉しそう。「飼い主より先に殿下に挨拶とは」キシュワードが現れた。「獣や鳥は心を映す鏡。殿下の心の健やかさをこやつらは解っているのです」キシュワードはヴァフリーズに膝を着き、万全の戦果を報告した。
王都にアンドラゴラス王が凱旋した。パルス国民は歓声を上げた。悠々と進むパルスの英雄達! ルシタニアの奴隷も連れていた。アルスラーンはヴァフリーズに促されアンドラゴラスの前に進み出た。「父上、ご無事で何よりです」「負ける筈も無い」アンドラゴラスはアルスラーンに構わず、ヴァフリーズに「留守中の報告をせよ」と申し付け、去って行った。アルスラーンは取り残されるばかりだった。
後、共を僅か一人連れ、城下に出たアルスラーン。治安に難の有りそうな通りをずんずん進んで行き、従者を慌てさせた。アルスラーンはルシタニアの奴隷と話しをするつもりでいた。通りの一角の粗末牢にルシタニアの奴隷達がいた。奴隷商に抵抗しているようだ。「言うことを聞きやがれ!」棒で突かれても従わないルシタニア奴隷。奴隷商はアルスラーンに気が付くと慌てて畏まった。「殿下! このようなむさ苦しい所に」「この人達がルシタニア人の? こんにちは」無邪気に言って、牢に不用意に近付くアルスラーン。ルシタニア奴隷は牢から腕を伸ばし、アルスラーンの外套を掴んで引き寄せようとした! 「コラァッ!」奴隷商は即座に棒で奴隷の腕を払い、アルスラーンは難を逃れた。
     3に続く

アルスラーン戦記 3

2015-04-08 20:52:23 | 日記
「大丈夫ですか?」従者は引き下がったアルスラーンを受け止めた。それからどこへ向かうつもりだったのか? アルスラーンが従者と引き続き裏通りをプラプラ歩いていると、手前の通りが何やら騒がしい。「王子、お待ちを」若い従者は王子を置いて、通りの先の様子を見に行ってしまった。すると通りから、子供を突き飛ばしルシタニア奴隷の子供が飛び出し、さらに「てぃッ!」と従者の頭に壷をブチ当てて昏倒させた! 従者の剣を奪ったルシタニアの子は子供を人質に取った。「お主、そやつを離してやってはくれぬか?」無理筋を頼んでしまうアルスラーン。ルシタニアの子は不敵に笑った!
ルシタニアの子は左手でアルスラーンの外套の首の後ろ辺りを掴み、右手に奪った剣を抜き身で持って、パルス城下を走っていた! 城下の人々は戸惑った。たちまち大騒ぎになり、馬の世話をしていたダリューンの知るところとなった。
あちこち駆け回り、大捕物になった! 高層の建物から天幕に飛び降り! アルスラーンを連れ、まだまだ逃げるルシタニアの子! 「あれほどの人数で追ってくるとは貴様、坊っちゃんだな」アルスラーンの正体に気付かず、少し面白くなってきたルシタニアの子。しかし、建物の屋根づたいに逃げ、別の建物に飛び移ろうとすると突然キリンが頭をもたげ、真上にぶっ飛ばされてしまった! アルスラーンは両手でキリンの頭に掴まったが、ルシタニアの子は剣を持っている為片手でキリンの首に掴まり、支え切れず落ちそうになった! アルスラーンは思わずその手を取り、キリンは『何か頭に付いてる』と感じ頭を振り、二人は隣の建物に振り落とされた!
     4に続く

アルスラーン戦記 4

2015-04-08 20:52:13 | 日記
ルシタニアの子は未知の『キリン』に呆然としたが、アルスラーンと手を繋いだままだと気が付くとアルスラーンをその場に叩き伏せた! めげずに呑気にキリンに和むアルスラーンの耳をつねり上げ、ルシタニアの子は先を急いだ。
一息着き、パルスの繁栄ぶりに目を見張るルシタニアの子。パルスは交易の要所だった。「奴隷が多いようだが?」「奴隷の多さは国の豊かさの証。お主も何故逃げる。食べる物には困らんぞぉ」悪気無いアルスラーン。ルシタニアの貧しさを口にすると相手は怒った!「何だと!」「こんな子供が戦に出る程だから」「11歳だ! 立派な戦士だろうが。我らが神は人を平等に扱う。人は皆、平等だ! よって異教徒は差別し、殺してもいい!!」随分極端なルシタニアの子。アルスラーンは呆れた。「全ての人がイアルダボート神を信仰すれば争い等起こらない!」頑ななルシタニアの子、そして追っ手が迫っていた!
そんな中、王妃の元をアンドラゴラスが鎧を鳴らして訪れた。「鎧くらいお脱ぎになって」椅子に座ったアンドラゴラスは宝物を部屋に運び込ませた。「そこに置いておいて下さい」振り返らないタハミーネ王妃。「また来る」アンドラゴラスは出て行った。
「殿下!」ダリューンがアルスラーン達に追い付いた! ルシタニアの子は外壁の上辺に追い込まれていた。「ここまでか」ルシタニアの子はアルスラーンを掴んだまま、外壁の外へ飛び降りた!! 二人は外堀に落ちて行った! 直ぐに水面に顔を出す二人。ルシタニアの子はもうアルスラーンに構わず、岸から上がると馬を盗み、駆け出した! ダリューンは弓を引いた。凄い距離、動く標的だが明らかに射線を通している! 「ダリューン! 待て!」
     5に続く 

アルスラーン戦記 5

2015-04-08 20:52:06 | 日記
アルスラーンが駆け出し止めさせると、ダリューンは動揺し、矢は馬で駆け去るルシタニアの子から僅かに外れた! ルシタニアの子はそのまま駆け去って行った。騒動後、ダリューンはアルスラーンに問うた。「何故お止めになったのです?」「いや、つい」ダリューンは呆れた。「私が射ち損じたことにしておきます」王子に甘いダリューン。
アルスラーンは城下に戻りながら(あの者の話は王宮で教えられた物と違って面白かったな)とまるで懲りていない様子だったが、騒ぎと不服従が為にルシタニア奴隷が皆殺しにされ「ルシタニア人等、獣と同じです」と奴隷商に吐き捨てられる様にさすがに意気消沈とした。「素直に奴隷になっていれば、何故なんだ?」アルスラーンが問うと、ダリューンは「殿下、いつか御即位成されましたら登用して頂きたい我が友人がおります。その者なら、殿下の問いに答えられるかも知れません」と答えた。「この先、何十年間も父上の王位は揺るがぬだろう。お主の友人とやらには暫く会えそうにないな」アルスラーンは気楽に言って、城内に戻って行った。
それから3年後、隣国マルヤムを滅ぼしたルシタニアは再びパルスに攻め込み、14歳になったアルスラーンは初陣を飾ろうとしていた!!!
・・・また懐かしいけど、昔過ぎてあんまり覚えていないな。漫画は画で覚えているけど、活字で未完で随分読み返して無い、となると記憶がね。中高生くらいの時ちょっと流行った気がする。改編した漫画を原作にしているから余計ややこしいぜ、蛇王も錬金術で倒せそうだ。アレはそういう攻撃じゃ倒せない存在だっけか? 一部しか読んでないんだよねぇ。