青柳商店に戻って滝子や君子達に採用を報告する常子。「寝込んでばかりいないで、働かないとね」そう言う髪を下ろした滝子は再生不良性貧血を患い、寝込みがちになっていた。「お加減いかがですか?」主に看病は君子がしていた。報告の後で姉妹だけになると「よっちゃん、心配かけちゃだめよ?」「それはこっちの台詞です」等と軽く美子と掛け合いをしていた常子だが、ふと思い付いて作家を目指す鞠子に出版社の人を紹介すると言い出した。「ありがとう。でも落ち着いてからでいいわ」歯切れ悪く断る鞠子。
出版社で谷に仕事を教わる常子。「特に挿し絵は重要だ」力説する谷。編集会議では常子が黙って控えを取り、お茶汲みをしようとすると五反田は困惑し、谷は「今は会議中だぞ? 雑誌の内容を考える時間だ。小橋君は、何かないのか? 君の意見はないのか?」「私の意見、ですか?」意見を求められたことに驚き、常子はすっかり舞い上がった。
帰宅して滝子や君子達に興奮して意見を振られたことを話す常子だったが、肝心の企画は思い付いていなかった。「人の役に立つものがいいんじゃないかい?」自分はそういう思いで働いてきたと話す滝子。「はい、そう思います」素直に同意した常子だったが、その案を具体的な企画にするのには引き続き苦戦していた。一方、鞠子は木戸に卒業後は工場に勤めるつもりでいることを打ち明けていた。「仕事が終わったら、毎日書き続けるつもりです」これに木戸は納得せず「僕は文学の道を突き進むよ」と去って行った。また経営難の青柳商店は隈井と職人一人を残すのみとなり、清も悩んでいた。
街が過剰に自粛が求められる雰囲気になる中、常子の元に名古屋に嫁いでいた綾から手紙が届いた。女学校時代を懐かしむ文面ながら夫が戦地に赴任したという綾に、常子は改めて時代不穏さを感じていた。
・・・中々木戸みたいにはいかんもんね。
出版社で谷に仕事を教わる常子。「特に挿し絵は重要だ」力説する谷。編集会議では常子が黙って控えを取り、お茶汲みをしようとすると五反田は困惑し、谷は「今は会議中だぞ? 雑誌の内容を考える時間だ。小橋君は、何かないのか? 君の意見はないのか?」「私の意見、ですか?」意見を求められたことに驚き、常子はすっかり舞い上がった。
帰宅して滝子や君子達に興奮して意見を振られたことを話す常子だったが、肝心の企画は思い付いていなかった。「人の役に立つものがいいんじゃないかい?」自分はそういう思いで働いてきたと話す滝子。「はい、そう思います」素直に同意した常子だったが、その案を具体的な企画にするのには引き続き苦戦していた。一方、鞠子は木戸に卒業後は工場に勤めるつもりでいることを打ち明けていた。「仕事が終わったら、毎日書き続けるつもりです」これに木戸は納得せず「僕は文学の道を突き進むよ」と去って行った。また経営難の青柳商店は隈井と職人一人を残すのみとなり、清も悩んでいた。
街が過剰に自粛が求められる雰囲気になる中、常子の元に名古屋に嫁いでいた綾から手紙が届いた。女学校時代を懐かしむ文面ながら夫が戦地に赴任したという綾に、常子は改めて時代不穏さを感じていた。
・・・中々木戸みたいにはいかんもんね。