(判決後、記者会見を行う原告HTS支部組合員・弁護団)
阪急トラベルサポートに総額で約1140万円の不払い残業代と
同額の付加金、計約2280万円の支払い命じる
ただし、「偽装みなし労働」は容認
東部労組HTS支部の組合員6名が2008年5月、阪急トラベルサポートを相手に、「偽装みなし労働」の是非を問うために提起した過去2年分の不払い残業代請求裁判。
その「1・2陣併合訴訟」の判決が9月29日、東京地裁にてありました。
HTS支部、本部スタッフ、東部労組各支部、支援の仲間が法廷を埋め尽くす中、東京地裁民事19部村田一広裁判官は判決主文において、被告阪急トラベルサポートに対し原告6名それぞれに不払い残業代、およびそれと同額の「付加金」(ペナルティ)の支払いを命じました。その総額は約2280万円となります。
しかし、判決文において、村田裁判官は「偽装みなし労働」の適用を認めたのです。それは、概要以下のような理由付けです。
「添乗員は、基本的には、ツアー参加者に常に帯同し・・・ツアー参加者から相談・要望等があった場合には、何らかの対応をすることが求められている」(判決文より。以下同)としながらも、「交通機関を利用した長距離の移動の際、適宜、解散(休憩)を挟むなどしている」「飛行機内において・・・睡眠をとっている時間がある」ことなどから、「全ての時間を労働時間として取り扱うのは相当ではなく、労働義務から解放されていると評価すべき時間も相当程度認められる」とし、この「非労働時間」を「逐一把握することは煩瑣」「添乗業務の内容・性質にそぐわない面も大きい」から、原告添乗員の労働は「『労働時間を算定し難いとき』に該当し・・・みなし制度が適用されるというべきである」と結論づけているのです。
ではなぜ、「みなし労働」が適用されるのに不払い残業代が発生するというのでしょうか。
それは、「みなし労働」の時間をツアーその日、つまり「1日毎にみなす」という方法をとっているからです。
会社は「添乗業務のみなし労働時間は一律11時間」と主張していました。しかし、村田裁判官は、その主張を退け、その結果、「8時間分の対価である日当を超えた分」が不払いとなり、その分が不払い残業代である、という認定になったのです。その結果、算定されたのが前述した金額なのです。
そして、「日ごとのみなし時間の認定」方法は、飛行機内が労働時間から除外されているなど、「非労働時間」の存在の有無を除けば、私たちが主張していた「実労働時間」の算定方法とほぼ同じものなのです。
「不払い残業代」を認定しながらも、「偽装みなし労働」を容認する、いったいどういうことなのでしょうか。
HTS支部組合員と弁護団は当日、厚労省記者クラブにて判決についての記者会見を行い、この判決についての問題点を広く訴えました。
今後、組合・弁護団で判決を詳細に分析し、問題点を明らかにしていきます。
「不払い残業代」を認定しながらも、「偽装みなし労働」を容認する、いったいどういうことなのでしょうか。
移動中も待機しています。
問題点を分析してください。
現地でアイテネラリーと日報のにらめっこで、ツアーの修正をどう行うかの判断いつもバスの中でも考えることが一杯で寝てられないです。何でこういうことが起きるかというと、プライドが高いツアー担当者にはココがおかしいなど言うと添乗員は干されるので現地で何気にランドと交渉しながらするのが通例だからです。だから携帯電話の量も増えます。(これも使いすぎると会社から言われるのはおかしいです)
「お客さんのためにこの内容を、時間を変えてください!」などと日本の事務所で言おうならかえって仕事をこなせない添乗員としてレッテルが貼られる始末です。お客さんのために良かれと思う提案が全く受け入れてくれない(それこそ1990年代の担当者はキチンと謝罪と、訂正をしてくれました)
もし、ツアー中寝られるなら、安心した安全のツアー内容、適正な25人以下の人数、持たされた書類の内容が必ずあっている(正直ミスだらけでそれを見逃した添乗員がなぜか罰せられるシステムです。)、適性箇所に現地ガイドがついているなら
その 裁判長が言っている「みなし労働適用範囲」になると思いますよ。
高級ゆったりツアーや特殊な視察旅行などの添乗員の働きと、安さを追求する会社のツアーを請け負う添乗員とは、大変さの種類が違います。
この件は後者が対象のはず。
ならば安くててんこ盛りは休むヒマなどなく体や頭が常に動いていることは、添乗員ならわかる。お客様も知っている。この類いのツアーに縁遠い方にはわからないのかもね。
