一度アルスラーンの姿を認めてから、改めてダリューンに絵筆を差し向けたナルサス。「丁度筆が乗ってきたのによくも邪魔をしてくれたな、ダリューン」「おう、それは良いことをした。ガラクタの絵が世に出るのを阻止してやったぞ」軽口で答えるダリューン。「何をぅ!」ムッとしてみせたナルサス。旧友同士は少しの間、向かい合った。ダリューンはアルスラーンと共にナルサスに歩み寄った。「こちらは」紹介しようとしたダリューンを遮り、アルスラーンは自分で名乗り始めた。「ナルサス、アンドラゴラス王の子、アルスラーンだ。噂は聞いている」「今は隠者に過ぎませんよ。アルスラーン殿下」ナルサスは答えた。
アルスラーン達はナルサスの山荘に通された。「エラム、ご苦労だが、食事の用意をしてくれ」「はい」エラムが手早くと料理の支度を始めた。「大したもてなしもできませんが」ナルサスは絵具を片付け始めた。「世話になる」アルスラーンは中へ進み、噂のナルサスの画を見た!「ヘェぇッ?!」息を飲み凍り付くアルスラーン!「見てはなりませぬ」うんざり顔のダリューン。震えるアルスラーン!「これは、絵?」アルスラーンが混乱しているとナルサスが振り返った。「どうなさいました?」慌てるアルスラーン。「ふわぁッ! よ、凄い物を、おわッ?!」後退りつまずいて転んでしまった!「殿下!」すかさず助け起こそうするダリューンだった。
エラムの作る料理が揃った。ランプの灯る食卓は低く、アルスラーン達は胡座をかいてそれを囲んだ。串焼きやシチュー、薄切りのパン等の素朴な物だった。「さあどうぞ、温かい内にお召し上がり下さい」ナルサスに促され、アルスラーン達は食事を始めた。「旨い!」エラムが鋭く見詰める中、アルスラーンはシチューに感動した。
2に続く
アルスラーン達はナルサスの山荘に通された。「エラム、ご苦労だが、食事の用意をしてくれ」「はい」エラムが手早くと料理の支度を始めた。「大したもてなしもできませんが」ナルサスは絵具を片付け始めた。「世話になる」アルスラーンは中へ進み、噂のナルサスの画を見た!「ヘェぇッ?!」息を飲み凍り付くアルスラーン!「見てはなりませぬ」うんざり顔のダリューン。震えるアルスラーン!「これは、絵?」アルスラーンが混乱しているとナルサスが振り返った。「どうなさいました?」慌てるアルスラーン。「ふわぁッ! よ、凄い物を、おわッ?!」後退りつまずいて転んでしまった!「殿下!」すかさず助け起こそうするダリューンだった。
エラムの作る料理が揃った。ランプの灯る食卓は低く、アルスラーン達は胡座をかいてそれを囲んだ。串焼きやシチュー、薄切りのパン等の素朴な物だった。「さあどうぞ、温かい内にお召し上がり下さい」ナルサスに促され、アルスラーン達は食事を始めた。「旨い!」エラムが鋭く見詰める中、アルスラーンはシチューに感動した。
2に続く