三浦俊彦@goo@anthropicworld

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オトイアワセ:
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爬虫類・恐竜系1

2004-09-03 22:58:04 | モンスター映画
■GODZILLA■ 本家ゴジラの百倍素晴らしい。これとか『怪獣大決戦ヤンガリー』とかをけなす人々って、初期ゴジラに束縛されて審美眼が狂ってるんでしょうな、かわいそうに。こっちの動きは大魔神じゃなくてちゃんと本能込みの生物。ただメイン一行の誰も死なないとは何事か。いくらなんでもちょっと考えてもらわないと。しかしまあ、巨大ゴジラ大暴れと閉鎖空間での対子ゴジラ逃走劇と、両パターンをいっぺんに味わえるとはまさに怪獣映画の王様。
■アナコンダ■ ヘビ映画の中じゃ一番いい動きしてくれたヘビかも。人間どうしの対立がまた見もの。ついに縛られた暴走おじさん。死んだ彼氏の復讐のためナイフ握って近づいたおねえちゃん相手におっさんジャンプ、女の首を両脚間捕獲。両手縛られた男の股間力で女が絞め殺されてゆくという、アナコンダパワーを人間が演じてしまう返り討ち劇に極限状況ぶりが滲み出る。
■U.M.A レイク・プラシッド■ 人間を威嚇する凶暴なクマに突如背後から噛みついて湖に引きずり込む大ワニ。あの上半身初登場場面だけでこの映画は大満足です。ただ、あのバカ女をはじめ人がもう少し死んでくれてたらなあ。
■アイスランド■ なんかおっかねー……同じ大蛇でも『パイソン』みたいに酸を吐いたりせずサービス精神は落ちるとはいえ、おっかなさにかけてはこっちのナチュラル蛇が数段格上なのはやはりもう、南極の刑務所という極端な閉鎖空間ゆえか。個性的な犯罪者どもが期待どおりの特技で反撃するヒマもなくただただ順番に食われてゆくだけなのはむしろアンチ御都合主義にしてリアリティありと認めるべし。物語の都合など無視したコワイ暴走蛇でした。ただ最後、飛行機の中に現われたときは空間に合わせてかなりサイズが縮んでいるように思えるんですけど。
■ディノクロコ■ 前半でよくぞ子どもを惨死させてくれました。生首がしっかり飛んだし。のわりには後半御都合主義が重なって失速というか……。とくにイヌたちを一々助けるために命を賭けたばかりかせっかく万全の閉じ込め作戦を危機一髪劇に仕立ててしまうのはいくら何でも損害賠償ものでは。
■コモド・リターンズ■ コモドのこの大きさにゃ満足だがあまりにアバウトすぎる爆死場面がどうも。せっかくの尻尾の破壊力ももっと披露してくれゃぁ。
■コモド■ コモドたちが適度に弱いのがいいんだか悪いんだか。前半にドアを破って犬をくわえていったあの動きですべてが尽きたのでしょうか。最後の照明弾口中投入攻撃は過剰防衛ではなかったかと。リターンズのコモドの十分の一の大きさにすぎないのだから。
■アベレーション■ もう二回りでっかいトカゲが欲しかった。あれだとグレムリンというか、コウモリもののクリーチャーというか、進化が速いとか言っても大きさで見せてくれないとわかりません。
■パイソン■ 『アイスランド』に比べてこの緊迫感のなさは何。このレベルのキャラだと閉鎖空間でないときついのかな。
■パイソン2■ それなりの迫力は冒頭の対決場面だけだったか。残念だな。閉鎖空間を一応作ってみたもののど~も緊張感がない。たるんだ空気が伝染したか、いやはや主人公の特技を生かしてやるためわざわざ口をあけて待っているなよパイソン、と。
■ロック・ネス■ 湖中の暗さにかこつけてモンスターが全身ほとんど見せないままのみならず、超安易な爆発一つで終わりというのは何事でしょうってば。怒るよ、ほんと。
■U.M.A.2002 レイク・モンスター■ ブルドーザーだったかな、鉄機のおざなりな接触で即死するとは。それまでさんざん人をばくばく食っていたプレシオサウルスともあろうものが。いやそうでもないか。至近距離まで迫っていながらちょびっと炎突きつけられただけで逃げてったこともあったな。粘土アニメーションのぎごちない動きがまあ味があるといえばあるような。恐怖感ゼロですが。

