霞の中に潜んでいた蒼雀(あおじ)が砲弾のように突撃してきた。
「なッ?!」
蒼雀は旋回してヤロカ火の腹を突き抜け、上半身と下半身に胴を二つに千切り跳ばした。
「んげッ?!! ぐぅうううッ!!!」
ヤロカ火は中空で強引に羽ばたいて体勢を立て直し、上半身だけで霞の壁の向こうの下水通路の先へと飛び去って行った。
「あらぁ~、仕止め損なったわぁ」
火球の雨を凌ぎ終えた聡の傍に降り立ちながら残念がる蒼雀。
「まあ、いいさ」
聡は通路に落ちてもモゾモゾと蠢き、『一体』である事を保てなくなり下等な群体に形態を変えようとしているヤロカ火の下半身に光る剣を投げ刺して滅した。合わせて霞の壁も霧散してゆく。
「後は野間に働いてもらおう」
言いながら、どこからともなく人形を二十数枚取り出し、聡は宙に放った。人形一枚から七~八匹のデフォルメされた蜻蛉が現れ、傷付いたヤロカ火の上半身が逃れた方へと一斉に飛び去って行った。
「問題は最後の仕上げだよな」
そう言って面を取り、聡はため息をついた。
「なッ?!」
蒼雀は旋回してヤロカ火の腹を突き抜け、上半身と下半身に胴を二つに千切り跳ばした。
「んげッ?!! ぐぅうううッ!!!」
ヤロカ火は中空で強引に羽ばたいて体勢を立て直し、上半身だけで霞の壁の向こうの下水通路の先へと飛び去って行った。
「あらぁ~、仕止め損なったわぁ」
火球の雨を凌ぎ終えた聡の傍に降り立ちながら残念がる蒼雀。
「まあ、いいさ」
聡は通路に落ちてもモゾモゾと蠢き、『一体』である事を保てなくなり下等な群体に形態を変えようとしているヤロカ火の下半身に光る剣を投げ刺して滅した。合わせて霞の壁も霧散してゆく。
「後は野間に働いてもらおう」
言いながら、どこからともなく人形を二十数枚取り出し、聡は宙に放った。人形一枚から七~八匹のデフォルメされた蜻蛉が現れ、傷付いたヤロカ火の上半身が逃れた方へと一斉に飛び去って行った。
「問題は最後の仕上げだよな」
そう言って面を取り、聡はため息をついた。