分子栄養学講師の気ままなブログ

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サプリメント多量摂取の訳、ドーズレスポンス

2018年09月10日 | 発達障害

前回の記事、発達障害と栄養療法♪(オーソモレキュラー)

のなかで、栄養療法を行うにあたって、それぞれの身体、DNAの違い(個体差)によって、

場合によってはサプリメントの多量摂取が必要になることもある

と書きました

 

前回は亜鉛でたとえましたが、

国が推奨している必要量と、栄養療法で推奨される必要量に大きな差が出てしまうこともままあるのです

 

なぜ、栄養療法ではそんなに沢山の栄養素を必要とすることがあるのか?

今日はその理由についてです

 

そもそも厚生労働省が提示している量というのは、あくまで欠乏症にならない必要量に過ぎないということ

また、分子整合栄養医学における、”栄養素を用いることで細胞レベルに働きかけ、身体の調子を整えていく”という考え方自体が、

世間一般には認知されていないということ

 

(医学部でももちろんそんなことは学びませんから、だからトンデモ医学と言われてしまうのか?

 

たしかに、欠乏症になっては困ります

欠乏症になると、顕著に症状が現れます

 

たとえば、

ビタミンB1不足では脚気

ビタミンD不足ではくる病

(アルプスの少女ハイジのクララは”くる病”だったのではないかと言われている

ビタミンC不足では壊血病

 

と、そうなれば、

明らかに”まずいな”と分かるわけですが、

 

(ちなみに今でこそなんの栄養素が不足したかによって、壊血病になったとか、脚気になったとか、って分かるわけですが、

それらが流行った当時は見当もつかず、まるで頓珍漢な治療法が行われていたりしたとか

 

栄養素が明らかに不足すると、こういった病気になってしまうということがあり、

栄養が大事だということは、誰もが何となくは分かっていると思いますが、

実際には、栄養素のパワーはもっともっと奥深く、計り知れない力を秘めている

 

欠乏症にならないよう気を付けることはもちろん必須ですが、

栄養素の働きには、もう一つ、非常に重要な役割があるのです

 

その役割とは、

代謝の働きを助ける補酵素の役割をしているということ

代謝の働きを促すための、名脇役とでも言いましょうか

裏番長とでも言いましょうか


なにやら、”補酵素”と、聞きなれない言葉が


前回、人体を大きな食品加工工場として例えました

どんな機械、設備を整えているのかというのは、完成する加工食品の”質”に大きく関係してくるわけですが、

この工場の機械、設備というのが、よく耳にする酵素(体内酵素)と言われるやつのことをさしています

 

人体を工場に例えるならば、

工場に設置された機械や設備にあたるのがこの酵素と言われるやつなのです

 

前回も書いた代謝は、この酵素の働きあってのことです

 

では、

今回登場した補酵素とは一体何なのか…?

 

補酵素とは酵素の働きを助けてくれる存在であり、

酵素は補酵素なしにその働きを発揮することは出来ないです

 

もう少し分かりやすくするために、

鍵と鍵穴にして例えると分かりやすいです

 

身体の中に扉がいくつもあるとしましょう

(扉=酵素=体内でDNAを基に作られているもの)

その扉には鍵がかかっていて、扉を開けるためには鍵が必要になります

(鍵=補酵素=栄養素)

 

その鍵の役目を果たしているのが、”ビタミン・ミネラルなどの栄養素”ということになります

 

ここで、栄養療法のサプリメントの多量摂取の話題に戻りましょう

栄養素は欠乏症を補うだけではなく、扉を開けるための鍵の役割をしているんでした

 

もし仮に生まれ持った体質などにより、体内の中の酵素に不具合があったら?

(扉の形が変形、錆びていたり、曲がっていたりするということ


ちょっと想像して欲しいのですが、

扉についた鍵穴の形が悪ければ、いくら鍵を入れてもなかなか開いてくれません


つまり、代謝がスムーズに進んでいかないということになるのです


そんな時人は扉を開けるためにどうしますか?

おそらく、何度も何度も鍵をガチャガチャと開けようとするはずです


すると、何かの拍子に扉が開く

一度開くと、開ける人がコツをつかんだのか、はたまた一度開いたことで二度、三度と、

開きやすくなっていきますよね


栄養療法でサプリメントを多量摂取するわけはここにあるのです


錆びついた扉の鍵穴が開くようにするためには、何度も何度も鍵を入れて、試す必要があるわけですが、

鍵がなくてはトライしようないわけです


宝くじは買わなきゃ当たらんとよく言いますが、それと同じで(?笑)

鍵(栄養素)がそもそも体内に存在しなければ、開くチャンスがありません

鍵が入ってくる回数が多ければ多いほど、トライする回数が増え、

その分開く確率も高まるというわけなんです


だから栄養療法では多量の栄養素をサプリメントなどを使って摂取し、

扉が一度でも開くように試しているのです


一度でも開くと扉は開きやすくなり、、、

つまりそれは代謝がスムーズに回りやすくなることを意味しているのです

(栄養療法ではこれをドーズレスポンスと言う


それが、

欠乏症を補うためだけの量、その程度の量では、

到底敵わないということが分かると思います


糖質の摂りすぎがよくないと言われるようになってきていますが、

(糖質過剰による弊害は山ほどあるのですが)

そのひとつに、過剰すぎた糖質を分解するために、ビタミンB1が多量に消費されてしまうということ

 

糖の分解にはビタミンB1が深くかかわっており、

もし仮に糖質過多の食生活ばかりしていると、体内のB1が糖の分解ばかりに使われてしまい、、

扉を開ける鍵として働くどころではなくなってしまうのです

 

つまり、ビタミンBを摂れども摂れども、鍵不足です

 

欠乏症ではない…

が、しかし

 

補酵素としての働きを補うには十分ではないわけですから、

代謝が滞りはじめます

 

わたしたち身体は代謝することで生命活動を維持しているわけですから、

そんな状態は《細胞が元気とは決して言えないでしょう

 

”疲れやすさ”や”怠さ”、はたまた”老化”

精神状態の乱れなんかにも繋がっていくのです

 

栄養素を用いることで細胞レベルで身体を元気にしていく

そのためには時に多量の栄養素が必要になる

 

これが、オーソモレキュラーの栄養療法であり、

サプリメントを多量摂取をするわけなのです

 

個人の体内の中にある工場の機械、設備の違いを考えれば、

みんなと同じ生活をしてるだけでは弊害が生じてきてしまう人たちも中にはいるということも、

何となく見えてきます

 

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