陰鬱ホラー系2

2004-09-03 19:37:39 | モンスター映画
■プロテウス■ 乗り移りというより吸収という変化パターンが見ものかな。たまに正気に戻るというのもグッドアイディア。ただ警備員の変身など肝心なシーンがアップになってないのとか、クライマックスのプロテウスがデカいだけで鈍いうえに人間側もいまいちタイミング外してるのとで、はっきり期待外れ組。モンスターの強烈さはメッセージとしては十分伝わりましたがね。
■アザーズ■ 画像が美麗だな。モンスター度は無限小だけど、まあゴーストってことと、帰還した夫の無表情が微妙にモンスターっぽいんでエントリー。やたらヒステリックで不愉快なヒロインも、まあオチを見れば納得ということで。いや納得どころか、『シックス・センス』より先に見たせいもありのけぞってしまったというのが正直なところ。オチが勝負とは知らなかったモンで。
■ゴースト・フロム・ダークネス■ 本気で怖がってるとしか思えない子役のナチュラルな泣き顔がすべての得点の源泉。最後もバッチリ真っ逆さま決めてたし、これでクリーチャーが異形でさえあればなあ。
■インハビテッド■ 結局殺されたのはひとりだけかよ。ホラーっぽい雰囲気は良く出ていたのに、しょせんはお子様ムービー? いや違うと思ったがなあ。結末があんなだし。
■シックス・センス■ 『アザーズ』のモトネタらしいけど、オチの強さは負けてるな。モンスター度はこっちの方がまだしも上といえば上か。焼けただれたりゲロ吐いたりしてるし。しかし主人公が撃たれずにフリーク君だけ自殺する方が冒頭場面としてはよかったんじゃないかな。つまり撃たれたことに気づいてないと。
■マングラー■ マングラー移動モードの出番の少なさと、人物らの行動の破綻が何とかならなかったものか。たとえば逃走中、不意の処女の反転にどんな意義が? それにしても聖体だの聖水だの悪魔ネタって東アジア人にゃバカバカしくて見てられませんの典型になっちゃってくれましたか。大のおとながいつまでキリスト教ごっこをねえ。最後のヒロイン、指欠けた手を披露しながらの濁った笑顔が全得点源の九割九分。
■ミカドロイド■ なんか前半はえらく芸術的だったんだがなあ。エンディングに向かってどうしてああいう俗っぽい流れになるかね。巻き添えの二人はとにかく無意味な感情移入なしでひたすら逃げまくっててくれよ。ちょいブスで利己的でふて腐れてるろくでもないヒロインが結構いいキャラなわけだからさ。
■パラサイト2000■ 何とも嫌ゃーぁーな映画だな(褒めてる)。究極の鬼畜物語であるうえに「血」が枢軸アイテムだとは。子どもも巻き添え食らったし。モンスター度が無限小(パッケージにある顔からにゅるにゅるみたいな場面一つもないじゃないかッ)なことを除くとなかなかの域に達した鬱陶しさだがウーム、血じゃなくて排泄系でやってくれてたらなあ。大が難しければ小でも屁でもいいから。「血を飲みあう」じゃなく「屁を嗅ぎあう」でやったら最後の女の絶命シーンなんか大傑作確実だったのにさ。
■デス・フロント■ 地中を掘り進んできたようなあの動きはモンスターに数えていいだろうか? でなきゃただの怪異現象ものか。
■地獄の門■ 少女(じゃないじゃん)の口から内臓がドロドロ吐き出されるシーンが圧巻、と聞いて勇んで凝視し続けたのだがナンダアリャ? 一連の井口昇監督作品/倉本安奈チャンの嘔吐っぷり見習っていただきたいですよ。
■シャーク・ハンター■ 全員死亡という展開には好感が持てたが、ちゃんと1人ずつ食われてほしかったですね。半数以上が爆発で木っ端微塵というのでは……。
■アイス・ステーション■ 南極が舞台とくればすわ物体X、せめて『アイスランド』レベルを期待したいのに、なぜにモンスター役はちゃんと変形しよらんのですかと。
■アウトポスト■ 冒頭と結末のシーンがリンクしていること以外、見どころを探すのが難しい映画です。ウイルス感染しただけだからいいじゃないかと放り出さないで、普通のモンスターパニック並みに外見をもっと変えてやってくださいよ。
