東京砂漠脱出計画~Ut på tur, aldri sur~

2009東京砂漠を脱出して富士山麓へ
2012息子の進学で都内へ舞い戻り
2016縁あってノルウェー移住

厳しい自然

2018-04-18 21:03:57 | ノルウェーの動物 dyr
ふもとの町はすっかり春の陽気ですが
(とはいえまだ緑は見当たらず)



家の近くは雪景色
自宅からふもとへ降りる私道はまだ車が通れません



その私道をATVで走っていると
ほぼ毎回シカに会います

シカの姿を見るのは牧歌的でいいんですけれど
近年やや増えすぎてしまっているらしく
食べ物の少ない冬を生き延びられない個体も増えているらしい…

行き倒れている子鹿を近くで見たのは今まで2回だけですが
それはほんの氷山の一角で
森の奥にはたくさんの弱ったシカが倒れては
他の動物の命をつないると思うと
自然の厳しさに胸が少し痛くなります

地元の人の中には
役所に申請して許可を得て
シカに干し草をあげている人もいます
(無許可で野生のシカに餌をあげてはいけないので)

賢い(あるいは経験豊かな)シカは
春は猟をしないと知っているのか
人に対して警戒しすぎて餓死するよりも
民家に近づく危険をおかして干し草を食べます

また、森で人間を見ても
深い雪の中を走って逃げて体力を消耗させるより
人間が危害を加えないであろう可能性に賭け
ギリギリまでじっとしています

そんなわけで
冬は夏に比べてうんと多くのシカの姿を見ることになるわけです

つい先日も
夕方遅くにちょっと散歩しようかと表に出たら(9時半頃まで明るいのでつい)
あわてて家のそばから逃げていくシカの親子が
(家の周囲は草の育成状態が良い)

「あっ、待って!いま家に戻るから食事続けて!じゃあね」

と叫んでそっと玄関のドアを閉め
2回の窓から様子をうかがっていると
親子は100mほど先で長い間立ち止まったまま
警戒態勢を取っていましたが



しばらくしてゆっくりと草を食べ始めたので一安心

自然のそばで暮らしていると
人間は自然のそばで生きるようにできているんだなあと
しみじみ思います


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