今回、テン泊の中で槍の肩が一番標高が高い。と言うより全国のテン場で一番標高が高いらしい。😲
道理で、他の2つとは朝の冷え込みが違うわけである。
基本的に1000m 標高が上がると6℃気温が下がる。そこに風速1mで体感温度が1度下がる。
瀬戸市の標高を分かりやすく100mとして、最高気温37℃の時、槍の肩では19.6℃と半分近い気温である。
それは昼間の話で、朝の冷え込みは12~13℃ぐらいとなり、風速2mぐらいの風が吹くと体感10℃となる。
薄手のダウンかフリースが必要になる。それでも中にはテン場で半ズボンの強者もいる(笑)。
3日目の朝、5時前。
今日も日の出を見よう(笑)。人が集まってくる。
~ 月は西に 日は東に ~
この日は満月で西に、東に天体を楽しめた。実は珍しいかもしれない状況なのだ。
蕪村の有名な句『菜の花や 月は東に 日は西に』の月も満月である。
地球を挟んで月と太陽が、ほぼ一直線に並んでいるので両方見られる。そして月は太陽の光を受けるので当然満月となる。
天気も晴れて両方を見られるのは1年のうちに何度あるか、なんとラッキーな! 月を見て。
日の出を待つ。
再び月。笠ヶ岳と満月。
忙しい(笑)けどキレイ!月の趣を感じるのは日本人だからか⁉
奥に目を向けると、富士山。
標高3776m、日本一!
4時51分、日の出だ。
一斉にシャッターが切られている。
ここで一句、『槍ヶ岳 月は西方 日は昇り 森羅の峯よ 岳人ここに』 😁
だいぶ日が昇った。そろそろ下山だ。
今日は上高地まで一気に下りる。ざっと20㎞。下りとはいえ長い。😅
7時、下山開始。
下り始めてすぐにお花。ミヤマオダマキは初めて見るかな?ピントが葉っぱに(笑)。
どこかのワンゲルか登山部の若者たち。いいね~、がんば!
ちなみにワンゲル(ワンダーフォーゲル)はドイツ語。
登山だけではなく幅広く自然に親しむ活動で、その精神は「仲間と協力して自力にこだわったアウトドア活動を行う」だそう。
昨日、雨に降られた大喰岳を見上げる。
眼下に広がる景色。山夏の朝!
振り向くと槍、ここはカールの中。数万年前、氷河の流れの跡にいることに思いを馳せて。
またいつの日か。
今から200年ほど前の文政11年(1828)7月20日。播隆上人(ばんりゅうしょうにん)が槍ヶ岳を開山。
この岩の奥に籠って、晴れたら山頂で念仏を唱えていたとか。最初に山を開く、登山道を作るとは凄いなといつも思う。
この道を通るのは初めてだ。下りていくと沢が現れた。長距離に備えて、山小屋で水を買ったのに・・・。😂
冷たくて美味い!
傍らに咲く花は、アブラナそっくり。ヤマガラシまたは、ミヤマガラシと言う。
天ぷらやおひたしにすると美味しいらしいが、ここでは採取できない(笑)。
国立・国定公園の特別地域では、自然公園法第20条第3項第11号において、高山植物その他の植物で環境大臣が指定するもの(以下、「指定植物」という)を採取し、又は損傷する事が規制されています。(環境省)
台湾人グループ、日傘をさして歩く女性たち。意外に早く歩くのでなかなかのバランス力。
今度は韓国人グループの声。『rainbow! rainbow!』と聞こえる⁉
見上げると、日輪だ。日暈(ひがさ、にちうん)とも言い、英語だとhalo(ヘイロウ)と発音するが日本ではハロとなっている(笑)。
この気象現象は、天候が崩れる前兆。薄い雲が太陽の周りに見られる。下山まで持ってくれるかな。
葉っぱで判断して、カラマツソウ。花に見える白い糸状のところは花糸(かし)と言って雄しべなのだ。😲
馬場平テント場。標高的にはかなり下りてきたが、上高地まではまだまだ遠い。😅
センジュガンピかな。
赤沢岩小屋、槍沢ロッジを過ぎると沢が広くなり渓谷がキレイ。
ヤマホタルブクロ⁉ 愛らしい姿。
休憩入れながら横尾山荘に11時40分着。コースタイムより10分ほど早く着いた。
標高でなく距離は、まだ残り半分ある。ここではあまりゆっくりしないで徳沢を目指す。
あとは林道歩き。右側に沢と言うより川が流れ、左側は深い森である。
ふと、気配を感じる。
なんだ?なんだ?動物らしいけど。
あっ!ニホンアナグマ!
野生を初めて見た。樹木のウロに入ったり出たり、地面に鼻を付けて何か食べ物を探しているようだ。
林道のすぐそばで見られてラッキーだった。ずんぐりむっくりが可愛らしい。😍
徳沢に到着。ここまでくれば一安心。お腹すいたのでカレーとアイスクリームを頂く。ビールはお預け(笑)。
さあ、上高地のバスターミナル目指してもうひと歩き。
ここの池は湧き水が出ているので、いつ見ても透き通り濁りがない。
明神岳。
梓川に流れ込む支流の景観。
ここは早朝、朝もやが立ち幻想的になる。
曇ってきた。やはりハロ(日輪)の気象予報は正しい。😎
河童橋。登山者より観光客の方がたくさん。
バスターミナルに着いて、下山完了。
距離20.5㎞、累積標高の下り1820mあまり、歩いた時間7時間25分。
上高地の標高は、1500mもあるのに3000mから降りて来ると暑い!(笑)。
バスは臨時便が頻繁に出ていて、沢渡(さわんど)までほどなく到着。
そして、バス、電車でさらに移動することを考えれば、ここにマイカーが回送されていることのなんと有難いことか。
費用は掛かるが、ザックを下し。ライダーハウスにある簡易な天然温泉風呂で汗を流せた。仕合せ~😆
3泊4日の山旅は充実したものになった。
テン泊の重さはあるが、時間も空間もマイペース。テン泊派の気持ちが良く分かる。
天候が荒れるとそうは言ってられないだろうが(笑)。
次の山旅は、いずこへ・・・。
エピローグはプロローグで。😁
💖
風景かいいし、ひとりマイペースで山を楽しまれる様子が伝わってきました。
じっくり拝見しました。
憧れます。
いつか同じルートでテント縦走してみたいです。
せっかく3000mにいるならゆっくりしたい派なので、のんびりでした。
ゲンゴロウさんなら、1日で走破できると思いますけど(笑)。
連休があまりなく泊まりができないのでゆっくり日の出を見れるテントに憧れています🤩
重いでしょうけど…山時間が流れてるような気がして素敵だなーって。
同じルートを味わって二度目表銀座歩きたいなと思いました😌
アヤメさんの健脚ぶりに驚きです。😮
山旅のテン泊もいいですよ~重さはありますが(笑)。
機会があればぜひ!