羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

ジョジョの奇妙な冒険~スターダストクルセイダース~ 1

2015-04-18 19:57:09 | 日記
エジプトの街に夕日が落ちる。ジョセフは懐中時計で時間を確認した。「日が暮れるぞ?」「三時間ありゃあ、DIOの館が突き止められると豪語した物乞い、どうやら見付けられなかったようだな」ポルナレフもボヤいた。「見付けられなかったら、それでいいのかも知れない」考え込んでいたアヴドゥルが言い出した。「ああ?」「ひょっとして、見付けたからこそ帰って来ないとしたら? 館に近付く者を阻止するスタンド使いがいてもおかしくない。頼んだのは、危険過ぎたかも知れない」「おいおい」ポルナレフは動揺した。
街中を通る夕日に染まったナイル川の底にイギーはザ・フールで砂のドームを作り潜んでいた。呼吸は二本の砂の管を使っている。「ウゲッ! むぐぐッ!!」イギーは左前足を失い、苦しんでいた。「俺の足が、棄てなければ殺られていた! しばらく隠れていよう。この足はスピードワゴン財団に義足を作ってもらうとして、あの鳥公! 許さんからな! 借りは返してやるぜチクショー!」その時、何かが鋭く川に落ちる音が響いた!「この音?! まさか、ハァハァ、水中を進んで来るぞ? 馬鹿な! 信じたくないが、突進してくるこの音は!」ドゴォンッ!!! ドームに氷柱が突き立てられた!「おおうッ?!」氷柱の周囲から水が染み出る! 氷の向こうにはペットショップ!!「クケェェッ!」笑ってる!「鳥野郎!」水はどんどん染み出す! 屈み込んで様子を見るイギーだったが、やや間が開いた。「ハァハァ、あの野郎、どこ行きやがった?」既に消耗しているイギー。何かが三つドームに突進する音!「来る! 奴の氷だ! 三発、ぐぅぅ」音でタイミングを待つ、イギー! ギリギリまで引き寄せるとザ・フールで弾いた!
     2に続く

ジョジョの奇妙な冒険~スターダストクルセイダース~ 2

2015-04-18 19:56:56 | 日記
今度は6発! 直進する音!「でぃぅッ!!」水中でザ・フールの腕を自在に扱い、6発全てを弾き! 内、3発をドームに『突進しない』音に飛ばすイギー!! 「弾き飛ばしたぜ!」一発が『それ』を貫く音!『それ』は何処かへ流れて行った!「や、やったぜ。ざまーみろ! ハァハァ」また間が開いたが、最初にドームに刺さった氷柱の周囲が突然凍り出した!
「んあッ?! 何だ一体?」ドームが圧迫されてゆく!「周りの水を凍らせているッ!!」ドームは更に圧迫され、空気の管も切断された!「潰す気だ!」ドームの維持が困難な程圧迫は強まる!「ダメだ! 水中に隠れるつもりが逆に追い詰められるとは!」イギーは残った右手で地面を掘り始めた!「くぅぅ、何て日だッ!! 前足は切断されるし、強過ぎる、あの鳥はよォォッ!!!」イギーは怪我した左手まで使って穴を掘り地中に逃れてゆく、結構な勢い!
と、掘った先が空洞になっており、右手が先に突き抜けてしまった!「え?」空洞の暗がりを見詰めるイギー。その先には、ペットショップッ!!「(犬語で)ぬぅぐえェェッ?!! 鳥公だァァッ!!!」絶叫するイギーに向かい大口を開け、口の中で氷柱を作り始めるペットショップ!!「ヤバい!」細い穴の中、スタンドは後方でドームの維持に使い、回避も防御も不可能ッ!!「これをやるしか無い。やらなきゃ殺られるッ!!」イギーはホルス神の『圧』を受けていたザ・フールを解除! ドームが押し潰されるとそれは空気の『圧』に変わり、掘った穴を伝ってイギーをペットショップに向かって撃ち出した!「グァアアァッ!!!」牙を剥き出しペットショップに襲い掛かるイギー! 氷柱を射とうとした嘴に被さるようにして噛み付いた!!!!
     3に続く