芸能人がいろんなところにロケに行って遊びが仕事になってると思う人がいるみたいに、裏なんて見えないし見せませんからね。
1日のうちにいろんなことしています。確かに歌って踊ってパクパク食べることも。
率先してピエロになって雰囲気を盛り上げろと研修のときに言われました。
お客さんとおしゃべりしている時もただの雑談じゃない。いつだって接客を意識して言葉などには気を付けているし、褒めるとこ無理やり見つけておだててる。通常は職務中はお酒なんて飲まないのが常識だけど、スナックのホステスさんは仕事中お酒飲んでおしゃべりしてる。似たようなお仕事だと思った時もありましたよ。はたから楽そうに見えようとも。裏は決して見せません。「大変ね」などとお客さんに労をねぎらわれると、かえって「大変と思わせてしまったか」とサラッとこなしてるように見せたい見栄っ張りな私は落胆してしまう。添乗員が楽しそうにしていないと場がしらけてしまうことだってあるから。
だけどそれらのほとんどがバスの中だったりナイトショーだったり宴会や食事の席だったり、ツアーのスケジュールの中で行われている。
他にも書き物もしているしお金や時間の計算もしているし勉強もしているし次のことの考え事もする。体使ってる時は身体的に辛いけど、要領を考えたりする時は頭が痛い。
楽そうに見えても、何もしていないように見えても、そう見えるだけでそう思われるだけで、添乗員にとってはどれも、労働は労働。
なんにも知らない人に判定されるのはもどかしくて時に悔しいです。
オフィスワークの人だって居眠りくらいしちゃう時あるでしょう?喫煙所に入り浸ってる社員さんはその都度お給料引かれているの?
添乗員だってトイレに行くんです。でもバス移動中のトイレ休憩は添乗員にとっては休憩じゃない。ここの特産物は?とか、おつり間違えられたとか、トイレチップの小銭がないんだけどとか、トイレが清掃中で使えないとか、ペーパーがないとか、何かとお声がかかる。「お仕事中忙しいのにごめんなさい」と丁寧に断って話しかけてくるお客さんもいる。私は「いえいえ、あなたとお話しすることが私の仕事ですから」と心の中でいつも思う。
この間にドライバーと打合せしたり、携帯でそこここに連絡しなくちゃならないこともある。バスの中でお客様の前でなかなかできませんし。
設定されたスケジュール内に行っていることは当たり前のように全てが労働なのです!
裁判官の言う、「全ての時間を労働時間として取り扱うのは相当ではなく、労働義務から解放されていると評価すべき時間も相当程度認められる」の中の”労働義務からの解放”とは添乗業務の場合、旅行会社が客に対して、添乗員の「非労働時間」を告知して初めて成立するもので、労働実態を知らない人間に[・・・労働義務から解放されていると評価すべき時間も相当程度認められる」とは軽率な見方で、非常に不愉快です。
「非労働時間」に関し、一般職種の労働者の場合、法律の規定により、人間による外的査定が入り込めないように労働者を保護しているとしたら、特殊業種である添乗業務は、企業が「非労働時間」を客に告知してはじめて添乗員労働者は”労働義務から解放されている」となる事を司法者・行政者は知らなければなりません。「非労働時間」の告知が客になされていない以上、「労働時間」です。それが添乗業務というものの実態です。すなわち客に告知する事を前提に置く[非労働時間」と言う概念が旅行業界に無く、しかも残業代支払いを認めると言うことであれば、それは、”見なし労働”適応外となるのではないでしょうか!! 又は、飛行機に乗っている時間など「非労働時間」とi言うのなら、旅行会社はその旨を客に告知するように指導して、完全な判決となるのではないでしょうか!!
予断ですがあるサイトでは、労働時間とは、”拘束時間のうち、労働者が使用者の監督下で労務を提供する時間を、労働時間といいます。手待ち時間や業務上必要な仮眠や休息、使用者が実施する朝礼や作業終了後の後片付けなども、通常は労働時間になります。" とあり、飛行機の中で眠っている...とありましたが、これはいつでも出動できる”仮眠“ですよね!
そして、アンケートに書かせて、添乗員個人の平均点が下がれば、会社は添乗員の給料を下げて、会社だけ、もっともっと得するシステムも止めてほしい。
いつも、旅行会社だけは得するシステムだから、反省しないんだと思いますよ。
なんだか、派遣会社にくっついて、おいしい汁吸う人達も、もう少し、全体の事も見てほしいもんです。なにやら役員の人とか、特定の人達だけ、得するシステムは、冷静に考えてもおかしい。やめていただきたいもんですな。