テキスト主体

懐中電灯と双眼鏡と写真機を
テキスト主体で語ろうとする
(当然、その他についても、語ったりする)

Trompe-l'œil トロンプイユ(眼を騙す)

2013-02-18 23:28:00 | 写真機 画像
英語ではトリックアート、だまし絵のことです。

写真は陶板複製画のメッカ、大塚国際美術館にある膨大な作品のうち、ホルバインの「大使たち」です。

上の写真や、リンク先の本物の画像を見ても気付きにくいトロンプイユですが、一旦気付いてしまうと、もう元の絵を見ても、その気付いたモノが際立つようにしか見えません。
視覚が意識によって強く左右されていることを如実に示す好例だと思います。

双眼鏡などにも、似たような現象は有って、特徴的な欠点や利点が、強く意識されると、単なる思い込みでなく、視覚がその特徴をより一層際立たせます。
主観が実際の視覚を支配するその仕組みが、例えば超有名な高級機を俎上に挙げても、その周辺視界の崩れを揶揄する人も居れば、中心部の比類のない精緻な見えを崇め奉る人も居るという事になります。

いろいろな双眼鏡を観ても、あら探しをするような見方でなく、観望対象や条件を変えて、じっくりと比較して、上手く視覚を制御できる、そんな良い印象を持つことが出来れば、より一層その双眼鏡を愉しめるようになる、と思った次第です。