ジョジョの奇妙な冒険~スターダストクルセイダース~ 3

2015-04-18 19:56:45 | 日記
「ガウゥッ!!!」噛み付いたまま離さないイギー! ペットショップは嘴を塞がれ、口の中でスタンド氷柱がパンク寸前!! ビキビキィッ! 嘴が、噛み砕かれた!! ドォオンッ!!! ペットショップの頭部は炸裂した!!!
爆発の勢いでイギーは掘った穴から回転する玉のようになって吹き出され、そのままナイル川の水面に顔を出した!「ブハァッ! 鳥公め、ざまーみろ。ハァハァ、ぐぅ」夕日を見上げるイギー。力無い。「ダメだ。泳ぐ、気力も、無いぜ」イギーは沈んで行った。(何のトラブルも無い、人生を送るはずだったのに)ニューヨーク時代を思い出すイギー。野良犬の王だったイギー。並みの人には決して捕まらなかったが、ある日アヴドゥルとジョセフが現れた。ザ・フールでマジシャンズレッドに対抗したイギー。敗れ、ケージに入れられたイギーにアブドゥルはコーヒー味のガムを差し出した。
(チクショー、ミスったぜ)エジプトでジョセフ達と旅を始めたイギー。鬼強かった承太郎。アホなポルナレフ。見知らぬ街。間抜けなジョセフ。やはりアホなポルナレフ。成り行きだが、付いていくことにはしていたイギー。意識は暗転して行った。「何てこった! あの鳥にヤられたんだね!」人間の声がする。温かい、息ができる、抱えられている。「大丈夫だ。死んじゃダメだよ!」昼間、助けた子供だった。
翌日、ポルナレフ達はエジプトの街を歩いていた。「イギーの奴、何処に行ったんだぁ?」「これだけ姿が見えないとなると心配じゃ」「あのアホ犬め!」と言いつつ周囲を見回すポルナレフ。ここで承太郎は何かに気が付き振り返った。「どうした承太郎?」後方を見詰める承太郎。
     4に続く

ジョジョの奇妙な冒険~スターダストクルセイダース~ 4

2015-04-18 19:56:25 | 日記
「やはり誰か付けてくるのか?」アヴドゥルは警戒した。「何者かが俺達を呼んだような声がした」「声?」ジョセフは訝しんだ。通りの向こうの物陰から、片足のイギーが現れた!「い、イギー!」激しく動揺するアヴドゥル! 息も絶え絶え寄ってくるイギー!「イギー!!」ポルナレフは駆け寄った!「これは?」アヴドゥル達も駆け寄った。「怪我をしているぞ?!」驚くジョセフ。「敵に襲われたな、イギー!」アヴドゥルは断定した。イギーを抱えるジョセフ。「イギーは敵と遭遇したようです」後ろから一人の緑色の学生服の男が話し掛けてきた!「死にかけて、少年に連れられているのを発見し、手当てしてのはスピードワゴン財団の医師です。僕の目と、同じように」男はサングラスを外し、微笑んだ。「花京院ッ!!」花京院に駆け寄るポルナレフとアヴドゥル。「もう目はいいのか?」「皆は、御無事で」「会いたかったぞ!」ジョセフと承太郎も歩み寄った。「承太郎」「うん」花京院と承太郎は握手した。
一同が再会を喜んでいると、イギーは表情を変えジョセフの腕から飛び降りた。「おい、イギー」「何処かへ案内したいようです。かなり、痛め付けられて、怒っているようです」急にイギーの通訳を始めた花京院、どうした?「何処へ連れて行こうというんだ?」「おい、イギー!」ジョセフとポルナレフが後を追い、承太郎達も続いた。
途中でペットショップに殺された物乞いの車が牽引されて行くのを目撃し、アヴドゥルは後悔したが、イギーは止まらず、一同は進んだ。やがて、イギーの向かう先から異様な気配が漂い始めた!「おい、何だ?」冷や汗をかくポルナレフ。「ワシにはもう、分かった。このドス黒い感覚はッ!!」戦慄するジョセフ!
     5に続く 

ジョジョの奇妙は冒険~スターダストクルセイダース~ 5

2015-04-18 19:55:44 | 日記
一同はとうとうたどり着いてしまった。「こ、この館はッ!」おののくアヴドゥル!「写真の!」承太郎もびっくり!「イギー、おめーがここを見付けるとは!」イギーの手柄に注目するポルナレフ! 喋らない、花京院ッ!!
DIOの館は異様な気配を放っていた!「つまり、ここでDIOを倒せば、全て丸く収まるって訳だ」承太郎は殺る気だ!「居る! この感覚は間違いなく奴だ! 覚悟はいいな!」気合いを入れるジョセフ!(門の扉が開いている。昨日は閉じていたのに!)イギーは警戒した!
ジョセフを先頭に開いた門から前庭に入る一同!「ワシに奴の存在がわかるように、奴の方もワシにの到着に気が付いている」構えていると、館の扉が開いた! 驚く一同! 中の様子を見るポルナレフ。「おい、見ろよ、この廊下、終わりが見えねーぜ」館の廊下は何処までも続いていた! ジョセフが不用意に飛び込まないようポルナレフに忠告していると、廊下の向こうから少し宙に浮いた奇妙な男が滑るようにこちらに向かって来る! しかし、遅い! やたらゆっくり来る奇妙な男!「何だコイツは?!」律儀に驚き、目の前まで来るまで待つポルナレフと一同!
奇妙な男は頭を下げた。「ようこそ、ジョースター様。お待ちしておりました。私はこの館の執事です」この執事、どうも見たことある顔だぁッ!!!
・・・ちょっと尺が余ったようだ。静画が動画になると、アクションはサクッと進んでまう。ペットショップは近付かなければ勝てたろうけど、スタンドは性格そのものだろうから、何がどうでも、奴はあの状況ではああいうことする奴なんだろうね。