昭和16年12月8日の朝、青柳商店では常子達が揃って朝食を食べようとしているとラジオで西太平洋で米英と戦闘に入ったと報じられた。「アメリカやイギリスとも戦争が始まるの?」常子は思わず呟いた。太平洋戦争が始まった。
明けた4月、日本本土への空襲が始まっていた。甲東出版では検閲が厳しくなり、常子達は対応に追われていた。五反田は常子が赤字を入れた戦意高揚ばかりなった原稿にうんざりとした顔をして、常子を戸惑わせた。「読者もつまらんだろうと思ってさ」雑誌に使用する紙も粗悪な物に変わり、選択の余地はなかった。
「長い間、お世話になりました」青柳商店の最後の職人が去ってゆくのを見送る隈井はかつての木場の賑わいを思い起こさざるを得なかった。早めに帰宅した清は滝子部屋を訪ねた。君子、隈井も同席していた。「私は情けない男です」切り出した清は陸軍から木場の業者は廃業するか陸軍の下請けになるか選らぶよう迫ることになる見通しを打ち明け、自分ではなく滝子に判断を仰いできた。「何があってもこの青柳っ、潰すワケにはいかねぇんだっ!」思わず声を荒げる隈井。滝子も廃業する気はなく、下請けを選んだ。
滝子の判断を常子が心配し、美子が約束通り滝子の浴衣を縫う中、本人には知らされないまま滝子の容態は悪化していた。臥したまま自分の病状を察した様子の滝子は、君子が寺で母の回復を願っていると身なりを整えて、ふらりと現れた。「お母様?!」駆け寄る君子。「懐かしくてねぇ」幼い君子を守ると言ったが今はもうろくしてそれも叶わない等と君子に話し、小雨の中、二人で寄り添って帰っていった。
そうして帰宅した滝子を待っていた隈井は、沈痛な面持ちで組合からの知らせで工場に近い立地を陸軍に目を付けられ、青柳の廃業後に建物を事務所として借りいれる命が下ったことを伝えるのだった。
・・・空襲の直接的描写はどのタイミングでかはあるのかな?
明けた4月、日本本土への空襲が始まっていた。甲東出版では検閲が厳しくなり、常子達は対応に追われていた。五反田は常子が赤字を入れた戦意高揚ばかりなった原稿にうんざりとした顔をして、常子を戸惑わせた。「読者もつまらんだろうと思ってさ」雑誌に使用する紙も粗悪な物に変わり、選択の余地はなかった。
「長い間、お世話になりました」青柳商店の最後の職人が去ってゆくのを見送る隈井はかつての木場の賑わいを思い起こさざるを得なかった。早めに帰宅した清は滝子部屋を訪ねた。君子、隈井も同席していた。「私は情けない男です」切り出した清は陸軍から木場の業者は廃業するか陸軍の下請けになるか選らぶよう迫ることになる見通しを打ち明け、自分ではなく滝子に判断を仰いできた。「何があってもこの青柳っ、潰すワケにはいかねぇんだっ!」思わず声を荒げる隈井。滝子も廃業する気はなく、下請けを選んだ。
滝子の判断を常子が心配し、美子が約束通り滝子の浴衣を縫う中、本人には知らされないまま滝子の容態は悪化していた。臥したまま自分の病状を察した様子の滝子は、君子が寺で母の回復を願っていると身なりを整えて、ふらりと現れた。「お母様?!」駆け寄る君子。「懐かしくてねぇ」幼い君子を守ると言ったが今はもうろくしてそれも叶わない等と君子に話し、小雨の中、二人で寄り添って帰っていった。
そうして帰宅した滝子を待っていた隈井は、沈痛な面持ちで組合からの知らせで工場に近い立地を陸軍に目を付けられ、青柳の廃業後に建物を事務所として借りいれる命が下ったことを伝えるのだった。
・・・空襲の直接的描写はどのタイミングでかはあるのかな?