■吸血鬼ゴケミドロ■ どうしてこれに高評価が一般に授けられるのだろう。映画ファンはレトロに弱いだけじゃないのか? とりとめのないサバイバル劇の見せかけは学芸会レベルですよ。特撮も下手きわまりないし、みんな演技もへたくそ。ポイントはスチュワーデスが可愛いことだけかな。
■ジーパーズ■ 何ともくだらない映画もあったものだな。『ジーパーズ・クリーパーズ』の暗さを期待して観たらとんだ食わせものだ。オチャラケ野郎め。犠牲者への最後のご丁寧な説明もいらないから。直後の子ども並みの格闘はコントかよ全く。それに女は喉ばっさりなんでしょ、死ぬなら死ぬでちゃんと派手に血しぶき飛ばしてみせろよと。
■バーサーカー■ なんともいい加減なドクズ映画もあったものだな。こんなのあり? 花輪和一的なナンセンスホラーかと思いきや、中途半端もいいところな支離滅裂。あの復讐に燃える老人団は何だったの? いやもしかして全編がコントってか? ならばコメディ仕立てにしといてちょうだいな。エンドクレジットの絶叫もしつこいよ。

陰鬱ホラー系1

2004-09-03 19:35:07 | モンスター映画
■遊星からの物体X■ まず冒頭で愕然。オイオイちょっと待ってよと。人間は撮影のつもりでもイヌは本気! こんな作品が出てしまうと他のホラーなんて観られませんな。血液検査の緊張感といいエンディングの救いのなさといい暗示といい。この究極危機への対処に関して結局アメリカ隊はノルウェー隊よりも全然ましなレベルじゃありませんでしたとさって流れもリアル。〈陰鬱度〉は以下の面々に比して小なりだが全体やはりピカ一。つまるところ、女が1人も登場しないというのがこの映画の勝因でしょう。
■ピッチブラック■ 光と闇のスイッチ効果が映画史上まれに見る芸術性に達しているのでは。ただ造形が最高レベルであるだけに……殺人犯が単身肉弾戦でエイリアンをぶっ殺したのはちょっとな。弱点の光が差していたせいと解釈すれば多少救われるが、ナイフ一本の人間(ただし普通以上の感覚力有りだが)に負けるようじゃモンスター度減点やむなし。……と最初これ書いたとき思ってたけど、続編『リディック』を観たかぎりあの男は並みの強さじゃないことが改めてわかったので、フロックで一度くらい勝つくらいまあいいかと。むしろあの怪物の強さが印象づけられたような。それにしても最後ドンデン返しだよね、あっちが死んでそっちが生き延びたとはなぁ。超意外。一挙引き締まった。土壇場でヒロイン死亡とて一滴もウェットにならずサラリとやり過ごした素晴らしさは『ディープ・ブルー』(バイオハザード系1参照)に通ずるものがある。
■ジーパーズ・クリーパーズ■ サイコホラーを装ってモンスターホラーに変化する、真面目なジャンルファンを裏切る展開に好感が持てる。その点『ドリームキャッチャー』と双璧? 最後の情け容赦ない室内シーンがまた締めてくれましたねえ、暴れ回っていたあれが頭蓋骨相手にせっせと作業に専念していると。たまらない味だねえ……。
■ダゴン■ じめじめした雨が利いた。巨大クリーチャーの出番がもっとあればよかったのですが。エンディングが『人喰い人魚伝説』に輪をかけた拍手もの。
■人喰い人魚伝説■ ずっと続いたサイキックな静のムードが一気にアクションへ雪崩れ落ちる展開はよろしい。最後の妖しさは『ダゴン』に準ずるというか、見ようによっては勝るというか。
■インプラント■ 模範的ホラーだけどヒロインが生き延びすぎ。クリーチャーの引っぱる力が弱いのがどうも……。最後が救われなかったところが救い。
■パンプキンヘッド■ 悪いことしてない若者までが容赦なく潰されてゆく展開には好感が持てる。パンプキンヘッドの全身をもうちょと見たかった。まあこのモンスターの場合暗くないと様にならないわけでしょうが。
