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糸魚川大火 煙と火柱が町を覆う 「こんな恐ろしい経験初めて」
山側から日本海に向けて吹き荒れる強風にあおられ、炎は商店や住宅に広がっていった。新潟県糸魚川市で22日に発生した大規模火災。日没後も火の勢いはなかなか衰えず、午後9時前にようやく鎮圧状態になった。「こんな火事は今まで起きたことがない」。避難を余儀なくされた住民らは呆然(ぼうん)と立ち尽くした。
◆あちこちに火の手
「煙はすごかったが、炎はほとんど見えなかった。すぐ消えると思って心配しなかったのだが…」
火元とみられる中華料理店のすぐそばに住む吉見幸雄さん(85)が有線放送で火事に気づいたのは同日午前10時半過ぎ。火の勢いは収まるかに見えたが風が吹くたびに火の粉が飛び、次第にあちこちから火の手が上がった。
「火が来るぞ。もう家にはいられない」。妻(82)と一緒に飛び出した。家は燃えずに無事だったが水浸しで住める状態ではないという。「長く生きてきたが、こんな恐ろしい経験は初めて」と憔悴(しょうすい)しきっていた。
「午前中は大した火事でもないと思ったが、みるみるうちに広がって驚いた」。近くの園芸店で働く斎藤玲子さん(64)は商品の花を軽トラックに積み、急いで近くの農協に運び込んだという。「年末の忙しいときに、まさかこんなことが起きるなんて。停電でテレビも見られなくなり、状況が分からない」
◆海水くみ上げ消火
糸魚川市消防本部は消防車6台で消火に当たったが、建物が密集する糸魚川市の市街地に強い風が吹き続け、延焼をくい止められない。現場に駆け付けた市消防団の吉田哲也さん(48)は「あちらこちらから火の手が上がって消火が追いつかなかった。ほんの数分。気がついたらそこら中が火の海になっていた」と話す。
まもなく新潟市や近隣自治体から次々と応援部隊が駆け付け、現場には計約100台の消防車と約500人の消防隊員が集合。水が不足したためポンプを使って海から海水を直接くみ上げたり、ミキサー車で水を運んだりして消火活動を続けた。「家屋が密集している地域なので、日頃の訓練もそれを踏まえてやっているが今回は想定外」。炎に包まれる街を前に、吉田さんは唇をかんだ。
◆「立ち直れるのか」
日が落ちると、夜空を照らす炎が一層目立つようになった。見慣れた街並みの変わり果てた姿に、避難所でテレビ画面を見つめていた高齢の女性は「残念だね…」。別の女性も「焼け跡を見るのがつらいので、消し止められても戻るのは気が重い」とつぶやいた。
自宅が全焼したという公民館の職員、斎藤友紀雄さん(60)は「自分の家が燃えるのを近くから眺めていた。明日からどうしようか」。火元近くで居酒屋を経営していた歌川万里子さん(73)は「見ているうちに火が出てきて、何も持ち出せなかった。仕方ないが、年齢も考えると店は閉めることになる。糸魚川は立ち直れるだろうか」と話し、目を伏せた。
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22日午前10時半ごろ、新潟県糸魚川(いといがわ)市大町1丁目の中華料理店の台所に煙が充満しているのを近所の人が見つけ、119番通報した。強い南風の影響で火災は広がり、同市や市消防本部などによると、同日午後3時半現在、燃えた住宅や商店などは約140棟に上り、午後5時半現在、延焼範囲は約7万5千平方メートルに及んだ。市は計744人に避難勧告を出した。市消防本部は午後8時50分、これ以上の延焼の恐れはなくなったと発表した。
市によると、煙を吸った女性(42)と避難の際に転んで頭を打った女性(47)が救急搬送された。消火にあたった47歳、44歳、27歳の男性消防団員も目や足に軽いけがをした。
現場はJR北陸新幹線糸魚川駅の北にある古くからの繁華街で木造の建物が密集。昭和初期の建物も多いという。総務省消防庁によると、市街地での火災の焼損棟数としては、東日本大震災を除いて過去20年で最多という。報道各社の取材に応じた現場の消防士によると、出火元は中華料理店の可能性があるという。
市は午後0時半ごろ、大町2丁目と本町の計273世帯586人に避難を勧告。午後4時半ごろには大町1丁目の90世帯158人にも勧告を出した。市が開放した市民会館には一時、43世帯65人が避難。一部の人は近隣の宿泊施設に移った。自主的に避難場所を確保した人も多くいるとみられるという。
ライフラインにも影響が出た。東北電力によると、糸魚川市本町と大町1、2丁目を中心に、午後4時現在で約600世帯が停電。国土交通省は国道8号の一部を一時的に通行止めにし、迂回(うかい)路として北陸自動車道の一部を無料開放した。
気象庁によると、日本海側の低気圧に南風が吹き込み、糸魚川市では22日午前10時すぎに最大風速14・2メートル、正午すぎに最大瞬間風速24・2メートルを記録した。出火当時、強風注意報が出ていた。同庁は、山を越えた風が日本海側に吹き下ろす際、空気が乾燥して気温が上がる「フェーン現象」が起きたとみる。
糸魚川市と新潟県はそれぞれ災害対策本部を設置。新潟県の米山隆一知事は自衛隊に災害派遣を要請し、陸上自衛隊高田駐屯地(同県上越市)から部隊が出動した。消防は、県内ほぼ全域の消防本部と、富山県の新川地域消防本部から出動した
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もうすぐ年末で年越し直前の大きな災難、焼け出された人、水浸しで住めない人、これからの生活を考えると...地震津波ばかりに目が向いていたが人災の火事も恐ろしい。
幸いだったのは昼間に起こった事で、これが深夜ともなれば多くの犠牲者が出ただろう。
住宅密集地域で昭和の建物も多い、これに強風とフェーン現象、もう枯れ木に火が付いた山火事と同じの様だ。2階など焼け落ちたものがドドーン一気に空へ火の粉を伴い舞い上がるのでトンデモ無く遠い家屋にも、この火の粉が降り注ぎ延焼するので恐ろしい。
謹んでお見舞い申し上げます。