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写真=臨時団体交渉直後の東部労組メトロコマース支部組合員ら
東部労組メトロコマース支部 非正規労働者の雇用確保にさらに一歩前進!
4/17 臨時団体交渉で会社側が65歳以降の仕事を初めて提示!
東京メトロ駅売店の非正規労働者でつくる全国一般東京東部労組メトロコマース支部は、今年3月末に65歳定年制のもとで雇い止めされた非正規労働者の雇用確保について、4月17日、東京メトロ子会社の雇い主メトロコマースとの団体交渉を東京・上野で行い、会社側が雇い止めされた65歳以降の非正規労働者に対する新たな仕事の内容を初めて組合側に提示しました。4月1日のストライキ闘争で「暫定的な雇用はやる」との回答を引き出しましたが、雇用確保に向けてさらに一歩前進したことになります。
この日の団交は、ストライキ闘争で急きょ臨時的に設定されたものです。会社側は今年3月末に雇い止めにあった非正規労働者(契約社員B)11人と他の事業部で定年退職を迎えた社員30数人を対象に、以下の4つの仕事を確保したと回答しました。1つめが押上駅でのグッズ売店の販売(土日祝のみ)、2つめが駅構内における美術館などのチケット販売(年間250日程度)、3つめが各種鉄道イベントにおける販売補助(年間20日程度)、4つめが催事売店における賞味期限切れ商品などのチェック(平日週2~3回)です。それぞれ時給は950円~1000円で、交通費は別途支給です。いずれも希望する人が会社に登録し、仕事をシフトであてがっていく仕組みです。4月下旬に面談を行い、5月中旬には登録者を確定し、早ければ5月下旬から働いてもらうとのことです。
2013年3月に同支部が初めてストライキを闘って定年後の半年間の雇用延長を勝ち取って以降、会社側は非正規労働者も正社員と同じ65歳で定年退職だとして次々と雇い止めにしてきました。正社員との賃金差別の結果、貯金も年金も少なく退職金ゼロの非正規労働者が定年退職に追い込まれるとたちまち路頭に迷うと組合側は訴えて雇用を求めてきましたが、会社側は「それがルールだから」「法律に違反していない」などとまったく取り合う姿勢を見せてきませんでした。このような経緯から考えると、今回初めて65歳以降の非正規労働者に新たな雇用を示し、仕事内容を具体的に明らかにしてきた会社の対応は画期的です。2009年3月に非正規労働者自身が労働組合を結成し、団体交渉やストライキなどを闘い、多くの支援者や世論が味方してくれた成果です。
他方、会社側が今回示してきた雇用が確定するのは、4月下旬の面談の結果で登録され、雇用契約書(1年契約)を締結してからになります。同支部の疋田組合員や青木組合員を含めた11人の非正規労働者に対して「適性がない」などといった理由で排除するのではないかという危惧があります。そのような事態になれば、ただちに抗議の行動を取っていかなければなりません。また、仮に雇用契約を結べたとしても、その仕事への希望者が多ければ仕事をそのぶんシェアする形になるため、例えば1カ月間で何時間働けていくら稼げるのかは不透明なままです。当面はかなりの短時間勤務と低い賃金になる可能性が高そうです。私たちは非正規労働者の生活を守るため、より安定した雇用の受け皿を求めていく考えです。そして、何よりも非正規労働者への賃金差別をなくす闘いを進めていく決意です。皆さんのご注目とご支援を引き続きよろしくお願いします。