昔から、いつもカバンのスミっこに入っているレンズペンです。
コーティングされた光学ガラスのクリーニングに使う道具で、写真用品としては安価な部類ですが、効果は確かな製品です。
もともと、光学レンズは「拭かない」のが基本らしいのですが、指紋や、睫毛の脂など、どうしても拭かないと取れない汚れが付いてしまったとき、ホントは以前紹介したシルボン紙系統のクリーニングペーパーと、エタノール系統のクリーニング液を使って、跡が残らないように拭き上げます。ただ、その作業は結構煩雑で、まず手指の汚れや脂を洗浄し、ブロワーでゴミを飛ばし、うっすらと液を浸ませた紙でおおまかに汚れを取り、たっぷりと液を浸ませた紙で汚れを取り続け、最後はレンズを中心部へ渦巻き状に撫でるようにぬぐって、蒸発した液の跡が残らなくなるまで繰り返す、という作業になります。当然紙は最低でも5~6枚は使い、汚れと拭き上げ具合を確認できるライトなども必要です。カメラの場合、汚れるのは主にフィルターなので、そこまで丁寧にせず、マイクロファイバークロスだけで済ましてしまう事もありますし、ヒトによっては、レンズの前玉でもツバを付けて磨いてしまうこともあります(頑固な脂汚れは意外と唾液の方がよく落ちる)。レンズペンは、先端の凹レンズ形状のチップにセーム皮を貼り、そこにマイクロカーボンパウダーを含ませてある製品で、まず後端のブラシで埃を払い、チップに含まれたパウダーで汚れを吸着するように磨くという仕組みらしくて、結構綺麗になります。パウダーが目に入る恐れがあるので、接眼部には使わないように書いてますが、気にせず拭いてます。先端のキャップ、チップは交換式で、ずっと古いレンズペンに替え芯(?)を更新して使ってきたのですが、とうとう流通経路からはなくなったようです。フィルターやアイピース、前玉、双眼鏡などにも使えるので、手持ちの替えが無くなったら、後継の製品を買うでしょうが、ミラーと後玉はコレで拭こうとは思いません。