4日目の朝である。
夜から早朝にかけて冷え込んだ。朝、起きると肌寒い。
お湯を沸かしてスティックのカフェオレを淹れる。温かさにホッとする。😊
朝食はシリアルと行動食で済ませる。
今日は早出必須。結露でびしょ濡れのフライシートを大雑把にタオルで拭いてビニール袋に押し込む。
テントの設営と撤収が早くなりたいものだ。まだ雨天時の経験はないけど悪天候に必要な技術だ。
ザックを背負ったのが6時6分、予定通りだ。
最後にトイレによってさあ出発だ。
木道に上がった次の瞬間、『滑る!!』なんと霜が降りている。
あの下って来た木道がツルツルである。
これはヤバい!こんなところでコケて怪我でもしようなら下山できない。
凹凹になっているところに登山靴のゴムを効かせて一歩一歩慎重に登ってゆく。
なんとか分岐まで登りきったところで、一息つく。
あとから登ってきた女性が、開口一番『滑りませんでした?』。『かなりヤバかったですね~💦』
この会話、山荘からこちら側に向かってくる人とすれ違うたびに何度か繰り返される(笑)。
前日までとは全く違う冷え込みだった。一気に秋が深まった感じである。
山荘の横を抜けて、雲ノ平中央を行く。太陽を背にしているので振り返り朝日を浴びる。
あれは、笠ヶ岳か!すると手前の山が黒部五郎岳だな。
チングルマの綿毛が光って綺麗だが、写真にとるとフレア(画面にカブリやムラが出る現象)気味。
工夫して撮ってみるが、スマホでは限界ね。😅
ハイマツと岩と山並みの雰囲気に、奥日本庭園と名が付いたのだろう。
雲ひとつない日本晴れの下、何度も見てしまう笠ヶ岳。😁
栂の林にアラスカ庭園と名が付けられた。名付けた本人のアラスカのイメージらしいが(笑)。
そうして森の中の木道へと吸い込まれていく。
見通しはなく、ハイマツや針葉樹に囲まれて歩いて行く。自分がどこを歩いているのか上空から見てみたいものだ。
ここからは樹林帯の中、薬師沢小屋までの下りだ。
これがまた黒い岩に苔がびっしりとすごい道。かなりの急坂で普通に滑る。下りに使うと事故が多いと聞いていた道だ。
登って来ると急登となり、『まだありますか?』と聞かれること数回。
『あとひと登りです』はもう少しと言う気分になるが、『あとふた登りぐらいあります』だとげんなりする(笑)。
登っても下ってもハードな道だ。
ストック持ってこけたら最悪骨折するよと思うのだが、この滑る岩場でストックを仕舞わない人がいる。
両手を使えば、岩や木の枝を掴むことができて安全だし、スピードは断然速いのだが。
捻じれたハシゴまで来た。ここは3点指示で確実に下りる。
薬師沢小屋まで戻って来た。冬支度でテラスを解体していた。
ここまで3時間50分だ。まだ先は長い、しばし休憩。ポカリスエットを頂く。登山者が多く休憩している。
さあ、再び森の中へ。それにしても青空が気持ち良い!
ワリモ岳や水晶岳が遠くなった。あんなところまで行ってきたのね。🤣
2日目に渡った鉄の橋を超え、降りてきた最後の急登がしんどい。😫
やっと抜け出た。3日ぶりの太郎小屋が見えてほっとする。
ここまでくれば一安心、あとは下るだけ。
薬師沢小屋から約2時間半で到着。午後1時。おなかがすいたので腹ごしらえをする。
名物の太郎ラーメン。行者ニンニクが入っていて、疲労回復効果を期待する。山でのラーメンは何よりだね。😁
スープも飲み干したら、なんとクレイジークライマーが現れた(笑)。
登り返しが終わったので、下るだけと言ってもまだ距離7.5㎞、3時間半は掛かる。
気を引き締めて下山開始。
行きは見えなかった富山の町が見えた。
太郎平からのこちら側は雲が多くなってきた。
気持ちの良い、秋の空。
見晴らしの良いところを過ぎると、あとは黙々と下ってゆく。
だんだんと膝にきているのが分かる。あと少しだと自分を励ます(笑)。
今回は見かけなかったけど、遠くからなら野生の熊を見てみたい。😁
無事下山。
本日の行程
距離:15.4km 時間:10時間45分(休憩1時間半含む) 累積標高差:のぼり / くだり 627 / 1836 m
太郎平からは3時間15分ほどで下山できた。雲ノ平からの登り返しと長時間の下りで右ひざがちょっとヤバい。😓
筋肉痛と違和感が3日間ほど残ったけど大丈夫。
雲ノ平と日本一行きにくい秘湯、高天原温泉は充実の山旅だった。危険な個所は少ないが山が深いので体力はいるね。
しかしもっと時間が欲しいと思うところである。数日掛けてのんびりと過ごしたい山々がたくさん。
4日間の行程
距離:約43.5km 時間:33時間(休憩含む) 累積標高:のぼり / くだり 3348 / 3347m
裏銀座の縦走にも憧れるが、これはさらに日数がいる。😅
スリリングな山も良いけどこんな山も良い。日本の山々は深くて広い。さて、次はどこへ行こうか・・・。
雷鳥に出会える確率が高い気がする😆
💖