■ドリームキャッチャー■ 肛門からクリーチャーが飛び出すシーンありと聞いて大喜び、食い入って観賞したのだが……。結局何だぃ、男と婆あと犬じゃねェか。しかも局部アップ映像はなし。とまあ期待は裏切られたけどこの映画、なかなかのモノですぞ。悪評のみ高いが、それ、ジャンル間違えて観てるからですよ。私が肛門クリーチャーだけ注視してたみたいな内容的期待はともかく、勝手にサイコホラーと決めつけてエイリアンが出てきたとたんに失望、って悪評の仕方はフェアじゃないと思うよ。も一度言うけどこれ、基本的に良質映画ですから。
■SF/ボディ・スナッチャー■ リメイク版より3~4ランク上。結末はズバリ予想通りであるにもかかわらずのけぞらせやがったなぁ。悔しいが出来の良い映画だという証拠でしょう。むろん結末だけじゃなく冒頭のネチャネチャポタポタ……も予感たっぷり、細かいとこまで行き届いた映像でした。
■スリーピー・ホロウ■ あれだけジョニー・デップにコミカルな言動が割り当てられていても全体が鬱陶しいまま推移できているのは首なし騎士のキャラゆえか。結末近くの疾走アクションが浮いてしまったのがチトつらいが。
■ザ・フォッグ■ 映像がやたら美しいんですけど。これでモンスターが霧状のまま不定形に実体化してくれていたら満点。それを人間型ってのはあまりといえばあまり……。
■TATARI■ クリーチャー史上に残るビジュアルかも。終わりに思いッ切り後味悪いもう一発を期待したのだが。あれだけの造形(むしろ非造形)を振舞ってもらった以上は。
■エイリアン■ やはり昔のA級映画は今のB級ってとこなのか。エイリアンの姿かたちはもっとにょろにょろかと記憶していたのに案外人間型なのでガックリです。それにつけても有難迷惑とかけてシガニー・ウィーバーの下着姿と解く。だって観たくないんだもん。
■ゴーストシップ■ やたら酷評が乱舞してる現実からすると結構イケルと楽しんだ私が間違っているのか? まあ霊たちの昇天時の音楽の俗っぽさに唖然とすることは忘れませんでしたが。オープニングであれだけ反俗的なスプラッター瞬間芸をぶち挙げておいてなにを今さら……。最後も同量の大鮮血で〆て完璧を期すセンスがなぜ無かったかな。
■スクリーマーズ■ カメレオン型スクリーマーは特にナイスでしたね。で、問題の最後のクマさんの動き。焦点合わせて映す気もない未必の故意的編集が素直にコワさを出せてると認めましょうよ……。
■スピーシーズ・リターン/種の終焉■ うっあー不快なお話だったなっと(褒めてる)。忌むべきムード盛り上げていったからにはクリーチャーしっかり見せてカタルシスちょうだいよ、想起の中のレイプ現場だけじゃなくて。それにエンディングがいまいち意味不明ですなあ。不妊男をさらってどうしようと? それとも単に処刑後の独房内?
■ヘルボーン■ 儀式の覗き見というチープな展開さえなければ丸だったのにな。盲目黒人患者の転身がいまいち必然性欠けてるのも。なかなかコンパクトにいいホラー味だったのに大変惜しい。
■ガス人間第1号■ ウルトラQ第29話というか0話として喝采の一巻。山奥の一軒家と舞踊発表会場のコントラストに尽きるね、本作品の色彩美学は。セリフがもっと聴き取りやすければよかったのですが。あと佐多契子って他は出てないんでしょうか。『妖星ゴラス』? 気づきませんでした。
■死霊のはらわた■ ゾンビものはエントリーしがたいのだがこれは木の枝が絡みつくところでモンスター度クリア。フルチ3部作の思いをすればずっとビジュアルもよいですな。
■エルム街の悪夢■ 『フレディvsジェイソン』のイモムシがこちらに出てきてくれさえすればなあ……。
■マタンゴ■ 絶妙の舞台設定のわりにはもたついてる感も、ケムール人&悪魔ッ子の音響的原点ここにありと判明する時点ですべて肯定。しかしつくづく、水野久美が『ウルトラQ』に出演していないのは悔やまれるというか、大いなる謎ですよね。
■怪奇異星物体■ 異種間心の交流が中途半端に終わったのが救いだが、クリーチャーがちょっとぎごちないのだな。本当に少年の母親だったというならわかるが。
