非常に変わった双眼鏡です。
もともとはオペラグラスの一種で、ガリレオ式と云う古式ゆかしい光学系故、シンプルである反面、光学的な収差、歪みについては、レンズに厳しい性能が求められるため、低倍率2.3倍です。
ところが、こんな中途半端な性能が、実はある用途にぴったり適しており、もとはロシア製で、一旦製造中止になったにもかかわらず、製造を中国に移管して再販売されています。
星座を見るのに、非常にイイ!、のです。
一般的な星見用機材といえば、望遠鏡や双眼鏡、倍率も6~数百倍と、天球に展開する星座を見る用途とは、正反対です。
星座は肉眼でみるもの、ですが、今の世の中では、「星空のきれいな地域では」という前提が付いてしまいます。光害の多く、くすんだ夜空では、見える星の限界等級が低く、星図や星図ソフトを元にしても、見えにくい星が多く、探すのが大変な星座が多いのです。
そこで出番なのが、低倍率で見掛け視界が広く、口径比が大きいため集光力が高いこの手の双眼鏡です。おおよそ2等級、限界等級が上がり、肉眼で3等星までしか見えない星空で5等級くらいまで見え、それより上の等級はより明るく見えるようになります。
”目がドーピングされたよう”というのが、売り文句です。
アヤシイ装具も発売されていて、こういうのを装着して町中を闊歩すると、間違いなく捕縛されます。
個人的に使用しているのは、コレです。
さらに口径が大きく、光学性能の高いカメラ用のアクセサリーレンズを二つくっつけたモノ。テレコンビノなどと呼ばれてます。滑らないよう、ベロクロテープを巻いてます。倍率も低いためさらに広視野で、パンフォーカスで無限遠にピントが合います。
オリオン、夏の大三角形も一望でき、スグレモノです。