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京都ふち歩き④嵐山~広沢池

2015-03-13 22:06:46 | あちこち自然探訪

今回は、阪急嵐山~嵯峨野広沢池までです。
本来は、これを1回目に紹介すべきだったんですが、事情により今回になりました。
これが歩いた地図のアバウトマップです。
 
まずは、阪急嵐山駅から桂川に出ます。

桂川に出たあたりは、木津の泉大橋まで続く自転車道のスタート地点です。この日も数人のサイクリストが準備していました。泉大橋のあたりの木津川は昆虫調査で何度も行ったところなんですが、ここから45キロ先というのは結構遠いなあという感じです。

この日(3月8日)はずいぶん水が濁っていました。

渡月橋を渡るとラッキーなことに上空をチョウゲンボウが舞います。尾羽のベルトまで見えました。

渡月橋から上は保津川といい、さらに亀岡市に入ると大堰川(大井川)というそうですが、大きな堰があったのでしょうか?今も渡月橋のすぐ上には大きな堰があります。発電設備もあります。
向かいの山(岩田山など)が良く見えます。全山雑木林が目立ちますね。

渡月橋を渡り、そのまま北へまっすぐ歩きます。観光客が多いですが、JRの踏切を越えるとまばら。閉めた喫茶店などがあります。途中で見た民家。昔は壁にたてかけた床を倒してお店を開いていたんでしょうか。

清凉寺が見えてきました。

山門をくぐり、西を見ると山が見えます。このあたりは常緑化が進んでいるようです。

清凉寺境内には葉の付いた枝やら植物材料がたくさん。松明行事など火を使う行事があるのかな。これも里山の利用のひとつといえましょうか。

境内にはきれいに手入れされたマツが。

近づくと・・・松枯れ対策してますね。しかも有名な製薬会社がかかわっている。

清凉寺の境内を東に出て、さらに北に向かいます。山すそまで出ました。京都の周縁部、山のふもとには必ず新旧とりまぜてお寺や神社があります。平地と山地、あるいは里と山という境界はなにか宗教的な雰囲気を醸すものがあるのかもしれません。

ここで東に向きを変えます。途中で見える山林の姿。

さらに進んで大覚寺に出ました。大沢池は庭園としてよく手入れされて景色も美しいですが、鳥も多かった。

池の中の島にカワウやカモが上がっています。池の中ではオオバンが活躍。ハスが多いためでしょうか。

チュウダイサギ(?)が池の岸辺の中でなにやら餌を探っていました。少し前に来たときはあまり鳥を見ませんでしたが、春が近いのでしょうか。

ところで大覚寺の一画には名古曽滝跡という和歌に詠まれた有名な滝の跡があります。もっとも詠まれた時点ですでに枯れていたという歌があるくらいですから、水が落ちていたのはかなり古い話です。自然の滝が枯れるなんておかしいと思って見に行ったら、自然の滝ではないことを知りました。だいぶ前の話です。次の写真が名古曽滝です。石組のところから水が流れています。

もうすこしバックして全体を見るとこんな感じです。背後の家が見えます。自然の滝のように山から水が落ちている感じではないですね。

じゃ、そもそも名古曽滝はどこから水が来ていたんだということで、前からその背後を見たいと思っていました。・・で行ってみました。こんな感じです。左側の木が生い茂っているところが大沢池のある敷地ですぐそばに名古曽滝があります。右側は一段高くなり、その間を水路が流れています。この水路は名古曽滝にむかってまっすぐ来ているのではなく、直角の方向を向いています。おそらく、名古曽滝のあたりに堰があって、そこでせき止められた水が名古曽滝へと流れているんではないでしょうか?そこまでは行けませんでしたが、そんなふうに想像しました。

この付近は北側の山からの水路が縦横に走っています。つまり、名古曽滝は嵯峨野の水路網を利用して作られた人工の滝ということです。それが庭園が廃れたためか。水路網に変更があったためか。名古曽滝への配水が行われなくなって枯れたということだと思います。そうすると上の写真の水路も1000年以上の歴史がある水路なんでしょうね。
大覚寺から東側は広い農耕地です。このあたりはシカ被害が多いためか。農地周辺は厳重に防鹿柵が巡らされています。

途中の水路にはシジミの殻が。

このあたりの道は千代の古道と呼ばれています。

田んぼに木の枝や収穫済の菜っ葉の切れ端が置いてあります。これから田んぼにすきこむのでしょうか。これも里山的な風景といえそうです。

道はやがて広沢池の前にでました。広沢池の南岸から眺める風景は嵯峨野らしいたおやかな山の姿です。まんなかの山で緑色しているのは上のほうは松ですが、下の方は常緑樹です。それが違和感なくつながっています。松枯れのあと白い枯れ幹を見せる松もありません。かなり念入りに手入れしてあるように思われます。この広沢池ももとは嵯峨野の水路網の一端を担う池です。

このあと宇多野を経由して仁和寺まで歩くつもりでしたが、時間がなく、広沢池の東にある山越バス停からバスに乗って仁和寺まで出ました。この間には宇多野ユースホステルがあったりするんですが、ほとんど街中で見るものはあまりありません。仁和寺からは京福電鉄に乗りました。