■ファウスト■ (2000) 最後にでっかいクリーチャーが出て来てビームも発して、予期してなかったぶんトクした感じで嬉しかったが、男嫌いのトラウマ持ちのヒロインがブスなのがなァ。どうせなら黄色人種の目から見てももうちょいヨク見える普遍性ある女使えばいいものをさ。それと、珍しく白人主人公の恋人が黒人女なのはいいけど、登場のほぼ直後に拷問死するでしょ黒人女。ちゃんと最後まで白黒カップルでやれよ。ただのアリバイ作りとしてじゃなくてさ。あのヒロインよりゃずっといいでしょ、すぐ死んだ黒人女。
■地下室の悪夢■ なんかタルんだ感じだったけど終盤、地下の人骨山はさすが絵になっとりましたわ。しかしラストでせっかく派手派手に愉しい退治法を用意していたのだから(マングラーがゲスト出演したような)、モンスターのドつぶれアップグチャグチャ映像実現としない手はなかったでしょうに……。後半逆転しながら画竜点睛を欠くとはこのこと……。

ムシ系2

2004-09-03 06:33:53 | モンスター映画
■さくや 妖怪伝■ 日本版「タイタンの戦い」? 次から次へと繰り出す妖怪がうれしいなぁ。松坂慶子のドデカ土蜘蛛は、タイタンのクラーケンや『ヤマトタケル』の八岐大蛇をしのぐ迫力でした。河童少年の湿っぽいジレンマは活劇に水を差して邪魔っけだったが、これだけ大盤振舞いの妖怪世界に不平言うまい。二人の助っ人もフリークっぽさ十分だし。
■タオの月■ おおう、雨宮慶太作品ではダントツじゃないですか、これ。異星人に修験層に陰陽師に野伏せりに、サービス満点の登場人物。マカラガなるモンスターの造形と不死身さがワールドスタンダードでも超一級だし(ときどき前進運動が堅いのが惜しい)、タオを飲み込まれたあと取り戻す経緯も自然だし、かっこよすぎた疾風もちゃんと殺されて余韻を残しつつ湿っぽくならないし。このマカラガ、プロテウスか人喰いアメーバと戦わせてみたいですな。一応ムシ系に分類しとくけど、マカラガの脚とかも勘定に入れるとして、何しろあの治療メカがクモ形だものね。
■ヒルコ 妖怪ハンター■ 『学校の怪談』の先駆的な雰囲気といい物体Xばりの蜘蛛脚生首クリーチャーといい時間の前後問わず二番手的性格の濃厚な。中途半端なコメディになっているのが異界のわけわからなさを増幅するのに貢献か。
■学校の怪談■ 小学生時代をほんと思い出しますよ。2年生の女の子が最後まで可愛かったな。好みです。クマヒゲさんの蜘蛛クリーチャーから逃げる途上で金の蝶もいい雰囲気出してくれてムシ的に得点アップ。しかし6年生の女の子は幽霊が妖怪を怖れていた図ですな。いや生霊が、か。『アザーズ』的に味わい深い。
■モスキート■ 巨大蚊の出番が多いところは満足レベルですが、いずれにせよ爆発が起きたらオシマイってことなんですね。あんだけいても。わかりました。
■ボーン・スナッチャー■ 骨を組み立ててモンスターを勝手に作っちゃう蟻たちとは恐れ入ったアイディア。しかし顔から自分たちを吐き出せるんだったら空中殺法でサークル内に侵入することくらい簡単なのになぜやらないかなあ。しかしまあえらくアバウトな不完全爆発オチ。砂漠の風景は序盤かっこよかったよな。
■バグズ■ いきなり本題に入る姿勢には好感が持てるし、サソリ状の幼虫にイトトンボ型の成虫とはな。造形が良いだけに緊張感のなさが際立ってしまった。あのスピードを誇る殺戮幼虫がなぜか銃床で叩いただけで死ぬし。モンスターとの直接対決に専念せずに、間接対策としての作業をしながら逃げ回るって構図はどうもいただけないのだなあ。同じ地下昆虫ものでも、サスペンス&カタルシスは『ミミック』の1/50か。あれだけの群れに襲われながら爆発さえ起こしゃ即時安心パターン(客観的に一件落着はいいのだが心理的に即安堵ってパターン)、そろそろ考え直してもらえないだろうか。
■ディープ・フリーズ■ 南極が舞台とくれば物体Xを期待してしまう観賞側が悪いことはわかっていますが。それでも、死んだはずのおじさんのマブタがぴくぴくしてるのさえなければ結構いい点ついたかもしれないのに。あんなハリボテでも許すしかないアイディア賞だもの、巨大「三葉虫」だなんて。あ、ベッドの男が隣の女の顔面の惨状に気づくドロドロネチャネチャはそりゃ素晴らしかったですとも?
