前編の続き。薪は冬場にダルマストーブに使う。残念ながら薪窯ではない(笑)。
ダルマストーブの話は時々書いているが、よく読まれているのはこちら。
この話で最初の写真、ストーブの上に載っているのが灰である。
ダルマストーブで使うのは焚き付けに落ち葉、段ボール。そしてメインの薪。
DIYで残った杉、桧も使うが、合板は接着剤が質・量とも強く入っているので燃やさない。
灰はざっと燃え残りなどを取り除く。それを水を入れたポリバケツに入れて灰汁(アク)抜きをする。
灰汁は強アルカリなので素手では触らない。かなりヤバイ。写真は1回目の灰汁を抜いたところ。
こちらは2回目の方。この作業を灰の水簸(すいひ)と言う。
数回水を換えた後、吸いガメに入れて乾燥させる。水を吸った灰はなかなか乾かない。
で、冒頭の写真のようにストーブでカメごと温めて水分を飛ばしていた訳である。
時間が掛かる、かなり面倒な仕事である。そこでふと思った。水簸しなくても良いんじゃない⁉(笑)。
シビアな作品でなければ灰汁あったほうが味が出るかもと考え篩(ふるい)だけにした。
灰がかなり舞うので工場用マスク、保護メガネ、背中側から軽く扇風機(笑)。
出来上がったのがこちら。ふわふわである。
雑木を燃やしてできた灰を陶芸では土灰(どばい)と言う。土の灰ではない(笑)。
これが釉薬の原料のひとつとなる。
この灰と長石を調合する。長石と言っても平津、福島、釜戸と色々ある。微妙に成分が異なる。
余談だが、この木箱、京都の試験場から回り回って来たもので、
時代からするとあの河井寛次郎が使っていたかもと思われる。😁
これを白い土の湯飲みに掛けて焼成する。
轆轤目に釉薬がたまり変化がある。
中。釉薬がたまったところに深いけど透き通った緑。使っているのでちょっと茶渋が(笑)。
ひっくり返して。ぎりのところで止まった釉溜まりが愛らしいかな(笑)。
この色合い、好みである。この雰囲気が好きな人も周りに多い。
値段にもよるが売れそうである(笑)。
この釉薬を灰釉(かいゆう)と言う。灰は木によって、育った環境によって少しずつ違う。
調合をはじめ、土や焼成方法でも焼き上がりは変わってくる。
いろいろ試行錯誤して自分のイメージする色合いに焼き上げていくのである。
灰は、たまに蕨(わらび)の灰汁抜きにも使う(笑)。
でわ。また。😀