■スパイダーズ■ ヒロインの人格が一変しちまうのさえなければな。主人公だからといって最後まで責任持ってクモを倒さなくていいですから。『ウルトラQ』第24話でレギュラー3人がわざわざ目潰し弾打ち込みに自衛隊車に同乗しゴーガに危険接近する図より露骨。だってヘリからぶら下がってロケットランチャーですよ。素人のはずが。
■深海からの物体X■ ゲロ吐き娘の吐瀉物の中にクワガタが蠢いているとはな。そこだけ見届けとけばこの映画の観甲斐は全部達成。
■メタモルフォーゼ■ あと何時間で街が全滅というせっかくの緊迫が生かされてないのは別に不満でもないにせよ……、せっかくの貴重な蛾型エイリアン登場作品でありながらモンスター全身が出てこないとは何事? 生身の小さい蛾+人体から伸びる鋏状部位だけとは。それにメインの人物に簡単にやられすぎ。メインよりモンスター本位に見てるんですから、こっちぁ。
■アラクニア■ 大グモの脚がときどき足りないような気がするのですが。
■アベレーション2■ もったいない。せっかく登場したラスボスがただ1人を追って右往左往するだけというのは……。いい造形だったのに。
■クイーン・スパイダー■ これもせっかくの造形なのにねえ、クイーンの出番があれだけとは。クモ人間の方はもう飽き果てるほど観せてもらいましたから。
■エア・スコーピオン■ いくらなんでもCG使ってくださいよ。ハリボテを真面目に作る気がないならば。
■ブラックファイア■ くどいようですが一匹でいいからでっかい蜂を出していただければ。あと『ディープ・フリーズ』式に、殺されたオジサンが胸上下してたりするんですがこれはあとで検死室で大群吐き出す布石と考えればよしとしますか。
■ザ・テンタクルズ■ 波がざーっと接近してくる水面下の動きは迫力なのだが肝心のムカデ本体が……。技術的に難しいだろうことはわかっていますが。蟻酸攻撃はもっと早くに欲しかったな。
■ゾーダ■ タイ映画ってどれもこんなに支離滅裂なのか? ゾウの話はわかるにしても目的地もなしで何しにジャングルに入ったのか結局意味不明だし、まあ大自然紀行としてはそこそこのものでしたが?
■ビヨンド■ あれだけ頑張って人の顔面のお肉食いちぎったタランチュラたちがそのあと出番ナシってのがどうもな。その行き当たりばったりぶりが売りっていやそれまでだが。あと、ゾンビは頭以外を撃っても無駄だととっくにわかってるはずなのにどうして執拗に胴体を撃ち続けますかね。
■魔獣大陸■ あ~あ、見せ場の対決場面で巨大ヤドカリと巨大サソリの……。向きあって小刻みな前進後退を繰り返すだけのこれって……。車輪? 前半の吸血植物やタコ型モンスターのせめてもの後味が飛んじゃった。
■昆虫大戦争■ くどくて申し訳ない。どうかでかい蜂を一匹。皮膚を噛んでるアップ映像は要らないから。
■ゴジラvsモスラ■ やっぱりおれ、モスラはダメだなー。怪獣同士の「交流」って勘弁してほしいしね、モンスター度が急落するんで。百%お子様劇場でしたと。昭和モスラに比べて小美人(コスモス)がちゃんと美人らしくなっていたのが救いですが。
■キラー・バグズ■ 傷口から蝿がわーっと飛び出してくるのかと期待してたのにな。庭でゾンビと対決のたるみぶりは一体何。学芸会ですか。

ムシ系1

2004-09-03 06:32:56 | モンスター映画
■スターシップ・トゥルーパーズ■ 文句なしの傑作。こうでなきゃいかん。余計なドラマはすっとばしてムシたちとの無慈悲な戦闘。主人公の家族も大都市ごと吹っ飛ばされるし。こういうのうれしくてうれしくて。
■レリック■ 端役の、本でつぶされる小巨大化甲虫の存在感が重しというか重心になっているのがポイント。作品そのものはWeb上各地で芳しい評を得ていないようだが掛値なしの傑作と認めるべきでしょうこれはいくらなんでも。下半身切断から最後の燃焼体追撃まで息つかせぬ基本テクを押えた見せ場たっぷり。このジャンルの模範演技、第一級。
■ファイナルファンタジー■ うん、いいね、いい! ゲームもやってみたいとは思わなかったが、ほんといいじゃないですか、この世界。オールCGだけあってファントムの出方も贅沢だし。ただもっといろんな色のがいてもよかったかも。あとCGってのは人物の回転運動(振り返りなどの向き換え一般)に難があることがよく見て取れる。造形といい動きといい、最高でした、フル堪能。大きさもちょうどだし『スターシップ・トゥルーパーズ』軍団との他流試合がぜひ観たい!
■スパイダー・パニック■ 多種類のクモが個性的な襲いかたを披露。ムシ好きにはたまらない。とくにハエトリグモの執拗なジャンプとジグモの素早い動きってば。高品質CGによって、登場人物たちのフザケ半分の言動も強引にシリアス化された。
■ミミック■ けっこうセリフの多かった子どもが容赦なく殺されるところに好感が持てた。最後の大爆発は金かかったでしょうねー。
■ミミック2■ 擬態はいいのだけれど行動まで擬人化してしまうと……。あくまで奴はムシであってほしかったので。
■メン・イン・ブラック■ 登場人物の同程度のフザケぶりでも『エボリューション』とはえらい違いなのは、単にキャラクターの魅力度の差だろうか? 最後のゴキブリモンスターはもうちょっと強くあってほしかった、それが唯一の不満。
■メン・イン・ブラック2■ えーとこれはこれはムシ型登場したっけか、記憶がちょっと。映画自体は相変わらずリアルでテンポ良かった印象ありますが。ムシに着目してもう一度見なくちゃなっと。
■ゴジラ×メガギラス~G消滅作戦~■ 幼虫メガヌロンの人間襲撃場面をもっとください。あとメガニューラ集団攻撃にゴジラは当然もっと苦しんでもよかったのでは。巨大メガギラスとの一対一に収束させるより一対多のそっちに時間をかけてほしかった。ゴジラの皮膚を食い破ってめり込むメガニューラを期待したんですから。
■ハムナプトラ■ ムシがもうちょっと大きければなあ。ミイラの形がムシだけでできているとか(『ブラック・ビートル』風に)さ。
■ハムナプトラ2■ 前作よりずっといいね。スコーピオンキングがほんとにサソリ型だとは知らなかったので得した感じ。吹矢の小モンスターの活躍がもっと多ければなおよかったのですが。
■ガメラ2 レギオン襲来■ いくら子供映画ですからってガメラが人類の味方か敵かなんてこだわりはもういいですから。怪獣の援護はできない、て理由で自衛隊はレギオンへの攻撃やめちゃうんですか? 小レギオンの群れはもっとガメラの皮膚を食い破ってほしかったかも(対ゴジラのメガニューラよりは頑張りましたが)。ついでに、小レギオンとメガニューラの群れどうしの戦いが切実に見たいかも。
■ザ・フライ■ 液体の威力がもうちょっと強調されるとよかったのですが。『レインボーマン』M作戦編のカルマ・ブルーくらいは見せ場がほしかったので。
■ザ・フライ2■ だから人間に戻っちゃわないでもっとグロテスクな超怪物に化してしまうとかさ、敵役だけでなくて主人公も。
■レッド・プラネット■ ムシはよかったけどロボットの最期が呆気なかった。あと何度も言うけどムシがもうちょっと大きければな。
■放射能X■ 出現の前兆の、ヒグラシみたいな音がなんともいえず良い。『マタンゴ』の二重哄笑と双璧でしょう。目撃者の証言にでてきた蟻型UFOは、どうせなら実物を映像に捉えてくれるべきでしたねえ。
■SF巨大生物の島■ 巨大蟹はよく戦って御苦労さまでしたが巨大蜜蜂は……。主人公らに気づいていたのかいなかったのか、ちょびっと追跡ぐらいしてほしかったのですが。
■アラクニッド■ ジグモどうした? 『スパイダー・パニック』ばりにちゃんと姿見せてしっかり女を引きずり込まなきゃだめじゃないか。後半の大味な巨大グモよりも中型小型の活躍場面だけで引っぱったほうが毒々しくてよかったのに。大きけりゃいいってもんでもないんで。
■ティックス■ ラスボスがもうちょっと活躍してくれるとうれしかったのですが。犬を運んだ部屋の中を注射器くっつけたままのダニが走り回るシーンがすべてでしょうか、この映画は。
■空の大怪獣ラドン■ ラドンよりメガヌロンに1票。人間をわずかに上回る程度のデカさって怖いんですね、なまじ馬鹿デカいより、やはり。しかし一匹でもあれだけヤバイあのメガヌロンを何匹もまとめてあっさり食いまくるラドンなのだから(しかも雛が)、その成体の恐ろしさ、もうちょっと洞窟の外でも演出できなかったものかと。街のセットの派手な破壊風景に頼るばかりでなくてさ(『ゴジラ』からわずか2年で格段の特撮の進歩という事実は認めます)。
■モスラ■ 繭から成虫が飛び出す瞬間に熱線攻撃をしなかったのはなぜですかと。燃えるモスラが見たかったのに。
■ファントム■ 巨大粘菌の姿はもうちょっと見たかった。だけどまあ、あの殺人蛾の尻尾攻撃を堪能したことで満足としますか。あの蛾は予期してなかったのでほんと得したな。
■エボリューション■ あれだけいいビジュアルを実現しながらなぜこうもダメ映画になっちまったのだろう。人物たちの同程度のお調子乗りでも『メン・イン・ブラック』レベルのコメディになりえなかった理由を真面目に研究してみる価値はある。あと何度も言いますが、ゴキゲンなムシたちがあれだけ登場してくれた以上少なくとも一匹は人間大以上のムシが必要です。最後のデカすぎるモンスターへの浣腸はいいから(もたついてたし)。
■スパイダーズ2■ 1よりクモが多いのに反比例して地味になった感じ。支離滅裂寸前の御都合主義にとどまっているぶん改善されたが、CGレベルがいくぶん落ちた気配も。クモがまだ閉じこめられていた前半のホラーっぽい展開のほうがよろしかったような。
■ガバリン2 タイムトラぶラー■ おい、いきなり本番かよ、と思ったらそのあとずっと出し惜しみ。クリーチャーも中盤の兆しほど種類が伸びず。そりゃトリもイモ虫犬も可愛かったけど、それぞれ一瞬だけ登場のカエル顔人食いモンスターとゾンビ馬が一番良かったり。しかしぬるすぎるアクションはなんとかならなかったのか。
■フライショック■ これ、なかなか雰囲気が好きなのだけれど――人間どもの緊張感の無さは一体何。殺人蝿が乱舞しているというのにわざわざ出てってのんびり犠牲者の埋葬にこだわりますかふつう? 巨大虫登場場面は無かったけどウジムシ(鉄砲虫か?)のアップで埋め合わせ。
■クモ男の復讐■ 弾丸一発で死ぬのはちょっとな。まあリアルではあるが。変身プロセスの痛覚波動は『フライ』のほうが上かも。
■フレディvsジェイソン■ どっちも不死身すぎて、こりゃどっちも死ぬわきゃねえなって流れで見ているから派手なファイトのわりには緊迫感ゼロ。企画モノの限界ですな。見所はイモ虫だけですかゃ。
■火星人地球大襲撃■ バッタ型宇宙人の動く姿をライブで見せてほしかったですよね。
■裸のランチ■ あのタイプライター甲虫が人間を襲ってくれればいうことなしだったんだが。ちょっと温厚すぎて。
■イット■ 話が長すぎるねえ。せっかくモンスターホラーにするならどうして人間どうしのやりとりばかりに時間使いますかねえ。それにやっと出てくれた最後の大蟹(?)、もっと強ければよかったのですが。
■ザ・ネスト■ 小さなゴキの大群だけで終わったらどうしよう、『ブラッダ』の二の舞かよとハラハラしていたらハイブリッドモンスターがぞろぞろ出てくれてひと安心。でももうちょっと強い方がよかったですね。
■ブラッダ■ 何度も申し訳ありませんが一匹くらいでかいゴキを出せと。
■ブラック・ビートル■ 厳密には『ブラッダ』パターンにとどまるが全員集合して巨大昆虫を形作ってくれたところで大挽回。しかし西洋人の男の女に対する態度ってホントいやらしいね。商業映画の詰め込み演出だとわかっていても白人へのステレオテイプ的見方を助長されるじゃないか。モンスターがすぐそこにいるんだから女を助け降ろすときじっと熱く見つめてるんじゃないですよってば。
■黒い蠍■ 『放射能X』のヒグラシ音からすると一気に脱力、そ、いくら巨大だからってサソリがライオン的に吠えるのはナシにしましょうや。『ウルトラQ』第3話でナメクジ型火星怪獣(「ナメゴン」という呼び名は使わないようにしましょう)がゴジラ式の咆哮を連発してしまったのよりもっと露骨で。